20代の「理想年収」、現実との差は驚きの100万円以上!? 今の年収では生活が苦しいのでしょうか?
配信日: 2024.12.10
現状で、20代の平均年収と理想の年収には、いくらくらいの差があるのでしょうか?
今回は、それぞれの金額を比較し、理想とする年収の傾向や20代の消費支出額についてご紹介します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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20代の希望年収
株式会社学情が2024年8月に、20代の就職・転職希望者に対し「年収に関するアンケート」を行いました。アンケート結果によると、職歴3年未満の第二新卒と、職歴3年以上のヤングキャリアそれぞれの希望年収は、表1のようになります。
表1
希望年収 | 第二新卒 | ヤングキャリア |
---|---|---|
201万円~300万円 | 14.5% | - |
301万円~400万円 | 34.5% | 21.4% |
401万円~500万円 | 25.5% | 42.9% |
501万円~600万円 | 21.8% | 28.6% |
601万円~700万円 | 1.8% | 7.1% |
700万円以上 | 1.8% | - |
※株式会社学情「年収に関するアンケート」を基に筆者作成
どちらのアンケートでも、極端に高額な年収を希望する人は少数です。ヤングキャリアの希望年収は401万円~500万円、第二新卒は301万円~400万円が最多となっています。
20代の平均年収と希望年収の傾向
20代の平均年収は、実際に希望年収とどれくらいの差があるのか確認してみましょう。国税庁の行った「令和5年分民間給与実態統計調査-調査結果報告-」によると、20代前半である第二新卒と20代後半のヤングキャリアの実際の年収は、表2になります。
表2
年齢 | 平均年収 |
---|---|
20歳~24歳 | 267万円 |
25歳~29歳 | 394万円 |
※国税庁「令和5年分民間給与実態統計調査-調査結果報告-」を基に筆者作成
第二新卒の20代前半の希望年収で最も高い割合である301万円~400万円は、実際の年収267万円と比較すると、34万円~133万円の差があります。同様にヤングキャリアの場合は、7万円~106万円多く希望していることが分かります。
20代の年間支出額
20代が現状よりも高い年収を希望するのは「生活が苦しいから」という理由は考えられるのでしょうか? 20代が生活にいくらくらいかかっているのか、確認しておきましょう。
2023年の「家計調査家計収支編」によると、34歳以下の単身世帯のひと月当たりの消費支出は17万281円です。12ヶ月で考えると204万3372円となります。20代の平均年収と比較すると、単身世帯の場合は、散財しすぎなければマイナスになることはなさそうだと考えられます。
20代の平均年収は上がっているのか?
20代が今以上の年収を希望する理由は複数ありそうですが、初任給は、近年全体的に増加傾向にあります。
産労総合研究所が行った「2024年度 決定初任給調査」によると、2024年4月入社の初任給を前年から引き上げた企業は、1997年度調査以降過去最高で全体の75.6%に上りました。増加率は、高校卒業・大学卒業など全学歴で3%を超えています。増加率が3%を超えたのは、1992年度以来です。
なお、引き上げた理由は「人材を確保するため」が73.5%と最も多く、次いで「在籍者のベースアップがあったため」43.4%となっています。
20代の希望年収は平均年収のプラス7万円~133万円
株式会社学情が行ったアンケートによると、20代の希望年収は、第二新卒が301万円~400万円、ヤングキャリアが401万円~500万円という回答が最も多い割合となりました。この数字は実際の平均年収と比べ、それぞれ34万円~133万円、7万円~106万円多い額となっており、実際よりも多く収入を得たいと考えていることが分かります。
とはいえ、極端に多い額を望んでいるわけではないことから、収入とスキルや仕事内容とのバランスを考慮しているともいえそうです。
出典
株式会社学情 職歴のある20代の希望年収は「401~500万円」が最多。職歴3年未満の第二新卒も、半数以上が401万円以上の年収を希望
国税庁 令和5年分民間給与実態統計調査-調査結果報告-
e-Stat 政府統計の総合窓口 家計調査 家計収支編 2023年
産労総合研究所 2024年度 決定初任給調査
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー