【定額減税】「年収400万円」で扶養家族4人なら、「5人×4万円=20万円」の減税分は受けられない!? その分「還付」を受けられるって本当? 年収で「損」しないのか解説

配信日: 2024.06.15

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【定額減税】「年収400万円」で扶養家族4人なら、「5人×4万円=20万円」の減税分は受けられない!? その分「還付」を受けられるって本当? 年収で「損」しないのか解説
2024年6月、いよいよ「定額減税」がスタートします。国民1人あたり4万円の減税が受けられる制度であり、楽しみに待っていた人もいるでしょう。
 
しかし、定額減税は「給付」ではなく、あくまでも「減税」である点に注意しなければなりません。年収が低いことで税金が4万円に満たない場合には、いくら4万円の減税枠が設けられたとしても、減税の効果を受けきれないということになります。
 
このような場合は諦めるしかないのでしょうか。それとも、何か救済措置があるのでしょうか。本記事で解説します。
佐々木咲

執筆者:佐々木咲(ささき さき)

2級FP技能士

定額減税って何?

会社員として働いている人は、毎月会社から支払われる給与から所得税と住民税が天引きされているでしょう。2024年4月1日に施行された「令和6年度税制改正法」では、2024年分の所得税と住民税について、定額による特別控除が実施されることになりました。これが今回の定額減税です。
 
控除額は国民1人あたり4万円となっており、内訳は所得税が3万円、住民税が1万円です。定額減税が実施されることによって、給与から天引きされる所得税と住民税が4万円少なくなるので、いつもより手取りが4万円増えることになります。
 
なお、専業主婦(夫)や子どもなど、税金が発生していない扶養家族分については、扶養している人が代表して定額減税を受ける仕組みとなっており、例えば今回のケースのように扶養家族が4人いる人であれば、自分の4万円を含めて5人分の合計20万円の控除枠があります。
 

定額減税の方法

会社員であれば、定額減税のうち所得税については会社の給与計算の一環として行われますが、住民税については市区町村が計算した税額が会社に通知される特別徴収となっていることから、所得税の計算とは少し方法が異なります。
 
所得税は、2024年6月分の徴収額から合計3万円を減税し、6月分で引ききれない場合は7月以降から差し引かれます。
 
一方、住民税については、2024年6月の給与から天引きされる住民税は一律0円となり、2024年7月から2025年5月の11ヶ月間で本来の年税額から定額減税分の1万円差し引いた残額を11分割した額が給与から天引きされます。
 

年収400万円にかかる所得税は約8万円

前記で見た通り、扶養家族が4人いる人の定額減税の金額は、所得税が15万円、住民税が5万円の合計20万円となります。一方、年収400万円の人にかかる所得税は約8万円、住民税は約18万円です。住民税に対しては満額の減税を受けられますが、所得税は約7万円(15万円-8万円)も控除額が残ってしまいますね。
 

控除しきれなかった定額減税分は還付される

定額減税の額よりも税金の額の方が少ない人の場合、控除しきれなかった分については、年末調整時に還付される仕組みとなっているので安心してください。特に住宅ローン控除がある人であれば、定額減税がないときでも所得税は少額、もしくは0円だったでしょう。
 
控除しきれなかった定額減税については還付される仕組みによって、年収や税額控除の有無にかかわらず、平等に1人4万円の恩恵が受けられるようになっています。なお、住民税については年末調整ではなく、市区町村が「調整給付金」という形で対応します。
 

まとめ

定額減税は扶養家族分を上乗せして受け取れる仕組みとなっていることから、年収によっては定額減税の額より税額の方が少なくなり、控除しきれないという人もいるでしょう。
 
「損だ」「不公平では」と心配になるかもしれませんが、控除しきれない分については、所得税であれば年末調整時に還付、住民税については「調整給付金」の形で対応される仕組みとなっているので安心してください。
 

出典

国税庁 定額減税について
内閣官房 定額減税・各種給付の詳細
国税庁 給与等の源泉徴収事務に係る令和6年分所得税の定額減税のしかた
 
執筆者:佐々木咲
2級FP技能士

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