「最低賃金」が全国平均で「1055円」に。最低賃金を下回っている場合はどうしたらいい?
配信日: 2025.01.07 更新日: 2025.01.09
そのような中で、実際の賃金が最低賃金より低かった場合、どのように対処すればよいのか分からない人がいるかもしれません。
そこで今回は、実際の給与が最低賃金より少ない場合の対処法についてご紹介します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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「最低賃金」とは
「最低賃金制度」とは、最低賃金法に基づいて最低賃金を定め、雇用主は最低賃金以上の賃金を支払わなければならない制度のことです。
最低賃金法第四条では「使用者は、最低賃金の適用を受ける労働者に対し、その最低賃金額以上の賃金を支払わなければならない。」と定められています。
なお、最低賃金には「地域別最低賃金」と「特定最低賃金」の2種類があります。厚生労働省によると、地域別最低賃金とは都道府県別の最低賃金で、特定最低賃金とは特定産業について定められている最低賃金です。「地域別最低賃金」と「特定最低賃金」の両方が適用される場合は、高い方の賃金以上を支払わなければなりません。
最低賃金に満たない額で雇用していた場合、雇用主は差額を支払わなければならないとされています。また、地域別最低賃金以上の額を支払わない場合50万円以下の罰金、特定最低賃金以上の賃金を支払わない場合は30万円以下の罰金が科せられる可能性があります。
最低賃金は都道府県ごとに異なる
最低賃金は都道府県ごとに異なります。厚生労働省によると最低賃金が1000円を超えているのは、47都道府県中、次の16都道府県のみです。
●北海道
●茨城県
●栃木県
●埼玉県
●千葉県
●東京都
●神奈川県
●岐阜県
●静岡県
●愛知県
●三重県
●滋賀県
●京都府
●大阪府
●兵庫県
●広島県
なお、もっとも高いのは東京都の1163円、低いのは秋田県の951円となっており、その差は212円です。
ただし、一般的な労働者と比べて著しく労働能力が低いといった場合に限り、最低賃金を減額する特例が認められています。
厚生労働省の滋賀労働局によると、特例を受けられるのは、次の4つのどれかに当てはまり、労働基準監督署に申請書を提出し認められた場合に限ります。
「1 精神又は身体の障害により著しく労働能率の低い者」
「2 試の使用期間中の者」
「3 職業能力開発促進法に基づく認定職業訓練を受ける者のうち一定のもの」
「4 イ 軽易な業務に従事する者」
「ロ 断続的労働に従事する者」
最低賃金より時給が低いときの対処法
最低賃金より低い額で雇用されている場合、労働者は雇用主に差額を請求できるといわれています。これは、時給制で働いている人だけでなく、月給制で働いている場合も同様です。
月給制の場合は、(基本給+諸手当)×12ヶ月で賃金の総額を計算し、所定労働時間で割ることで1時間当たりの賃金が算出できるでしょう。
しかし、直接雇用主に請求できない人もいるかもしれません。
そのような場合は、労働局や労働基準監督署などに相談する方法もあります。労働局や労働基準監督署内には、総合労働相談コーナーが設けられているため、そちらに相談してもよいでしょう。
最低賃金より低い時給で働いている場合は早めに相談
最低賃金には、「地域別最低賃金」と「特定最低賃金」があります。自身の時給が最低賃金と比べ低い場合は、その差額の支払いを雇用主に求めることができるとされているようです。
最低賃金を下回っていても雇用主に請求できないと泣き寝入りせず、早めに労働局や労働基準監督署などに相談しましょう。
出典
e-Gov法令検索 最低賃金法(昭和三十四年法律第百三十七号)
厚生労働省 最低賃金の種類
厚生労働省 最低賃金制度とは
厚生労働省 地域別最低賃金の全国一覧
厚生労働省滋賀労働局 最低賃金の減額の特例許可申請について
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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