地元で友人に会ったら、年収が「600万円」と聞いてびっくり! 大企業は「中小企業」と比べて、そんなに給料がいいのでしょうか?
配信日: 2025.01.19
本記事では、大企業と中小企業とではどのくらい年収に差がつくのか「男女別」「業種別」で比較するとともに、大企業および中小企業のそれぞれのメリットについて説明します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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大企業と中小企業の人数別の年収差はどのくらい?
まず、大企業と中小企業の人数別平均年収を比較します。中小企業は中小企業基本法という法律で区分されており、業種や資本金の金額などによって定義が異なります。
今回は従業員数が1000人以上を大企業、999人以下を中小企業として、厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査」の年収差を比較してみましょう。「従業員数1000人以上」「100~999人以下」「10~99人以下」の3つのパターンで、男女別に年収を比べたものが図表1です。
図表1
大企業 (1000人以上) |
中小企業 (100~999人以下) |
中小企業 (10~99人以下) |
|
---|---|---|---|
男性 | 約662万円 | 約554万円 | 約479万円 |
女性 | 約430万円 | 約400万円 | 約362万円 |
全体 | 約577万円 | 約495万円 | 約437万円 |
厚生労働省 令和5年賃金構造基本統計調査 より筆者作成
図表1を見て分かる通り、男女ともに大企業の年収が最も高くなっており、比較すると、最大で男性の場合は約180万円、女性の場合は約68万円の差があります。男女平均で約140万円の年収の差があることを考えると、大企業と中小企業の年収差は大きいといえるかもしれません。
大企業と中小企業の業種別の年収差は?
続いて大企業と中小企業の業種別の年収差を比較してみましょう。「卸売業・小売業」「電気・ガス・熱供給・水道業」「金融業・保険業」の3業種の平均年収をまとめたものが図表2です。
図表2
大企業 (1000人以上) |
中小企業 (100~999人以下) |
中小企業 (10~99人以下) |
|
---|---|---|---|
卸売業・小売業 | 約507万円 | 約520万円 | 約438万円 |
電気・ガス・熱供給・水道業 | 約734万円 | 約603万円 | 約573万円 |
金融業・保険業 | 約670万円 | 約619万円 | 約668万円 |
厚生労働省 令和5年賃金構造基本統計調査 より筆者作成
必ずしも大企業のほうが中小企業よりも年収が高いわけではないですが、基本的には大手企業の年収のほうが中小企業よりも多いといえるでしょう。
大企業と中小企業それぞれのメリットとは?
大企業のほうが中小企業よりも年収が高いケースが多いというメリットが挙げられますが、大企業と中小企業それぞれでメリットがあると考えられます。
●年収が比較的高い
●福利厚生が充実している
●研修制度が整っている
●経験できる仕事量が多い
●個人の裁量が大きい
●転勤が少ない
大企業の場合、今回紹介したように年収が比較的高く、ネームバリューがあるため社会的信用が得られやすいというメリットがあります。また、福利厚生や研修制度などが充実しており、長く働きやすい環境があるといえるでしょう。
一方、中小企業は個人の裁量でさまざまな仕事ができるというのが魅力です。大企業の場合は業務内容が細分化されている場合がありますが、中小企業の場合はたくさんの業務に携われるためスキルアップが目指せるというメリットがあります。また、転勤が少ないため、同じ場所で長く働きたいという人にも向いているといえるでしょう。
大企業と中小企業では男女平均で約140万円の年収差がある
今回は大手企業と中小企業の年収差を「男女別」「業種別」で比較するとともに、大企業および中小企業のそれぞれのメリットについて解説しました。
大企業の年収が必ずしも中小企業よりも高いわけではありませんが、男女平均で最大約140万円の差があります。しかし、中小企業では「経験できる仕事量が多いこと」や「個人の裁量が大きい」といった魅力があります。
大企業、中小企業それぞれのメリットを加味しつつ、もし年収を上げたいのであれば大手企業への転職を検討してみるのも1つの方法だといえるでしょう。
出典
厚生労働省 令和5年賃金構造基本統計調査
e-Gov法令検索 中小企業基本法
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー