更新日: 2024.03.29 年収
稼げると有名なマグロ漁師を目指していましたが、時代はカニ漁師だと聞きました。それぞれの収入はどれくらいですか?
では、それぞれの年収はどれほど違うのでしょうか。この記事では、マグロ漁師とカニ漁師の仕事について解説したあとで、両者の年収の違いと、その影響要因について解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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マグロ漁師とは
マグロ漁の職人たちは過酷な作業に日夜立ち向かう必要があります。漁師が用いる漁法技術には、一本釣り、定置網、巻き網などがありますが、仕事としては、はえ縄漁法が最も就業しやすいといわれています。
これは、浮きで釣った長いロープにたくさんの釣り糸・釣り針をつけて海中に入れておき、大型のマグロが釣れるのを待つ方法です。この方法は、魚体を傷つけずに、高品質な刺し身用マグロを確保できる点が特徴です。
しかしこの漁法は、投縄から揚縄まで20時間近くもかかることがあり、漁師の体力と精神力を極限まで試すといわれています。また、マグロではない他の海洋生物を引き上げてしまう混獲の問題が指摘されています。
さらに、縄を海中に展開する際や、獲物を船上に引き上げる作業には、高い技術と経験が必要です。獲れたマグロ一匹一匹に対する丁寧な扱いや、その後の処理が甘いと、商品価値が大きく下がることがあるのです。
カニ漁師とは
カニ漁の職人たちは、主に2つの漁法で漁を行います。底引き網漁は巨大な網を海底まで沈めて船で引き回す漁法です。この方法は混獲率の高さが問題にされることもあります。かご縄漁法は、海の深さ800から1000メートルの底に、エサを詰めたかごを仕掛ける方法で、ズワイガニなどの貴重な海産物が手に入ります。
このかご縄漁法では、一定間隔でエサを入れたかごがロープに取り付けられ、それを海底へと沈めます。数日後、これらのかごは再び海面へと引き上げられ、入っているカニを収穫するのです。
引き揚げ作業自体は3時間から4時間続くことも珍しくなく、その間、漁師たちは休むことなく働きます。海上でのこの作業は、カニの選別や次の投かごの準備も含め、強靱(きょうじん)な体力がなければ続きません。特に冬の漁期には、冷たく厳しい気象条件の下での作業となるため、その過酷さは一層増します。
両者の年収比較
漁師の収入を巡る話題では、マグロとカニの漁業が特に注目を集めています。マグロ漁業の入門レベルの年収は約360万円からとされており、数年の経験を経て資格を取得すると、年収は650万円を超える可能性があります。特に、船長や漁労長のような上位職に就くと、年収は770万円から1000万円を超えることもあります。
これに対し、カニ漁業の収入は漁場の位置や採用される漁法によって大きく変わります。日本の沿岸部で活動する漁師の年収は概ね500万円からスタートしますが、遠洋での作業を行う漁師は年収が800万円以上になることも少なくありません。
この差は、主に漁獲量に応じた歩合給が存在するためで、豊富な漁獲を上げれば上げるほど収入が増えるシステムが導入されています。
これらのデータから明らかなように、カニ漁業は特に遠洋での作業において、マグロ漁業よりも高い収入が期待できる傾向にあるといえるでしょう。日本近海でのカニ漁業に従事するのであれば、マグロ漁業で一定の経験と資格を持つ船舶職員と同等、あるいはそれ以上の収入を得ることも可能です。
とはいえ、漁業での収入は、単に漁法や漁獲物の種類だけでなく、漁場の選択や個々の漁師の能力、経験に大きく依存する点に注意が必要です。
マグロ漁師かカニ漁師か?収入の前に自分の体力と相談を
漁師の仕事は海との戦いであり、自然と向き合う厳しい職業です。マグロ漁師もカニ漁師も、高い収入を得る可能性はありますが、その分、体力と精神力を要する過酷な仕事といえます。
もし、このような漁師で稼ぎたいのであれば、自分に合った漁法を選び、海の恵みをなりわいとする道を進む覚悟が大切です。それぞれの漁業には異なる魅力と課題があります。じっくりと考えて選択しましょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー