娘が看護学校に通っています。「大学病院の看護師」は年収が高いと聞きましたが、具体的にはどのくらいなのでしょうか?
配信日: 2024.11.07
本記事では、大学病院の看護師の年収は高いのかどうかを具体的な数字とあわせて紹介するとともに、看護師が高収入を目指しやすい職場のポイントをまとめました。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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看護師全体の平均年収は?
看護師として「年収が高い」とはどのくらいを指すのか、イメージするために看護師全体の平均的な年収はどのくらいなのかを見てみましょう。
厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」の結果によると、看護師の「きまって支給する現金給与額」は35万2100円、「年間賞与その他特別給与額」は85万6500円です。年収に換算すると、約508万円と推計できます。
また、日本看護協会「2023年 病院看護実態調査報告書」によると、看護師の平均税込給与総額は図表1のとおりです。
【図表1】
学歴・勤務歴等 | 平均税込給与総額 |
---|---|
新卒:高卒+3年課程 | 26万6558円 |
新卒:大卒 | 27万4572円 |
勤続10年:31~32 歳、非管理職 | 32万6675円 |
※日本看護協会「2023年 病院看護実態調査報告書」をもとに筆者作成
仮に年間2.5ヶ月分の賞与を受け取るとすると、初年度は約390~400万円、勤続10年では約470万円が平均的な年収と考えられます。
医療施設の規模によって給与額に差がある!?
看護師の年収を左右する要素のひとつが、勤務する医療施設の規模です。大学病院のように規模が大きい医療施設は、看護師の年収が高くなる傾向があります。
日本看護協会「2023年 病院看護実態調査報告書」によると、勤続10年、31~32 歳、非管理職の看護師の平均税込給与総額は、病床規模によって図表2のような違いがあります。
【図表2】
病床規模 | 平均税込給与総額 |
---|---|
~99床 | 31万2151円 |
100~199床 | 32万2341円 |
200~299床 | 32万6827円 |
300~399床 | 33万9992円 |
400~499床 | 34万6317円 |
500床~ | 35万8465円 |
※日本看護協会「2023年 病院看護実態調査報告書」をもとに筆者作成
99床以下と500床以上の医療施設では、平均税込給与総額の差が4万6000円以上あります。
また、厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」では、従業員規模別の平均年収は図表3のようになっています。
【図表3】
従業員規模 | 平均年収 |
---|---|
10~99人 | 452万6900円 |
100~999人 | 486万4000円 |
1000人~ | 557万1200円 |
※厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」をもとに筆者作成
従業員規模10~99人の医療施設と1000人以上の医療施設では、看護師の年収に100万円以上の差がつく可能性があるのです。
看護師が高収入を望めるのはどんな職場?
看護師が高い年収を望みやすい職場の条件として、次のようなものが挙げられます。
・施設の規模が大きい
・専門性が高い知識・技術が必要
・看護師経験による加算がある
・夜勤手当が高い
大学病院をはじめ大規模な医療施設では、重症度が高い患者への対応や、専門性・難易度の高い治療を多く行っています。そのため、診療報酬も高くなる傾向があり、看護師の給与にも反映されている場合が多いでしょう。人事評価や昇給制度がしっかり整備されていることが多い点も、大規模な医療施設の給与が高い傾向がある一因です。
また、経験による加算や夜勤などの手当が高い職場であれば、基本の給与が高くなくても、働き方次第で収入アップを目指せるでしょう。
看護師として高い収入を得られる職場のポイントを知っておこう
看護師の給与は、働く医療施設の規模や昇給・各種手当などの制度の内容、本人のキャリアなどで左右されます。大学病院などの大規模な医療施設のほうが年収は高い傾向がありますが、条件次第では大学病院以外の医療施設でも高い年収を目指せるでしょう。
収入面を重視して卒業後の就職先を選ぶならば、看護師の年収に影響するポイントを理解して、条件のよい医療施設を見極めることが大切です。
出典
厚生労働省 令和5年 賃金構造基本統計調査 表番号1 職種(小分類)別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)
公益社団法人日本看護協会 2023年 病院看護実態調査報告書
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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