夫の年収は「500万円」で家計が厳しいけど、ワンオペで「家事・育児」をこなしているので共働きは難しい! 夫に理解してもらうにはどうすればいい?

配信日: 2024.12.15 更新日: 2024.12.16

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夫の年収は「500万円」で家計が厳しいけど、ワンオペで「家事・育児」をこなしているので共働きは難しい! 夫に理解してもらうにはどうすればいい?
夫婦共働き家庭の多くは、日々仕事と家事のやりくりに悪戦苦闘しているのではないでしょうか。仕事から帰宅しても家事に追われ、そこに子どもの世話が加われば、なおさら大変です。
 
本記事では、共働きしたくても、ワンオペ家事・育児のために働きに出るのを躊躇(ちゅうちょ)している専業主婦を取り上げます。「少しでも働いて家計を助けてほしい」という夫の気持ちも理解できますが、妻としてはどうすべきなのでしょうか。
佐々木咲

執筆者:佐々木咲(ささき さき)

2級FP技能士

共働き家庭数は右肩上がり

厚生労働省の令和3年版厚生労働白書に掲載の、総務省統計局「労働力調査(詳細集計)(年平均)」などを基にした共働き等世帯数の年次推移をみると、「雇用者の共働き世帯」の数は、2020年時点で「男性雇用者と無業の妻からなる世帯」の2倍以上となっています。
 
「雇用者の共働き世帯」は、特に2010年を超えたあたりから急速に増加しています(図表1)。2024年11月には、扶養の壁である「年収103万円」を引き上げる改革案が持ち上がっており、実現すれば扶養を気にしながら働く人の多くが、さらに労働時間を増やすようになるでしょう。
 
そのような社会情勢を背景に、社内外での女性労働者の増加を肌で感じている人も多いのではないでしょうか。
 
図表1

図表1

厚生労働省 令和3年版厚生労働白書 共働き等世帯数の年次推移
 

年収500万円の手取りは400万円程度

年収500万円の手取り額を計算してみましょう。妻は専業主婦、子どもは5歳が1人(幼稚園には通っていない)と仮定し、扶養は1人で計算します(5歳の子どもは扶養対象外)。計算の便宜上、ボーナスはないものとし、月々の給与は42万円とします。

【社会保険料】
健康保険料2万459円、厚生年金保険料3万7515円
【源泉所得税】
1万330円
【住民税】
2万2000円

社会保険料、源泉所得税、住民税の合計が約9万円なので、手取り額は「42万円-9万円」で約33万円となります。
 
総務省統計局の2023年家計調査によると、2人以上の世帯における1ヶ月の消費支出の平均額は29万3997円となっていることから、手取り33万円で生活することは決して楽ではないといえるでしょう。配偶者が少しでも働くことで、家計の足しになることは確かです。
 

妻の言い分。夫の「働いてほしい」にどう対応すれば?

配偶者に「働いてほしい」と言う前に目を向けてほしいのは、専業主婦(夫)が担っている負担についてです。家に幼い子どもがいる場合、家事・育児に追われ、朝から晩まで気の休まる時間はないでしょう。
 
本ケースの夫は仕事が忙しく、家事・育児にどうしても参加できないのは致し方ないかもしれませんが、妻としては「その分を自分が担っている」という言い分があるでしょう。その事実を忘れてはいけません。
 
共働きを成立させるためには、夫婦での家事・育児の分担が必要不可欠です。配偶者へ働いてほしいと伝える際には、家事・育児の分担の提案とセットで行うべきでしょう。
 
「働いてほしい」と言う夫に対しては、自分は働きたくないわけではないこと、家事・育児を分担してくれるのであれば働きたいことを夫と話し合うしかありません。それでも理解を得られない場合には、連休などを利用して、夫に妻の普段の一日の仕事を丸々任せてみると、その大変さが伝わりやすいかもしれません。
 

まとめ

夫婦共働きが多数派となっている現代。中には「専業主婦(夫)をしている人は楽をしている」という見方の人もいるかもしれませんが、それは妥当でないと言えるでしょう。「働かない」のではなく、家事や育児、介護などで「働けない」というケースも多いのです。
 
夫に理解してもらう上手い返事を考える前に、まずはお互いの負担について話し合う機会を設けるのが先決なのではないでしょうか。お互い思いやりの心も忘れずに。
 

出典

厚生労働省 令和3年版厚生労働白書 図表1-1-3共働き等世帯数の年次推移
全国健康保険協会 令和6年3月分(4月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表(東京都)
国税庁 給与所得の源泉徴収税額表(令和6年分)
東京都主税局 個人住民税
総務省統計局 家計調査報告(家計収支編)2023年(令和5年)平均結果の概要
 
執筆者:佐々木咲
2級FP技能士

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