近所に「4000万円台」の「新築分譲住宅」が建ちました。住んでいるのは「30代前後の若い夫婦」ばかりのようですが、どれくらいの収入があるのでしょうか…?
配信日: 2024.10.11
そもそも、20代~30代の平均的な年収の夫婦でも、4000万円台の住宅を購入することはできるのでしょうか?
そこで今回は、20代~30代の若い夫婦が4000万円台の新築分譲住宅を購入する場合に必要な年収について、実際に計算してみます。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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目次
4000万円台の分譲住宅を購入できる世帯年収の目安
住宅金融支援機構の「2023年度フラット35利用者調査」によると、住宅ローンの平均年収倍率(マイホーム購入額が世帯年収の何倍になるかを表した数字)は建売住宅の場合で世帯年収の6.6倍となっています。
例えば4000万円の分譲住宅をローンを組んで購入する場合、年収は4000万円÷6.6でおよそ606万円となる計算です。つまり、世帯年収がおよそ606万円あれば、4000万円の住宅を購入できることになります。
なお、手取り額は年収のおよそ75%~85%といわれているため、年収606万円の手取り額は、およそ454万5000円~515万1000円となります。
同様に5000万円の住宅で計算すると、必要な年収はおよそ758万円で、手取り額はおよそ568万5000円~644万3000円です。つまり4000万円台の住宅を購入する場合、必要な年収は606万円~758万円ほど、手取りは454万5000円~644万3000円ほどとなります。
20代~30代の平均年収
20代〜30代は、4000万円台の住宅を購入できるほどの世帯収入があるのでしょうか?10人以上の企業規模の会社に勤務する20代~30代の平均年収を、令和5年賃金構造基本統計調査を基に計算したものが表1です。
表1
給与 | 賞与 | 年収 | |
---|---|---|---|
20歳~24歳 | 24万7700円 | 37万8900円 | 335万1300円 |
25歳~29歳 | 28万9800円 | 66万3100円 | 414万700円 |
30歳~34歳 | 31万9400円 | 80万2100円 | 463万4900円 |
35歳~39歳 | 34万9300円 | 93万8100円 | 512万9700円 |
※総務省統計局「令和5年賃金構造基本統計調査」を基に筆者作成
4000万円台のローンを組むには、20代~30代の単身者では、資金が足りません。20代~30代では次のような場合に、4000万円台の住宅を購入できると考えられます。
・夫婦共に正社員で働く
・パート+正社員で共働き
理想の返済負担率は25%程度
20代~30代でローンを組んだ場合、月々の返済額はどの程度になるのでしょうか?一般的に住宅ローンの返済負担率は、25%程度が理想的だといわれています。「返済負担率」とは、収入に対する返済額の割合のことです。
例えば、4000万円台のローンを組むときに必要な手取り額454万5000円~644万3000円の返済負担率25%は、113万6250円~161万750円です。12ヶ月で割ると、およそ9万5000円~13万4000円ほどとなります。
しかし20代~30代といえば、子育てなどと重なる年代であり、年々子育てに必要な額が増えていきがちです。そのため、できる限り返済負担率をおさえることがポイントです。
世帯年収がおよそ600~750万円あれば4000万円台の家を購入できる可能性がある
30歳前後の若い年代でも、世帯年収がおよそ600~750万円あれば、4000万円台の家を購入できる可能性があります。20代~30代の一人の人の平均年収では購入は難しいかもしれませんが、夫婦共働きすることで、返済も可能でしょう。
とはいえ、家庭によって家族構成や月々必要な費用、ほかにローンがないかなど、現在の環境によって、支払える額は異なります。将来的なことも踏まえ、無理のない返済計画をする必要があるでしょう。
出典
住宅金融支援機構 2023年度 フラット35利用者調査Ⅰ調査結果の概要 7年収倍率(融資区分別)の推移(2013~2023年度)(12ページ)
総務省統計局 政府統計窓口 e-Stat 令和5年賃金構造基本統計調査 一般労働者 産業第分類 表番号1 年齢、階級別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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