更新日: 2024.07.07 年収
運よく大手に就職できましたが、中小企業に就職した友人から「収入が安定してそうでうらやましい」と言われました。そんなに違いがあるのでしょうか?
そのため、大手企業に就職できた場合、周囲がからうらやましがられることも少なくないでしょう。中小と大手企業では、実際にどのくらいの収入差が生じるものなのでしょうか。
本記事では、就職先の規模や学歴による収入の違いについて解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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一般的な生涯賃金は大卒男性で約2.5億円
独立行政法人労働政策研究・研修機構の「ユースフル労働統計2023」によると、フルタイムの正社員が定年(60歳)まで働いた場合の生涯年収(退職金は含めない)は、図表1の通りになります。
図表1
高卒男性 | 2億300万円 |
高卒女性 | 1億4920万円 |
大卒男性 | 2億4740万円 |
大卒女性 | 1億9800万円 |
独立行政法人労働政策研究・研修機構「ユースフル労働統計2023」より筆者作成
最も生涯年収が高いのは大卒男性の2億4740万円、高卒男性と大卒女性は約2億円で生涯年収が同じくらいになります。学歴という点では、高卒と大卒では男女ともに5000万円程度の差があり、より高い生涯年収を求めるなら、高卒よりもやはり大卒のほうが有利といえるでしょう。
また、同じ学歴であっても、男女間で5000万円程度の差が生じる原因として、女性が妊娠・出産などによって勤続年数が少なくなることや、高収入な女性管理職の数が少ないことが影響していると考えられます。
学歴別の賃金
次に、厚生労働省の「令和5年 賃金構造基本統計調査」より、令和5年6月分として支払われた所定内給与額の平均を学歴別に紹介します。
図表2
男 | 女 | 男女計 | |
---|---|---|---|
高校卒 | 30万1900円 | 23万500円 | 28万1900円 |
専門学校卒 | 32万5600円 | 27万1800円 | 30万200円 |
高専・短大卒 | 35万4900円 | 27万3500円 | 29万7400円 |
大学卒 | 39万9900円 | 29万9200円 | 36万9400円 |
大学院卒 | 49万1100円 | 40万7800円 | 47万6700円 |
厚生労働省「令和5年 賃金構造基本統計調査」より筆者作成
高校卒の賃金は高専・短大卒と比べて男女とも5万円ほどの差ですが、大学卒とは7~9万円、大学院卒とは17~19万円と差が拡大します。
また、新卒の賃金の場合でも、高校が18万6800円、専門学校が21万4500円、高専・短大が21万4600円、大学が23万7300円、大学院が27万6000円となっており、入社をした時点で、高校卒と大学院卒では10万円程度の差があることが分かります。
企業規模別の賃金
次に、同資料による企業規模別の賃金を見てみましょう。
図表3
大企業 | 中企業 | 小企業 | |
---|---|---|---|
男女計 | 34万6000円 | 31万1400円 | 29万4000円 |
男性 | 38万6700円 | 34万1600円 | 31万9800円 |
女性 | 27万4600円 | 26万2500円 | 24万8400円 |
厚生労働省「令和5年 賃金構造基本統計調査」より筆者作成
女性の場合は、中小企業と大企業で賃金は1~2万円程度しか変わりませんが、男性の場合は企業規模によって5~7万円も変わります。
そのため、男性の場合は、中小企業より大企業に就職したほうが、より高い収入を期待できるでしょう。
大手企業のほうが生涯賃金は高くなる傾向
一般的に生涯年収は、学歴が高いほど、また、企業の規模が大きいほど高くなる傾向があります。大卒男性の場合、約2億5000万円の生涯年収となり、高卒男性に比べて5000万円以上高くなる可能性があります。
また、同じ学歴・企業の規模であっても、男女間で5000万円程度の収入差があるのは、女性のほうが管理職の少ないことや、妊娠・出産などで働けない期間が生じることが原因と考えられるでしょう。
また、女性は大企業で働いても中小企業で働いてもあまり賃金の差はありません。しかし、男性は企業規模によって収入に大きな差が出るため、大企業に就職したほうが収入は安定し、余裕を持った生活を送れるといえるでしょう。
出典
独立行政法人労働政策研究・研修機構 ユースフル労働統計2023 ―労働統計加工指標集―
厚生労働省 令和5年 賃金構造基本統計調査 結果の概況
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー