「給料」を上げていきたいのですが「管理職」になったら「年収」はどれくらいもらえる? 「手当て」はつくの?
そこで本記事では、管理職の平均年収や賞与を解説し、昇進による収入増加のメリットと、求められる責任のバランスをご紹介します。
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非役職者と管理職の年収の差
企業により「管理職」となる役職名は異なる可能性がありますが、ここでは非役職者に対する役職者として、「係長」「課長」「部長」の年収の差を比較してみましょう。厚生労働省による「令和5年賃金構造基本統計調査」で、役職者の賃金とその格差をまとめたのが表1です。
表1
| 役職 | 平均賃金 | 平均年間賞与 | 平均年収 | 年収格差 |
|---|---|---|---|---|
| 非役職者 | 29万1100円 | 80万2500円 | 429万5700円 | 1倍 |
| 係長 | 37万800円 | 133万6100円 | 578万5700円 | 約1.35倍 |
| 課長 | 49万800円 | 191万3300円 | 780万2900円 | 約1.82倍 |
| 部長 | 59万6000円 | 212万4500円 | 927万6500円 | 約2.16倍 |
※厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」を基に筆者作成
非役職者の給与を1倍とすると、部長級の年収と約2倍の格差が生じています。役職が上がるにつれて給与と賞与額の格差も広がっていく傾向にあるため、より給料を上げたいのであれば管理職になるのは必須といえるでしょう。
昇給で収入増加するメリット・デメリット
収入が増えると満足感を得られ、仕事に対するモチベーションアップにつながる可能性があります。
その一方、日本では年収の金額により税率が変わる「累進課税制度」が採用されています。所得税の場合、収入が上がればあがるほど税率が高くなるため、「手取りが思っていたよりも増えていない」と感じる人もいるようです。
例えば、年収が330万円~694万9000円までは税率20%(控除額42万7500円)ですが、年収695万円~899万9000円の層にアップすると税率23%(控除額63万6000円)に上がります。
年収680万円の人が年収700万円にアップした場合、年収680万円の所得税額は「93万2500円」、年収700万円は「97万4000円」となり、20万円のアップに対して税金が4万円近くも増加してしまうのです。
同様に住民税も前年度の収入によって10%などが課税されるため、収入が上がると徴収される税金も高くなってしまいます。
管理職になることのメリット・デメリット
管理職は「管理職手当」により、毎月3万円や5万円などの固定手当を受け取れるといわれています。また、出張手当の増額や経費の使用額の増加なども見込める場合があるようです。
さらに、管理職として「裁量権」を得るため、仕事を部下に割り振れたり自分の裁量で仕事ができたりするといったメリットも生じる可能性があります。
一方、部下を管理する管理職の「責任」も負わなければなりません。「管理監督者」に該当する場合には、労働時間や休日、休暇の制限を受けなくなるため、残業手当の支給もなくなるとされています。
管理職になるときの注意点
管理職になる前よりも「手取り給料が減った」ようでは、昇進する意味がありません。残業手当の支給の有無だけでなく、昇進による基本給や役職手当など、トータルで満足できる報酬がもらえるのか計算しておくと安心できる可能性があります。
また、部下に慕われる管理職として、良好な関係性を保つことも重要になります。「横柄な態度をとる」「えこひいきする」「発言が毎回変わる」「自分から行動しない」と言われない、魅力ある管理職を目指しましょう。
給料を上げたいのであれば管理職を目指そう
管理職になると年収も上がり、役職が高くなるほど、その年収差は2倍以上になることもあるようです。給料を上げていきたいのであれば、管理職を目指すことはひとつの選択肢になるといえるでしょう。しかし、管理職は年収も上がりますが、仕事に対する責任も負わなければなりません。
管理職になると与えられた業務をただこなすだけなく、仕事の裁量が大きくなることで仕事の幅も広がると考えられます。ぜひ管理職を目指すことを検討してみてください。
出典
厚生労働省 令和5年賃金構造基本統計調査
国税庁 No.2260 所得税の税率
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
