更新日: 2024.07.22 年収

公立高校の教師ですが、「私立高校」への転職を考えています。年収はどれくらい変わるのでしょうか?

公立高校の教師ですが、「私立高校」への転職を考えています。年収はどれくらい変わるのでしょうか?
高校教師のなかには、公立高校と私立高校では年収がどれくらい変わるのか知りたい人もいるでしょう。年収によっては、転職を考えるきっかけが生まれるかもしれません。それと同時に、公立高校と私立高校の環境や働き方の違いについても知っておくことは大切です。
 
そこで今回は、公立高校と私立高校の年収を比較してみました。私立高校への転勤を考えている場合に知っておきたい、働き方の違いについてもご紹介しますので、参考にしてみてください。
FINANCIAL FIELD編集部

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公立高校と私立高校の平均年収を比較

総務省統計局の「学校教員統計調査(令和4年度)」によると、公立高校と私立高校の平均給与月額は以下の通りです。

【公立高校】

・男:36万300円(年収換算:432万3600円)
 
・女:33万9100円(年収換算:406万9200円)
 
・男女計:35万3200円(年収換算:423万8400円)

【私立高校】

・男:36万7100円(年収換算:440万5200円)
 
・女:32万7600円(年収換算:393万1200円)
 
・合計:35万5300円(年収換算:426万3600円)

同調査から、私立高校の平均年収は公立高校よりも2万5200円多いものの、それ程大きな差はないことが分かります。公立高校から私立高校へ転職をすれば、年収がアップするわけではないといえます。
 
なお、賞与に関しては、私立高校では学校によって差が出ることが考えられます。私立高校への転職を検討する際は、賞与の有無や実績を確認したうえで、年収の総額を比較するといいでしょう。
 

勤務する地域によって平均年収が異なる場合もある

公立高校と私立高校の全体の平均年収に大きな差はないものの、私立高校は、勤務する地域によって幅がある点に注意が必要です。公立高校と私立高校の地域別の平均年収を比較すると以下の通りです。

【公立高校】

1. 新潟県:38万8400円(年収換算:466万800円)
 
2. 福島県:38万5700円(年収換算:462万8400円)
 
3. 秋田県:38万2800円(年収換算:459万3600円)
 
45. 大阪府:33万200円(年収換算:396万2400円)
 
46. 千葉県:32万5000円(年収換算:390万円)
 
47. 神奈川県:32万2900円(年収換算:387万4800円)

【私立高校】

1. 神奈川県:42万5400円(年収換算:510万4800円)
 
2. 東京都:40万3400円(年収換算:484万800円)
 
3. 愛知県:39万6200円(年収換算:475万4400円)
 
45. 宮崎県:26万8900円(年収換算:322万6800円)
 
46. 徳島県:25万2100円(年収換算:302万5200円)
 
47. 沖縄県:25万1300円(年収換算:301万5600円)

公立高校では、地域による平均年収の差は78万6000円であるのに対して、私立高校は208万9200円と大きな差があることが分かります。公立高校の教師が私立高校に転職する場合、転職する地域によっては年収が大幅にアップする可能性があるといえるでしょう。同時に、地域によっては年収がダウンする可能性も考えられます。
 

私立高校と公立高校の違い

公立高校から私立高校への転職を検討する際は、以下のような働き方の違いについても考慮するといいでしょう。
 
・立場が異なる
 
公立高校では採用を決めるのは都道府県などで、赴任先は採用されるまで分かりません。また、人事異動により勤務先が変わることも考えられます。地方公務員なので、学校ごとの年収に大きな差はなく、退職金などしっかりとした福利厚生が定められています。
 
私立高校は民間企業と同じように、学校ごとに待遇が異なります。採用試験も各学校で実施されるため、採用後は同じ学校で働くことが一般的です。
 
・環境が異なる
 
公立高校では、学習指導要領によって授業が行われ、学校ごとに教育内容や校風が大きく異なることはないでしょう。ただし、学校によって学力レベルに差があり、配属先によっては生徒指導が増えたり、教科指導力が求められたりすることもあるようです。
 
私立高校は、学校特有の個性がある場合が多く、それぞれの理念に従って教育を行います。スポーツ・宗教・進学など、それぞれの学校で個性豊かな教育を行っていることが考えられます。自分に合った学校に採用されることで、個性を生かした働き方ができるかもしれません。
 

公立高校と私立高校の平均年収の差は2万5200円! 勤務先や学校によっては年収アップ・ダウンする可能性もあり

公立高校の平均年収は423万8400円で、私立高校の426万3600円と比較すると2万5200円とそれほど大きな差はないことが分かりました。しかし、地域によっては公立高校では平均年収の差が78万6000円であるのに対して、私立高校では208万9200円で、転職先の地域や学校によっては年収アップが狙える可能性はあるようです。
 
公立高校から私立高校への転勤を検討している場合は、地方公務員から民間人へと立場が変わることを理解する必要があります。私立高校の待遇や労働環境は学校によって異なるため、現状と比較しながら慎重に検討するといいでしょう。
 

出典

総務省統計局 政府統計の総合窓口(e-Stat)学校教員統計調査 令和4年度 第1部 高等学校以下の学校及び専修学校、各種学校の部 教員個人調査 高等学校 表番号58
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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