更新日: 2024.08.28 年収
派遣社員ですが、派遣先で「契約社員にならないか」と言われました。収入は「月24万円」と変わりませんが、ボーナスが支給されるそうです。なにか“デメリット”はあるのでしょうか?
本記事では、勤務先から「額面月収24万円の契約社員」への転換を提案されたケースを想定します。派遣社員のときと収入規模が変わらない場合、提案を受けることで発生するメリットやデメリットについて解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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派遣社員から契約社員になるメリット
派遣社員は一般的に派遣元と呼ばれる人材派遣会社に登録し、派遣先の企業で指揮命令を受けて勤務します。毎月の給与は派遣会社から支払われ、1回あたりの契約期間は数ヶ月程度と短いことも多いです。
一方、派遣先と直接雇用契約を結んで契約社員になると、給与の支払者や社会保険の加入先などが異なるので雇用関係が大きく変化します。企業によって詳しい内容は変わりますが、一般的には1回あたり1年以上の雇用契約を結ぶことが多いと考えられます。
派遣社員のときに比べると雇用が安定し、企業としてもすぐ辞められるリスクが軽減されるため、これまで以上に幅広く業務を任せられ、重要な仕事に携われる機会も増えるかもしれません。
直接雇用されると待遇面も大きく変わり、ボーナス(賞与)を受け取れるようになるケースもあります。2024年5月に一般財団法人労務行政研究所が発表した「東証プライム上場企業の2024年夏季賞与・一時金(ボーナス)の妥結水準調査」では、ボーナス支給月数の平均は全体で2.64ヶ月となっています。
夏と冬あわせて「5ヶ月分のボーナス」を受け取れる場合、月収24万円だと年間120万円もらえます。税金や社会保険料などが控除されて実際に受け取る金額は額面よりも少なくなりますが、派遣社員だともらえないことも多いのでボーナスの有無は無視できないでしょう。
直接雇用で契約社員になるデメリット
派遣社員から契約社員になると、待遇が良くなることも多いですが、デメリットも存在します。派遣社員は自身の働き方に合う求人を紹介してもらえます。勤務日数や時間、場所、残業の有無などの基本条件はもちろん、最近は在宅勤務(テレワーク)の有無や頻度の要望を聞かれることもあります。
一方、直接雇用となると基本的に「1日8時間・週5日」のフルタイムで勤務するケースが多いため、臨機応変に働くのが難しくなる可能性もあります。派遣社員の場合は1度に結ぶ契約期間が短いためさまざまな職場を経験できるメリットもありますが、直接雇用になると「簡単に仕事を辞められない」と感じる人もいるかもしれません。
契約社員の打診を受けるか迷ったら考えたいポイント
派遣社員から契約社員にならないか提案されて迷ったら、次の3つのポイントを考えてみましょう。
・仕事とプライベートの両立はできるか
・正社員登用制度はあるか
・給与や勤務時間などの条件は納得できるか
派遣社員としてすでにフルタイムで働いていたとしても、契約社員となって勤務時間や有給休暇の取得方法、残業の有無などの条件が変わることもあります。雇用契約を締結する際はもちろん、それまでにも不安なことがあれば直属の上司や人事担当者などに質問してみましょう。
契約社員になっても「有期雇用契約」であることは変わりません。将来的に「無期雇用契約」の正社員を目指す意思がある場合は、勤務先に正社員登用制度はあるのか、勤続年数や人事考課などによってルートが異なることもあるのかなどを確認しておきましょう。
まとめ
本記事では、派遣社員から直接雇用の契約社員になると、どのようなメリットやデメリットがあるのか解説しました。ボーナスが支給されたり福利厚生が充実したりするなど待遇が良くなることも多いですが、全員に向いているとは限りません。
収入アップを目指すことは大切ですが、大きなミスマッチを防ぐためにも自分のライフスタイルと照らし合わせて、どのような働き方がベストなのか確認しましょう。
出典
一般財団法人労務行政研究所 東証プライム上場企業の2024年夏季賞与・一時金(ボーナス)の妥結水準調査
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー