更新日: 2024.08.28 年収
今度のパート先は「賞与」が出るそうです。正社員と同じくらいもらえるのでしょうか?
今回はパートでも賞与がもらえるようになっている背景や平均金額について調べてみました。年収が増えるのはうれしいですが、金額によっては課税対象になる点についてもご紹介しますので、参考にしてみてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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目次
パートでも賞与が支給される!?
賞与の支給は正社員のみであると考える人もいるようですが、最近ではパートにも賞与を支給する会社が増えているようです。これには「同一労働同一賃金」が関係しています。
厚生労働省によると、同一労働同一賃金とは、「同一企業・団体におけるいわゆる正規雇用労働者(無期雇用フルタイム労働者)と非正規雇用労働者(有期雇用労働者、パートタイム労働者、派遣労働者)との間の不合理な待遇差の解消を目指すもの」とされています。
非正規労働者の待遇を改善することで、労働者のモチベーションが上がることが期待されます。また育児や介護などを理由に正社員では働けない人も「短時間であれば働きたい」と思うようになり、労働者の数が増えて人手不足の解消になることも予想されます。
パート先で賞与が出る場合、その会社は同一労働同一賃金の取り組みの一環として、待遇を改善しているのかもしれません。また多様な働き方を自由に選択できるようになっている昨今、会社によってはパートにも賞与を支給することにして、人材確保に努めていることも考えられます。
パートの賞与の相場はいくらくらい?
パートにも賞与が出る場合、いくらくらい支給されるのか気になる方もいるでしょう。
賞与の有無や金額は会社ごとに異なりますが、パートの場合は2万~5万円前後が相場のようです。中には長期間働いているパートに、正社員ほどの賞与を出すケースも考えられます。パートの賞与の平均支給額は一概にいえないため、賞与の額について知りたい場合は、パート先の就業規則などを確認してみるといいでしょう。
賞与の支給がある場合は金額によって課税対象になることも
パートに賞与の支給がある場合、金額によっては課税対象になることもある点に注意が必要です。賞与はパートの年収に含まれるため、賞与の支給によって年収がアップして、表1のように本人または配偶者の税金に影響する場合があります。
表1
パートの年収額 | 本人に対する課税 (所得税/住民税) |
配偶者に認められる控除 (配偶者控除/配偶者特別控除) |
---|---|---|
100万円以下 | ×/× | 〇/- |
100万円超~103万円以下 | ×/〇 | 〇/- |
103万円超~201万6000円未満 | 〇/〇 | ×/〇 |
201万6000円以上 | 〇/〇 | ×/× |
出典:厚生労働省「パートタイム・有期雇用労働法のあらまし」を基に筆者作成
課税対象とならないよう、または配偶者控除を考慮して、年収が一定の金額を超えないようシフトを調整している方もいるでしょう。パート先で賞与が出る場合は、支給金額を把握したうえで、年間の労働時間を調整する必要があるかもしれません。
パートの賞与の平均は一概にはいえない……。支給額によっては課税対象になる場合あり
正社員と非正規労働者の待遇の格差を解消する「同一労働同一賃金」の取り組みの一環として、パートにも賞与を出す会社が増えているようです。ただし賞与の有無や金額は会社によって異なるため、平均支給額については一概にいえません。
とはいえ育児や介護などを理由に正社員として働けない人にとっては、パート先で賞与が支給されるのはうれしいものであるといえるでしょう。
パート先で賞与が出る場合は、年収がアップして課税対象になる場合がある点に注意が必要です。支給金額によっては本人に対する課税、または配偶者に認められる控除に影響があります。賞与の支給金額を把握したうえで、年間の労働時間を調整する必要が生じるかもしれません。
出典
厚生労働省
同一労働同一賃金特集ページ~雇用形態にかかわらない公正な待遇の確保について~
パートタイム・有期雇用労働法のあらまし(68ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー