更新日: 2024.04.17 年収
扶養に入るために月給「8万円以下」に抑えています。「年収の壁はないからもっと働いた方がいい」と夫が言いますが、本当ですか?
ただ最近、年収の壁が「なくなった」「撤廃された」というような情報を耳にし「本当なの? もっと働いた方がよいのかな?」と考えている方もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、年収の壁は本当になくなったのかについて解説していきます。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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年収の壁は本当になくなったの?
まず結論からお伝えすると、年収の壁はなくなったわけではありません。
厚生労働省が2023年10月から実施している施策により、パート・アルバイトで働く方が年収の壁を「意識せず」働ける環境づくりを後押ししている段階です。
この施策の背景には、日本の労働力不足が大きく関係しています。厚生労働省によると、日本では2040年にかけて生産年齢人口が急減し、社会全体の労働力確保が大きな課題となっているといわれています。
パート・アルバイトの方が本人の希望に応じて可能な限り働ける環境づくりはこうした人手不足への対応にもつながるとされていますが、現状では年収の壁がネックとなっている状況です。
そこで政府は、2023年10月から「年収の壁・支援強化パッケージ」をスタートしたのです。
「年収の壁・支援強化パッケージ」とは
年収の壁・支援強化パッケージでは「106万円の壁」と「130万円の壁」に対応した施策が用意されています。ここからは、それぞれの対応策について簡単にご紹介します。
「106万円の壁」への対応
「106万円の壁」への対応としては「社会保険適用時処遇改善コース」が用意されています。
このコースの内容は、パート・アルバイトの方が社会保険に加入した場合でも手取り収入を減らさないような取り組みを実施した企業に対して、労働者1人あたり最大50万円を支援するというものです。
手当等支給メニュー、労働時間延長メニュー、併用メニューが用意されており、いずれの場合でも企業が国から助成金を受け取るためには、社会保険に新たに加入する従業員に対し、手当の追加や賃上げなどの取り組みを実施する必要があります。
つまり、働く側の私たちにとっては、社会保険に加入した場合でも手取り収入が減らないような仕組みとなっているのです。
「130万円の壁」への対応
「130万円の壁」への対応策としては、もし繁忙期などで一時的に労働時間が増えたことで年収が130万円を超えてしまった場合にも、事業主が「一時的な収入増」であることを証明すれば、引き続き被扶養者として認定される仕組みが作られています。
なお、一時的な収入増の例として、以下のようなケースが挙げられます。
・ほかの従業員が休職、退職したことで代わりに働かなければならなくなった
・アルバイト・パート先の事業が好調で、全体の業務量が増えた
・急な大口案件があり、全体の業務量が増えた
ただし、基本給が上がった場合や毎月受け取れる手当がついた場合など、今後も引き続き収入が増えることが想定される場合は対象外となるため注意しましょう。
「年収の壁・支援強化パッケージ」について理解し、もっと働いた方がよいのか判断しましょう
現在、政府は年収の壁に対して「年収の壁・支援強化パッケージ」を実施し、パート・アルバイトで働く方が年収の壁を意識せず働ける環境づくりを後押ししています。ただし、活用するか否かなど、利用に関しては勤務先によって異なります。
そのため、まずは詳しい内容について勤務先に尋ねることをおすすめします。さまざまな可能性を考慮した上で、今よりもっと働いた方がよいのか検討しましょう。
出典
厚生労働省 年収の壁・支援強化パッケージ
厚生労働省 年収の壁・支援強化パッケージ <はじめに> (1ページ)
厚生労働省 事業主の証明による被扶養者認定Q&A Q1-8(5ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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