春から支店に異動となるのですが、給与が「3万円」も下がります…業務内容はほぼ変わらないのになぜでしょうか?

配信日: 2025.01.28

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春から支店に異動となるのですが、給与が「3万円」も下がります…業務内容はほぼ変わらないのになぜでしょうか?
業務内容はほぼ変わらないのに、部署異動で給与が下がることを疑問に感じる方もいるでしょう。しかし、このようなケースは日本の労働環境では珍しいことではありません。その背景には、地域ごとに異なる地域手当などの企業の給与体系が影響しているのです。
 
そこで本記事では、異動によって給与が下がる理由を詳しく解説していきます。

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業務内容はほぼ変わらないのに支店への異動で給与が下がる理由とは?

業務内容がほぼ変わらないのに支店への異動で給与が下がる理由として、地域手当が少なくなることが考えられます。地域手当とは、勤務地によって異なる物価や生活費を補うために支給される手当です。一般的に地域手当は都市部になるほど高い傾向にあります。
 
例えば今回のケースのように、業務内容はほぼ変わらないにもかかわらず、勤務地が東京都から地方に変わる場合は、地域手当が少なくなることによる給与減少の可能性が考えられます。
 
一方で、労働者の同意なしに異動にともない大幅に給与が減る場合は、労働契約法に違反する可能性があるでしょう。
 
労働契約法第8条では、「労働者及び使用者は、その合意により、労働契約の内容である労働条件を変更することができる。」と記載されています。
 
もしこのようなケースに該当する場合は、労働組合や弁護士などの専門家に相談するようにしましょう。
 

給与が下がる場合でも「最低賃金」を超える必要がある

最低賃金制度は、最低賃金法に基づき国が定めた最低賃金以上の給与を労働者に支払わなければいけないとする制度です。さらに細かく見ると、地域ごとに異なる地域別最低賃金と、業種ごとに定められる特定(産業別)最低賃金の2種類があります。
 
異動により下がった給与が異動先の最低賃金に満たない場合は、給与を上げる必要があります。最低賃金は各都道府県ごとに金額が異なり、最低賃金より少ない金額しか支払わない場合には最低賃金との差額の支払いが必要です。
 
また、最低賃金以上の給与を支払わない場合は状況により50万円または30万円の罰則を支払わなければいけないケースもあるようです。
 
令和6年度の地域別の1時間当たりの最低賃金の例をあげると、東京都は1時間当たり1163円、大阪府は1114円、福岡県は992円で、この最低賃金はアルバイトやパートなど全ての労働者に適用されます。
 

最低賃金が適用されないケースもある

本社と支店が異なる都道府県に位置する場合でも、勤務地の最低賃金が適用されないケースもあります。事業所の規模が小さく独立性がない場合は、本社のある所在地の最低賃金が適用されることもあるようです。
 
また派遣で働く場合にも、派遣元と派遣先の所在地が異なる場合は、実際に勤務している派遣先の最低賃金が適用されます。
 

本店と支店が別の都道府県にある場合は異動で給与が下がる可能性がある

本社と支店が異なる都道府県に位置する場合、業務内容がほぼ変わらなくても給与が下がることがあります。これは、地域ごとに設定された地域手当が異なるためです。地域手当は一般的に都市部の方が高い傾向にあります。本店のある都市部から地方へ異動する場合、地域手当が減ることにより給与が下がる可能性があるでしょう。
 
一方で、業務内容がほぼ変わらないにもかかわらず異動により給与が大幅に減少する場合は、労働契約法に違反するおそれがあります。労働契約法第8条では、労働者および使用者は、労働者の同意なしに一方的に労働条件を変更できないとしています。もし、このような場合には、労働組合や弁護士などの専門家に相談するようにしましょう。
 
異動先の給与が最低賃金に満たない場合は、給与を上げる必要があり、違反した場合は30万円または50万円の罰則を支払うケースもあるようです。
 
異動先での生活費や給与規定、最低賃金などを確認し、必要に応じて上司や会社に相談することで不安を解消できる場合もあります。適切な対応を取ることで、スムーズな異動と新生活のスタートを切りましょう。
 

出典

厚生労働省 地域別最低賃金の全国一覧
e-GOV法令検索 労働契約法 第二章 労働契約の成立及び変更 労働契約の内容の変更 第八条
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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