更新日: 2024.07.29 年収
大学の「教授」と「准教授」では、年収にどれくらいの差がある? 年収や仕事内容の違いを解説
そこで今回は、大学の教授と准教授の仕事内容や年収などの違いと、どうすればなれるのかについてご紹介します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
大学教授と准教授の違い
大学で働く先生には、教授・准教授・助教・講師・助手などさまざまな役職があります。中でも高待遇な傾向にあるのは、教授や准教授です。それぞれの違いを確認してみましょう。
定義
学校教育法第九十二条により、「大学には学長、教授、准教授、助教、助手及び事務職員を置かなければならない。」と定められています。さらに、教授・准教授について次のように定義しています。
「教授は、専攻分野について、教育上、研究上又は実務上の特に優れた知識、能力及び実績を有する者であつて、学生を教授し、その研究を指導し、又は研究に従事する。」
「准教授は、専攻分野について、教育上、研究上又は実務上の優れた知識、能力及び実績を有する者であつて、学生を教授し、その研究を指導し、又は研究に従事する。」
比較すると、その違いは「特に」の有無のみです。つまり「定義」としては、教授と准教授にはそれほど大きな差はないことになります。
仕事内容
一般的に大学教授と准教授は、学生に対し講義を行い、自身の専門分野の研究や発表するといった仕事内容に大きな違いはありません。准教授は、もともと「助教授」と呼ばれていました。
助教授と呼ばれた時代は、教授の補佐をする役割だと認識されていましたが「学校教育法」や「大学設置基準」の改正にともない、独立した研究を行う立場として呼称も変更されています。
なお、教授になるとそれぞれの専門分野のプロフェッショナルとして世間に認識されやすく、テレビや雑誌などに出る機会が増えたり、本を出版したりする方もいます。
そのような方は、通常の収入以外の副収入が得られる方もいるでしょう。また、教授になることで、学部や大学の運営に携わるようになる方もいます。
平均年収
定義や仕事内容などに大きな違いのない教授と准教授ですが、年収にもそれほど差はないのでしょうか?厚生労働省の令和5年賃金構造基本統計調査を基にそれぞれの平均年収を計算した表1をご覧ください。
表1
きまって支給する現金給与額(A) | 年間賞与その他特別給与額(B) | 年収 (A×12+B) |
|
---|---|---|---|
教授 | 66万6300円 | 275万1500円 | 1074万7100円 |
准教授 | 54万7200円 | 205万5000円 | 862万1400円 |
※厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」を基に筆者作成
きまって支給する現金給与額とは、基本給に通勤手当や職務手当、超過労働給与額などが含まれた額で、社会保険料や所得税などを差し引く前の額です。教授と准教授の年収は1074万7100円-862万1400円で212万5700円もの差があります。
なお、所属する学校の規模により変動する可能性があるため、参考程度にしてください。
大学教授になる方法
仕事内容にほとんど差のない教授と准教授ですが、年収を比較すると200万円以上の差があることが分かりました。大学の教員を目指す人なら、最終的には教授を目指したいところです。
准教授が教授になる基準は大学によって異なります。「大学設置基準第十三条」では、「大学における教育を担当するにふさわしい教育上の能力を有すると認められる者」といったことに加え、博士の学位があること、教授や准教授などの経歴があること、専攻分野で特に優れた知識や経験があることなどのいずれかに該当することと定義しています。
なお、具体的には修士号や博士号を取得し、大学の教員となって、助教や講師、准教授と段階を踏んで目指す方法が一般的なようです。
大学教授と准教授の仕事内容はほぼ同じでも平均年収は200万円以上違うことも
大学教授と准教授の定義は、極端な違いはなくどちらも専攻分野で優れた知識や実績のあることとされています。
年収に関してはどちらも高収入であることは変わりませんが、厚生労働省によれば、その差は200万円以上にもなるようです。大学の教員を目指す人なら、最終的には教授を目指したいところです。
出典
e-Gov法令検索 昭和二十二年法律第二十六号 学校教育法 第九十二条
e-Gov法令検索 昭和三十一年文部省令第二十八号 大学設置基準 第十三条
e-Stat政府統計の総合窓口 令和5年賃金構造基本統計調査
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー