将来「調理師」になりたいという息子。好きなことをしてもらいたいとは思うのですが、収入が分からないため心配です。「調理師」の「平均年収」はいくらくらいなのでしょうか?

配信日: 2024.11.18

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将来「調理師」になりたいという息子。好きなことをしてもらいたいとは思うのですが、収入が分からないため心配です。「調理師」の「平均年収」はいくらくらいなのでしょうか?
子どもには、好きな仕事に就いてもらいたいと思う一方で、生活に困らないだけの収入が得られる仕事に就いて欲しいと思うのも親心です。
 
息子に「将来調理師になりたい」と言われたら、下積みの大変さや拘束時間の長さなどに見合った収入が得られるのか気になる人もいるでしょう。そこで今回は、調理師の年収について詳しく解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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調理師の平均年収は?

調理師の平均年収を、国税庁が発表している給与所得者全体の平均年収と比較してみましょう。国税庁の令和5年分民間給与実態統計調査によると、1年を通じて勤務した給与所得者全体の平均年収は459万5000円です。
 
令和5年賃金構造基本統計調査を基に、10人以上の企業規模の会社に勤める「飲食物調理従事者」の年収を計算します。


・きまって支給する現金給与額:27万2500円
・年間賞与その他特別給与額:31万9200円

これにより、年収は27万2500円×12+31万9200円で358万9200円となります。なお「きまって支給する現金給与額」とは、基本給のほかに通勤手当・家族手当・時間外給与なども含めた額で、社会保険料などを差し引く前の金額です。
 
これを踏まえると、調理師の平均年収は給与所得者全体の平均年収と比べ、およそ100万円少ない額であることが分かります。
 

調理師の給料は勤務先や経験で異なる

調理師といっても勤務先は、定食屋・フランス料理店・すし店などさまざまです。
 
調理師全体の平均年収は358万9200円ですが、勤務先によって年収が変わることもあります。また「経験」の違いでも、給料には差が出る可能性があります。どの程度の差があるのか、比較してみましょう。
 

勤務先の規模による給料の違い

勤務先の違いは、勤務先の企業規模で比較してみましょう。令和5年賃金構造基本統計調査を基に、企業の労働者数を大企業(1000人以上)、中企業(100人~999人)、小企業(10人~99人)として、それぞれ表1にまとめました。
 
表1

きまって支給する現金給与額 年間賞与その他特別給与額 年収
大企業 28万5600円 41万円 383万7200円
中企業 26万3500円 32万4900円 348万6900円
小企業 26万9800円 24万2800円 348万400円

※e-Stat政府統計の総合窓口「令和5年賃金構造基本統計調査」を基に筆者作成
 
企業規模別にみると、中小企業はそれほど差がないものの、規模が大きいほど年収が高くなる傾向があることが分かります。
 

経験による給料の違い

調理師は経験を積むことでスキルが身に付き、給料に反映される傾向があるようです。令和5年分民間給与実態統計調査を基に、年齢別の年収を表2にまとめました。
 
表2

きまって支給する現金給与額 年間賞与その他特別給与額 年収
~19歳 20万4700円 3万5300円 249万1700円
20歳~24歳 23万1800円 16万2800円 294万4400円
25歳~29歳 25万8800円 29万9200円 340万4800円
30歳~34歳 26万9400円 31万8800円 355万1600円
35歳~39歳 29万3400円 38万4400円 390万5200円
40歳~44歳 29万300円 38万4700円 386万8300円
45歳~49歳 29万7000円 40万5500円 396万9500円
50歳~54歳 30万1400円 42万3400円 404万200円
55歳~59歳 28万700円 34万3300円 371万1700円
60歳~64歳 25万1800円 25万3100円 327万4700円

※e-Stat政府統計の総合窓口「令和5年賃金構造基本統計調査」を基に筆者作成
 
一般的に、年齢が上がるにつれて経験値も上がっていくため、年収も50代前半までは徐々に上がっていく傾向があるようです。
 
料理人が多い店舗では、経験やスキルによって任せられる作業が変わり、徐々に重要なポジションを任せてもらえるようになるといわれています。スキルアップし、できることが増えることが収入にも反映する仕組みになっていると考えられます。
 

調理師の平均年収はおよそ359万円! ただし、勤務先や経験により年収に違いがある

調理師の平均年収はおよそ359万円です。しかし、勤務先や自身の経験により、収入には差が出る可能性があります。平均年収は給与所得者の平均年収と比べ100万円ほど少ない額ではありますが、どこで働くかなどによっても収入に差が出ると考えられます。
 
また、経験を積むことで独立し、一国一城の主となれる可能性もあるでしょう。一言で調理師といっても、さまざまな道があることを理解したうえで、就職活動することをおすすめします。
 

出典

国税庁 令和5年分民間給与実態統計調査-調査結果報告-
e-Stat政府統計の総合窓口 令和5年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種(小分類)表番号1
e-Stat政府統計の総合窓口 令和5年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種(小分類)表番号5
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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