更新日: 2024.08.29 年収

私の住む地域では最低賃金が「41円」上がるそうです。もともと最低賃金以上の時給で働いている人も、給料アップするのでしょうか?

私の住む地域では最低賃金が「41円」上がるそうです。もともと最低賃金以上の時給で働いている人も、給料アップするのでしょうか?
令和5年に発表された最低賃金の改定では、全国加重平均額が1004円となりました。43円の引き上げは過去最高で、ニュースで大々的に取り上げられたことを記憶している方も多いでしょう。
 
最低賃金以下で働いていた方にとっては、給料が上がると喜べる最低賃金の改定。しかし、もともと最低賃金以上で働いていた方は、同じように賃金アップされるのか疑問に思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。
 
そこで今回は、最低賃金の確認方法と、最低賃金以上で働いている方の給与にも影響があるのかどうかについて解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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最低賃金とは

「最低賃金制度」とは、国が最低賃金法に基づいて定めた賃金の最低限度以上の賃金を、会社側が支払わなければならない制度です。
 
改定額は、毎年中央最低賃金審議会が示す地域別最低賃金額の目安などを参考に、各地方最低賃金審議会が調査、審議し答申されます。
 
なお、最低賃金の対象となるのは所定内給与である「基本給」「諸手当(通勤手当・家族手当など一部を除く)」のみで、賞与や時間外勤務手当・休日出勤手当などの所定外給与は該当しません。
 

都道府県別最低賃金の差

令和6年8月現在、最低賃金は令和5年10月に発効された数字が採用されています。都道府県によって最低賃金には差があり、最低賃金の上位3都府県、下位3県は表1の通りです。
 
表1

都道府県 最低賃金
東京都 1113円
神奈川県 1112円
大阪府 1064円
秋田県 897円
愛媛県
高知県
宮崎県
鹿児島県
徳島県 896円
沖縄県
岩手県 893円

※厚生労働省「地域別最低賃金の全国一覧」を基に筆者作成
 
なお、最低賃金は時給制で働いている方だけでなく、日給・月給の方にも適用されます。万一、地域ごとの最低賃金額以上の賃金を支払わなかった場合は、罰則として50万円以下の罰金が科せられる可能性があります。
 

最低賃金の確認方法

自身の給与が時給制の場合は、時給≧最低賃金と分かりやすいですが、日給・月給制の場合は、最低賃金を上回っているかどうか分かりにくい場合があります。そういった場合は、確認するための計算方法があるので確認しておきましょう。
 
日給制の場合は、日給÷1日当たりの所定労働時間≧最低賃金です。月給制の場合は、月給÷1ヶ月の平均所定労働時間≧最低賃金となります。なお「1ヶ月の平均所定労働時間」は、「(365日-年間休日数)×1日当たりの所定労働時間÷12ヶ月」で計算できます。
 
日給・月給ともに通勤手当・家族手当などを除く所定内給与で計算することを忘れないようにしましょう。
 

最低賃金以上の時給で働いている人も給料アップするのか?

最低賃金の上昇は、最低賃金以上で働いている人にとって、何か恩恵があるのでしょうか?
 
法律上は、最低賃金以上で働いている従業員の賃金を、同じようにベースアップさせることは定められていないようです。
 
最低賃金がアップすることで社員間の給与の差が縮まってしまう場合、不公平に感じるスタッフや仕事に対するモチベーションが低下してしまうスタッフが出てくることも考えられます。
 
しかしベースアップするかは、それぞれの会社の判断に委ねられています。
 

最低賃金以上の時給で働く人の給料が上がるかは会社の判断で決まる

最低賃金とは、地域ごとに国が定めた最低限度の賃金のことです。もしも、最低賃金未満で働かせた場合、罰則規定があります。なお、最低賃金以上で働いている場合、法律上は給料アップの必要はありません。
 
しかし、明らかに不公平だと感じた場合や、最低賃金を計算してもはっきり分からない場合は、最寄りの都道府県労働局または労働基準監督署へ相談してみましょう。
 

出典

厚生労働省 全ての都道府県で地域別最低賃金の答申がなされました
厚生労働省 地域別最低賃金の全国一覧
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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