更新日: 2024.08.25 年収
「円安のおかげでボーナスが100万円になった」という友人。円安の影響を受けやすい企業とは?
円安からいい影響を受ける企業に所属していれば、ボーナスも増えるケースがあるでしょう。今回は、円安による影響や、円安によってボーナスが増加する企業の特徴などについてご紹介します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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円安が企業に与えた影響とは?
株式会社帝国データバンクが2024年に実施した「円安に関する企業の影響アンケート」によると、円安の進行により利益にマイナスが生じたと回答した企業は全体の63.9%でした。さらに、売上高にも利益にもマイナスが出たと回答した企業は31.7%です。円安は、多くの企業に悪影響を及ぼしているといえるでしょう。
一方で、同アンケートで売上高にプラスの影響があった企業は16.0%、利益にプラスの影響があった企業は7.7%でした。あまり多くはありませんが、円安により利益が増す企業もあるようです。
円安でボーナスが増える企業とは?
同じく株式会社帝国データバンクが2024年に行った「2024年夏季賞与の動向アンケート」によると、夏季賞与が増加した企業は全体の39.5%でした。ボーナスの増加理由としては、鉄鋼業や鉱業といった製造業界からは「業績回復」を理由として挙げています。
製造業は海外へ輸出している企業も多く、円安の影響を多く受ける業界です。円の価値が下がるということは、海外で日本製品が安くなるため売れやすくなり、利益が多く上がります。
円安で利益が増えた分、社員への還元も増え、ボーナスが増えることも考えられるでしょう。同様の理由で、海外に拠点を置き現地で収益をあげている企業も利益が上がりやすいといえます。
円安から円高に変わるとどうなる?
円高になると、円安とは逆に海外製品が安く輸入できるようになります。逆に日本製品を海外で売るときの金額が高くなるため、輸出業の企業では利益が下がる可能性もあるでしょう。企業によってはボーナスの金額が減る可能性もあります。
ただし、円高になると製造業で使われる原材料を輸入する金額も安くなるため、輸入を主な仕事としている企業では、ボーナスが増加するケースがあるでしょう。
ボーナスの平均額はいくら?
厚生労働省の「毎月勤労統計調査 令和6年2月分結果速報等」によると、令和5年年末賞与の平均支給額は全業種で39万5647円でした。もし100万円のボーナスを受け取っていたとすると、平均額の2.5倍ほど多い金額です。
なお、同調査において最もボーナスが多かった業種は「電気・ガス業」で80万3194円でした。最も高い業種の平均結果と比較してみても、ボーナスが増えた友人の会社は円安により利益が大きく増えたと考えられます。
円安になると輸出を主とする製造業などは利益が上がるため
円安が続くと国内の物価が上がったり海外旅行へ行く費用が高くなったりなどのデメリットがある一方で、一部業種では利益の上昇に伴いボーナスが増加するといったメリットも生じます。
特に、輸出業では円安により円の価値が下がったことで、海外で日本製品が売りやすくなる点がメリットです。売上高や利益が増えるため、ボーナスが2倍になるケースもあるでしょう。
もし円安から円高に変わると、今度は輸入業者の利益が上がりやすくなります。国内で製品が売れやすくなるため、国内の業者はボーナスが上がる可能性もあるでしょう。
今後のボーナスが気になる方は、円の動向を気にしてみるのも会社の業績をある程度把握する方法の一つです。また、平均ボーナスを知っておくと、自分の企業の業績が好調かどうか、分かりやすくなるでしょう。
出典
株式会社帝国データバンク
円安に関する企業の影響アンケート(2024年5月)
2024年夏季賞与の動向アンケート(2ページ)
厚生労働省 毎月勤労統計調査 令和6年2月分結果速報等(13ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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