更新日: 2024.08.07 年収
地方から憧れの東京に転職して年収も50万円アップ! なのに生活が「前より苦しい」のはなぜでしょうか?
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
意外な盲点。東京の可処分所得は全国ワーストクラス
経済的な豊かさを測るには、可処分所得と基礎支出に注目する方法があります。可処分所得は、収入から税金や社会保険料を引いた金額で、基礎支出は食費や家賃、水道光熱費を指します。
そこで、国土交通省が公表している「都道府県別の経済的豊かさ(可処分所得と基礎支出)」から、可処分所得と基礎支出の上位3位と東京の順位を見てみましょう。
1位 富山県:42万262円
2位 三重県:41万6264円
3位 山形県:40万8972円
12位 東京都:39万2716円
1位 東京都:19万9372円
2位 神奈川県:18万2334円
3位 埼玉県:17万4779円
東京は可処分所得が上位ですが、基礎支出も高いため、自由に使えるお金が少ないことが分かります。
東京は基礎支出が高い
厚生労働省の「令和5年度 地域別最低賃金改定状況」によると、東京の最低賃金は1113円で全国平均(1004円)を上回っています。しかし、東京は基礎支出も高く、自由に使えるお金が多いとはかぎりません。
可処分所得と基礎支出の差額では全国42位と低い位置にあります。そのため、東京へ転職して年収が上がっても、生活が苦しくなることがあるのです。
東京で節約すべき費用とは?
年収がアップしても生活が苦しくなる場合、家賃を見直すことが重要です。
東京23区における一人暮らし向け賃貸物件の家賃相場は、約6万~13万円です。間取りや最寄り駅からの距離などの諸条件により異なりますが、通勤に便利な都心部ならワンルームでも10万円を超えることも珍しくありません。次に、主要な地方都市の家賃相場を見ていきましょう。
札幌市:約3万〜4万円
仙台市:約5万円
広島市:約3万〜5万円
北九州市:約3万〜4万円
東京の家賃は、他の主要都市や全国平均と比べて高いです。年収が50万円上がっても、家賃の増加で自由に使えるお金はあまり増えません。そこで家賃負担を抑える方法には、勤務先の家賃補助を利用する、家賃相場の低いエリアを選ぶ、駅から遠い物件を選ぶなどがあります。
コストが抑えられる費目もある
なにかとお金がかかる東京での生活ですが、地方よりもコストが抑えられる項目もあります。23区内に住んでいれば、日常的な移動は公共交通機関で済ませられるでしょう。車が必要な時にはレンタカーやカーシェアも利用できるので、マイカーの維持費を節約できます。
また、多くの住宅で利用できる都市ガスは、地方で使われることの多いプロパンガスよりも安いです。冬場の光熱費についても、暖房を多く使う北国より安く抑えられます。
まとめ
東京は可処分所得が高いものの、基礎支出も全国トップで自由に使えるお金が少なくなります。したがって東京へ転職して年収が上がっても、家賃や生活費の高さから生活が苦しくなることがある点に留意しましょう。
出典
国土交通省 都道府県別の経済的豊かさ(可処分所得と基礎支出)
厚生労働省 令和5年度 地域別最低賃金改定状況
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー