更新日: 2024.08.09 年収

「幼稚園」と「保育園」。それぞれの年収はどれくらい違いますか?

「幼稚園」と「保育園」。それぞれの年収はどれくらい違いますか?
「幼稚園」と「保育園」はそれぞれタイプは異なるものの、未就学児の成長に大切な役割を果たしています。しかし、たくさんの未就学児を預かるのは、非常に気を遣う大変な仕事です。
 
そこで今回は、それぞれの仕事の年収や休暇の取り方についてご紹介します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

幼稚園と保育園はどう違う?

幼稚園や保育園は、どのように違うのか明確な違いが分からない方もいるでしょう。それぞれに入園の基準があり、幼稚園は幼児教育を希望すること、保育園は保護者が仕事や病気などで保育の必要があることなどが基準となります。
 
その特性から、休園日にも違いがあり、幼稚園は土日祝日と夏・冬・春休みがあります。保育園には年末年始以外に長期休みはないのが一般的です。また、保育園自体に長期休みはほとんどないため、登園する子どもの数が減る8月中旬前後に順番で夏期休暇を取得する園も多いようです。
 
なお、幼稚園・保育園のほかに「こども園」があります。こども園は、幼稚園・保育園両方の機能を併せ持つ園です。
 

【公立・私立別】幼稚園と保育園の給与額の差

入園資格や職員の休みの取得方法に差がある幼稚園や保育園ですが、それぞれの給与額に違いはあるのでしょうか?公立・私立に分けてそれぞれ比較してみましょう。
 
それぞれ役職名が異なるため、今回は同等の役職である幼稚園「教諭」・保育園「保育士」の給与額を比較します。なお、給与額は平成31年3月分の月額給与に平成30年度分の賞与1/12が含まれます。
 

公立の幼稚園教諭と保育士の給与

こども家庭庁の「令和元年度幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査」が公表した、公立の幼稚園と保育園それぞれの常勤職員1ヶ月あたりの給与額と、それを基に算出した年収は表1になります。
 
表1

幼稚園教諭 保育園保育士
賞与込み給与月額 37万8356円 30万3113円
年収
(賞与込み給与月額×12)
454万272円 363万7356円

※こども家庭庁「令和元年度幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査」を基に筆者作成
 
公立の園では、幼稚園教諭が圧倒的に年収が高い結果となり、その差は100万円ほどにもなります。なお、こども園は賞与込み給与月額が28万7181円、年収が344万6172円です。
 

私立の幼稚園教諭と保育士の給与

次に、同じようにこども家庭庁の「令和元年度幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査」を基に算出した私立の幼稚園・保育園それぞれの常勤職員の年収を表2で比較してみましょう。
 
表2

幼稚園教諭 保育園保育士
賞与込み給与月額 28万7492円 30万1823円
年収
(賞与込み給与月額×12)
344万9904円 362万1876円

※こども家庭庁「令和元年度幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査」を基に筆者作成
 
幼稚園教諭の年収が圧倒的に高い公立に比べ、私立はそれほどの差はありません。なお、こども園は賞与込み給与月額が27万9954円、年収が335万9448円となっており、私立でもっとも年収が高いのは保育士のおよそ362万円となります。
 

幼稚園と保育園では公立の幼稚園がもっとも年収が高い傾向にある

幼稚園や保育園は、その特性から職員の休日の取り方や給与額などに差があります。これらの中でもっとも年収が高いのは、公立幼稚園の教諭となり、ほかの職種と比べ100万円ほども高い額となっています。
 
とはいえ、国税庁の令和元年民間給与実態統計調査では、国内の平均給与額は436万円です。公立幼稚園の454万円は極端に高い額ではありません。政府でも保育園や幼稚園の給与の低さが問題となっています。政府による処遇改善措置もとられ、今後は平均給与の底上げも考えられるでしょう。
 

出典

内閣府子ども・子育て本部 幼稚園・保育所・認定こども園等の 経営実態調査のデータ分析各職種区分に含まれる職員の種別(7~8ページ)
こども家庭庁 令和元年度幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査 / 職種別職員一人当たり給与月額の状況私立・公立保育所 総括表
こども家庭庁 令和元年度幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査 / 職種別職員一人当たり給与月額の状況私立・公立幼稚園(新制度) 総括表
国税庁 令和元年分民間給与実態統計調査
こども家庭庁 子育て支援事業者の方向け情報保育士・幼稚園教諭等を対象とした処遇改善(令和4年2月~9月)について
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

PR
FF_お金にまつわる悩み・疑問 ライターさん募集