更新日: 2024.07.29 年収

20代の新婚夫婦です。子どもは「2人」欲しいのですが、世帯年収「600万円」では厳しいでしょうか…?

20代の新婚夫婦です。子どもは「2人」欲しいのですが、世帯年収「600万円」では厳しいでしょうか…?
結婚して、そろそろ子どもが欲しいと思ったときに、子ども1人を育て上げるために必要な金額に驚くことも多いでしょう。世帯年収600万円の世帯では2人の子どもを育てることはできるのでしょうか。本記事では、子ども2人を育てるための生活費や教育費の見積もりを提示し、家計のバランスを考えた現実的なアドバイスを解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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全国的な世帯所得の平均額とは?

世帯年収600万円は、全国的な世帯所得と比べると多い方なのか比較します。
 
厚生労働省が2022年に公表した「国民生活基礎調査」の「各種世帯の所得等の状況」を見てみると、2021年の世帯所得の平均は545万7000円です。所得の平均は過去10年近く横ばいで推移していますが、児童がいる世帯を見てみると2012年の637万2000円に対し、2021年は785万円まで増加しています。
 
世帯年収600万円は、全国的な平均世帯所得から見ると多めではありますが、児童がいる世帯で考えると、平均よりも少ない所得額であることが分かります。
 
「世帯主の年齢階級別の所得の状況」では、20代が1世帯当たり377万5000円に対し、30代は627万2000円、40代は728万5000円、50代は742万1000円と推移しています。年代別で考えると、20代から最も所得が多くなる50代まで約30年あることから、将来を見据えて計画的に貯蓄を行うことで子育てに必要な資金を準備できるでしょう。
 

子どもが2人いる家族の平均的な生活費はどのくらい?

家族が増えると気になるのが、どれくらいの生活費がかかるのかということです。4人家族の平均的な生活費はいくらくらいなのでしょうか。総務省統計局の「家計調査報告書(家計収支編)令和3年(2021年)」によると、夫婦と子ども2人がいる世帯の1ヶ月の生活費は、平均約28万円です。
 
平均生活費には、食費や居住費、光熱費、医療費、教育費などが含まれており、子どもの年齢などによっても変わってくるため、あくまで参考となります。月28万円として年間の生活費を考えると「約28万円×12ヵ月=約336万円」となります。
 
また、家計調査報告書の中には居住費の家賃や持ち家のローンは含んでいません。各家庭の居住状況によっては、家賃やローンの支払い代が月々の費用として上乗せされます。生活費である食費や被服費は、子どもの人数が増えても節約によって費用を抑えることが可能です。そのため、人数によって大きな費用の変動はないようです。
 

子どもの教育費の平均額とは?

子どもの教育費は平均でどのくらいかかるのでしょうか。文部科学省「教育費負担」の資料によると、「大学卒業までにかかる平均的な教育費(下宿費、住居費等は除く)は、全て国公立でも約800万円。全て私立だと約2,200万円に上る」と発表しています。子ども2人の教育費の全てを家計から捻出するとなると、非常に大変です。
 
教育費に関しては、奨学金や自治体の補助制度などを活用することで、負担を軽減できるでしょう。具体的には、子ども家庭庁の制度で中学校卒業まで(15歳の誕生日後の最初の3月31日まで)の児童を養育している方に対し、児童手当が支給されます。支給額は以下の通りです。
 

・3歳未満…一人当たり一律月額1万5000円
・3歳以上から小学校修了前…一人あたり月額1万円 (第3子以降は1万5000円)
・中学生…一人当たり月額一律1万円

 
国公立学校における義務教育は無償で、授業料は不徴収であることから、教育にかかる費用も少ない時期です。この時期に児童手当を上手に貯蓄することで、高校や大学で私立に進学し、教育費の負担が増える場合に備えられます。利用可能な公的補助制度を確認し、子どもの進路に合わせて貯蓄や積立をしておくことで、希望に合った選択が可能になるでしょう。
 

世帯年収600万円で子ども2人を育てることは可能

将来の家族設計をするにあたり、家族の人数が増えると必要な生活費や備えるべき教育費の負担が増加すると考えがちです。
 
しかし、世帯年収600万円であれば、国や自治体が行っている子育て支援制度を活用することで、子ども2人を育てることは可能でしょう。金銭的な不安に囚われることなく、夫婦で将来の計画をしっかりと立てて、賢い家計管理に挑戦してみましょう。
 

出典

厚生労働省 2022(令和4)年 国民生活基礎調査
文部科学省 【資料5‐2】教育費負担
総務省統計局 「家計調査報告書(家計収支編)令和3年(2021年)」表番号2‐7、2-8
こども家庭庁 「児童手当制度のご案内」
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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