更新日: 2024.10.24 年収
介護士の平均年収は「約400万円」、看護師は「約500万円」。どちらも大変な仕事なのに、年収に100万円も差があるのはなぜでしょうか?
そこで本記事では、介護士と看護師の給与や年収について解説します。仕事内容の違いや、今後の取り組みも紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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目次
介護士と看護師の仕事内容
まずは、介護士と看護師の仕事内容を解説します。
介護士
介護士は、高齢者や、障害があり自立して日常生活を送ることが困難な人などの援助をします。
社会福祉施設に入所している人やデイサービスで利用する人々のお世話をする介護士を「施設介護員」、要介護認定や障害支援区分の認定を受けている人々の住まいを訪問して、援助を行う介護士を「訪問介護員」と呼びます。
介護士の仕事は、食事・入浴・排せつなど生活全般の世話をしたり、体を動かすための介助をしたりといった利用者のケアを行うことがメインです。生活のお世話のほかにも、生活相談員・看護師・栄養士などの専門職スタッフとも連携し、さまざまな方位からサポートします。
厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」によると、「訪問介護員」になるには「介護職員初任者研修課程」を修了する必要があります。3年以上の実務経験を積み、「実務者研修」を受講して国家試験に合格すると「介護福祉士」の資格を取得できます。
「施設介護員」は入職にあたっての学歴や資格は特に必要とされていませんが、大学や専門学校などで社会福祉について学習し、「介護福祉士」などの資格を取得した人が多く働いているようです。
看護師
看護師は、病気やけがの治療を受ける人や介護を必要とする人、心身の健康上のさまざまな問題を抱えながら生活する人などを「診療の補助」および「療養上の世話」を通じて支える仕事です。
医師が診断や治療を効果的に進められるように、診察や検査、処置を補助するほか、医師の指示を受けて採血や注射などを行うこともあります。医師の判断を助けるため、変化しやすい患者の状態を把握しなければなりません。
また、医師・薬剤師・栄養士などの専門職種とともに医療チームの一員として参加するため、さまざまな連携が必要です。「job tag」によれば、看護師になるには、看護大学や看護師養成所などで専門教育を修めたのち、国家試験に合格しなければなりません。
介護士と看護師の年収の差は
厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査」を基に、介護士と看護師の給与を表1にまとめました。
表1
きまって支給する現金給与額の平均 | 年間賞与その他特別給与額の平均 | 年収の平均額 | |
---|---|---|---|
介護職員 (医療・福祉施設など) |
26万3600円 | 55万600円 | 371万3800円 |
看護師 | 35万2100円 | 85万6500円 | 508万1700円 |
出典:厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」を基に筆者作成
表1より、介護職員と看護師では月の給与額の平均で約10万円、年間賞与額の平均では約30万円の差があります。この結果から年収の平均額を計算してみたところ、130万円以上の差が見られました。
看護師は医師の指示のもと医療処置の補助などを行います。医療現場の最前線にいて、緊急時の判断を求められることが多い点などが、給与および年間賞与に反映しているのではないかと予想されます。
ただし、介護職員の処遇改善の取り組みも進められています。厚生労働省によれば、事業所が職場環境の改善に取り組んだり昇給の仕組みを整備したりすることで、事業所の収入をベースに処遇改善加算の加算率が増えるため、今後は給与のベースアップも見込めるかもしれません。
また、令和6年には加算制度の見直しもされており、さらなる処遇の改善が期待されています。
介護士と看護師では、月の平均給与額で約10万円、年間平均賞与額で約30万円の差がある。ただし介護職員の処遇改善の動きもあるためベースアップの可能性も
介護士と看護師では、月の給与額で約10万円、年間賞与額では約30万円の差があり、その差が年収に影響していると考えられます。
どちらの仕事も重要であり、高齢化の現代では特に必要不可欠な職業です。介護職では人材確保に向けた処遇改善も進められているため、今後の給与のベースアップに期待できるかもしれません。
出典
厚生労働省 職業情報提供サイト 日本版O-NET job tag 施設介護員
厚生労働省 職業情報提供サイト 日本版O-NET job tag 訪問介護員/ホームヘルパー
厚生労働省 職業情報提供サイト 日本版O-NET job tag 看護師
厚生労働省 介護職員の処遇改善:TOP・制度概要
e-Stat政府統計の総合窓口 厚生労働省 令和5年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種 表番号1 職種(小分類)別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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