更新日: 2024.11.07 年収

娘が看護学校に通っています。「大学病院の看護師」は年収が高いと聞きましたが、具体的にはどのくらいなのでしょうか?

娘が看護学校に通っています。「大学病院の看護師」は年収が高いと聞きましたが、具体的にはどのくらいなのでしょうか?
子どもが、人のためになる仕事に就きたいという高い志を持って看護師を目指しているとしても、「収入面で苦労をしてほしくない」と考えるのが親心でしょう。看護師の年収は就職先によって大きく左右されることがあるため、できるだけ条件のよい就職先を選ぶ必要があります。
 
本記事では、大学病院の看護師の年収は高いのかどうかを具体的な数字とあわせて紹介するとともに、看護師が高収入を目指しやすい職場のポイントをまとめました。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

看護師全体の平均年収は?

看護師として「年収が高い」とはどのくらいを指すのか、イメージするために看護師全体の平均的な年収はどのくらいなのかを見てみましょう。
 
厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」の結果によると、看護師の「きまって支給する現金給与額」は35万2100円、「年間賞与その他特別給与額」は85万6500円です。年収に換算すると、約508万円と推計できます。
 
また、日本看護協会「2023年 病院看護実態調査報告書」によると、看護師の平均税込給与総額は図表1のとおりです。
 
【図表1】

学歴・勤務歴等 平均税込給与総額
新卒:高卒+3年課程 26万6558円
新卒:大卒 27万4572円
勤続10年:31~32 歳、非管理職 32万6675円

※日本看護協会「2023年 病院看護実態調査報告書」をもとに筆者作成
 
仮に年間2.5ヶ月分の賞与を受け取るとすると、初年度は約390~400万円、勤続10年では約470万円が平均的な年収と考えられます。

 

医療施設の規模によって給与額に差がある!?

看護師の年収を左右する要素のひとつが、勤務する医療施設の規模です。大学病院のように規模が大きい医療施設は、看護師の年収が高くなる傾向があります。
 
日本看護協会「2023年 病院看護実態調査報告書」によると、勤続10年、31~32 歳、非管理職の看護師の平均税込給与総額は、病床規模によって図表2のような違いがあります。
 
【図表2】

病床規模 平均税込給与総額
~99床 31万2151円
100~199床 32万2341円
200~299床 32万6827円
300~399床 33万9992円
400~499床 34万6317円
500床~ 35万8465円

※日本看護協会「2023年 病院看護実態調査報告書」をもとに筆者作成
 
99床以下と500床以上の医療施設では、平均税込給与総額の差が4万6000円以上あります。
 
また、厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」では、従業員規模別の平均年収は図表3のようになっています。
 
【図表3】

従業員規模 平均年収
10~99人 452万6900円
100~999人 486万4000円
1000人~ 557万1200円

※厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」をもとに筆者作成
 
従業員規模10~99人の医療施設と1000人以上の医療施設では、看護師の年収に100万円以上の差がつく可能性があるのです。

 

看護師が高収入を望めるのはどんな職場?

看護師が高い年収を望みやすい職場の条件として、次のようなものが挙げられます。
 

・施設の規模が大きい
・専門性が高い知識・技術が必要
・看護師経験による加算がある
・夜勤手当が高い

 
大学病院をはじめ大規模な医療施設では、重症度が高い患者への対応や、専門性・難易度の高い治療を多く行っています。そのため、診療報酬も高くなる傾向があり、看護師の給与にも反映されている場合が多いでしょう。人事評価や昇給制度がしっかり整備されていることが多い点も、大規模な医療施設の給与が高い傾向がある一因です。
 
また、経験による加算や夜勤などの手当が高い職場であれば、基本の給与が高くなくても、働き方次第で収入アップを目指せるでしょう。

 

看護師として高い収入を得られる職場のポイントを知っておこう

看護師の給与は、働く医療施設の規模や昇給・各種手当などの制度の内容、本人のキャリアなどで左右されます。大学病院などの大規模な医療施設のほうが年収は高い傾向がありますが、条件次第では大学病院以外の医療施設でも高い年収を目指せるでしょう。
 
収入面を重視して卒業後の就職先を選ぶならば、看護師の年収に影響するポイントを理解して、条件のよい医療施設を見極めることが大切です。

 

出典

厚生労働省 令和5年 賃金構造基本統計調査 表番号1 職種(小分類)別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)
公益社団法人日本看護協会 2023年 病院看護実態調査報告書
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

PR
FF_お金にまつわる悩み・疑問 ライターさん募集