「専業主婦・専業主夫」の働きは「年収」に直すとどのくらい? 休みなく働いているし「1000万円」は超えているでしょうか…?
配信日: 2024.12.06
こうした家事や育児の価値を金額に換算する試みは度々行われていますが、実際に専業主婦・専業主夫の働きを年収にすると1000万円を超えるといわれることもあります。専業主婦・専業主夫の仕事を年収に換算すると、果たしていくらになるのでしょうか。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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家事にも価値がある
家事には大きな価値があります。家庭内での仕事は、食事の準備や洗濯、掃除といった一般的な家事だけでなく、献立を考えたり、調味料の補充をしたり、子どもの学校や幼稚園の準備、宿題のサポート、不要なチラシの処分など、いわゆる「名もなき家事」も含まれます。やることを数え上げればキリがなく、家事の範囲はとても広いのです。
さらに、毎日3回の食事作りや掃除、洗濯など、ほとんどが立って行う作業で、体力も必要です。買い物に出かけて、購入した食品や生活用品を家に運ぶこともその一部です。家族の人数や子どもの年齢によって負担は増える傾向があるため、これらすべてをこなすにはかなりの労力が求められると考えられます。
家族が健康で快適に過ごせる環境を維持している専業主婦・専業主夫の働きは、とても大切なものといえるでしょう。
家事を時給換算すると
それでは、まず家事を時給で換算してみましょう。求人検索エンジンの「Indeed」によると、2024年12月3日時点での家事や清掃代行スタッフの平均時給は1484円となっています。
また、厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査の概況」によれば、家事代行を含む生活関連サービス業・娯楽業における短時間労働者の平均時給は、男女を合わせて1254円です。この2つの時給の平均は約1370円です。
専業主婦・専業主夫の働きを年収換算すると
総務省統計局のデータによれば、2021年において、夫が働き、妻が専業で6歳未満の子どもがいる家庭では、妻が家事に費やす平均時間は週あたり9.24時間でした。ここでは便宜上、1日9時間の作業と仮定します。家事および育児の時給は、先に示した時給換算結果から平均の1370円を採用し、365日間休みなく続けると仮定して年収を算出してみましょう。
まず、1日の収入を計算します。
9時間×1370円=1万2330円
次に、年間の収入を計算します。
1万2330円×365日=450万450円
したがって、家事および育児の年収は450万450円となります。
ただし、専業主婦・専業主夫が毎日9時間の家事のみで終わり、残りの時間を自由に過ごせるとは限りません。自分の自由になる時間や睡眠時間を削ってまで家事や育児に費やすときもあるでしょう。それでは、仮に24時間365日働くとして年収を計算してみましょう。
まず、1日の労働時間が24時間、時給が1370円と仮定します。
1日の収入を計算します。
24時間×1370円=3万2880円
次に、年間の収入を計算します。
3万2880円×365日=1200万1200円
したがって、専業主婦・専業主夫が24時間365日働くと仮定すると、年収は約1200万1200円となります。もちろん、実際にはこのような無理な働き方は現実的ではありませんが、計算上はこのような結果になります。
専業主婦・専業主夫の働きを年収換算すると、理論上「1000万円」を超える可能性もある
専業主婦・専業主夫の働きを年収換算すると、理論上「1000万円」を超える可能性もありますが、状況次第だといえるでしょう。
例えば、2024年12月時点での家事代行スタッフの時給相場(平均1370円)を基にすると、1日9時間365日休みなく働く場合の年収は約450万円となります。しかし、もし24時間すべて家事や育児の作業に費やすと仮定した場合、計算上は年収約1200万円に達します。
とはいえ、個人の状況によっても異なる可能性はありますが、このように長時間働き続けるのは現実的でない可能性があります。そのため厳密にはこの金額をそのまま評価には使えませんが、専業主婦・専業主夫の働きにも価値があることは明らかです。
家庭で家事を専業で行う場合も、外で働く場合も、それぞれに大変な面があるでしょう。お互い感謝の気持ちを忘れずに、尊重しあいながら気持ちよく過ごせるようになるとよいものです。
出典
Indeed 日本での家事・清掃代行スタッフの給与
厚生労働省 令和5年賃金構造基本統計調査の概況
総務省統計局 我が国における家事関連時間の男女の差~生活時間からみたジェンダーギャップ~
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー