世帯年収「400万円」ですが、子どもを「私立中学」へ通わせたいです。都内で私立中学に通える「世帯年収」の「最低ライン」はどれくらいでしょうか?

配信日: 2025.01.16

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世帯年収「400万円」ですが、子どもを「私立中学」へ通わせたいです。都内で私立中学に通える「世帯年収」の「最低ライン」はどれくらいでしょうか?
私立中学には、質のよい教育や大学進学を見越したハイレベルな学習などができるといったメリットがあるとされています。子どもの将来を考え、私立中学に進学させたいと考えている親もいるでしょう。
 
しかし、私立中学の難点として、公立中学と比べ教育費がかかることが挙げられます。
 
そこで今回は、400万円程度の世帯年収でも、私立中学へ子どもを通わせることは可能なのか、都内の私立中学にかかる費用や私立中学に子どもを通わせる親の世帯年収分布などについて解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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都内の私立中学にかかる費用

まずは、東京都内の私立中学にかかる費用を確認してみましょう。東京都の発表している「令和5年度 都内私立中学校の学費の状況」を基に、私立中学の初年度にかかる費用の内訳を表したものが表1です。
 
表1

内訳 費用
入学金 26万3020円
授業料 49万2209円
施設費 3万4137円
その他 19万9759円
初年度納付金総額 98万9125円

※東京都「令和5年度 都内私立中学校の学費の状況」を基に筆者作成
 
入学金なども含め最も費用がかかる初年度の平均納付金は98万9125円と、およそ100万円近くになっています。「授業料」と「その他」は初年度以降も納付する費用のため、およそ70万円は2年目、3年目ともに支払いが必要になる可能性があります。
 
なお、都内の私立中学の中で最も高額な初年度納付金がかかるのは玉川学園中学部の190万6500円、最も少ない学校が八王子実践中学校の54万8000円です。最高額の玉川学園中学部は、八王子実践のおよそ3.5倍もの額となっています。
 
世帯年収400万円の場合、玉川学園中学部を目指すと、世帯年収のおよそ半分を初年度納付金に使ってしまうことになります。
 

学校外にかかる教育費用

私立中学に通った場合、教育関連の出費は学校へ支払う納付金だけではありません。塾や習い事など、学校外で費用がかかる可能性もあります。
 
文部科学省「令和5年度子供の学習費調査」によると、私立中学に通う子どもの学校外活動費の平均は42万2981円です。初年度納付金98万9125円と合わせると、およそ140万円が初年度に必要となります。
 
なお、年収は満額が手取りになるわけではありません。手取り額は年収のおよそ75%~85%といわれているため、年収400万円の場合は手取り300万円~340万円となり、手取りから教育費を引いた残りは、160万円~200万円になると考えられます。そのため、この額で生活ができるのかを十分に考える必要があるでしょう。
 

私立中学に子どもを通わせる家庭の世帯年収

世帯年収400万円でも、私立中学に子どもを通わせている家庭はゼロではありません。「令和5年度子供の学習費調査」を基に、私立中学へ子どもを通わせている家庭の世帯年収分布を表したものが表2です。
 
表2

400万円未満 400万円~
599万円
600万円~
799万円
800万円~
999万円
1000万円~
1199万円
1200万円以上
5.4% 7.3% 11.4% 15.7% 18.4% 41.9%

※e-Stat政府統計の総合窓口「令和5年度子供の学習費調査」を基に筆者作成
 
世帯年収で最も多いのは1200万円以上ですが、年収400万円~599万円、400万円未満の世帯を合わせると12.7%います。年収400万円では、生活費に回せる額が少なくなってしまうものの、私立中学へ行かせるのは不可能ではないことが分かります。
 
ただし、子どもの数や親からの援助など、各家庭によって生活状況は異なる可能性があるため、ご家庭の状況を踏まえたうえで考える必要があるでしょう。
 

世帯年収400万円でも子どもを私立中学へ行かせることはできるが、生活が厳しくなる可能性がある

世帯年収400万円でも、都内の私立中学に子どもを通わせることは不可能ではないと考えられます。ただし、家庭環境によっては、生活費に余裕がなくなることも考えられます。あらかじめ生活にかかる費用をシミュレーションしたうえで検討した方がよいでしょう。
 

出典

東京都 令和5年度 都内私立中学校の学費の状況
文部科学省 結果の概要-令和5年度子供の学習費調査
e-Stat 政府統計の総合窓口 令和5年度子供の学習費調査
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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