世帯年収が「1500万円」を超えたら「インカムリッチ」といえる? これだけ稼いでいる人はどれだけいる?
配信日: 2025.02.07


執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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インカムリッチとは?
「インカムリッチ」とは、広告代理店の博報堂が提唱した富裕層世帯のことを指すようです。インカムリッチは、「世帯年収1500万円以上」と定義され、富裕層向けのマーケティング研究の対象となっているようです。
従来の富裕層には、純金融資産1億円以上を持つ「ウェルスリッチ」という呼び名がついた層がいます。株式会社野村総合研究所の調査によると、2023年現在、ウェルスリッチ世帯は139.5万世帯いると推定されていますが、多くは高年齢層です。
一方、インカムリッチは現在30~40代に増えている富裕層で、ライフスタイルや消費行動の観点から、「生活の充実のための消費を惜しまない層」として注目を集めています。
年収1500万円以上世帯の割合
厚生労働省による「2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況」によると、全世帯の平均年収は「524万2000円」です。世帯年収1500万円を超える世帯は、全体の3.2%しかいません。
なお、ニッセイ基礎研究所の調査では、夫婦ともに年収700万円以上のパワーカップルは2023年には40万世帯と10年前と比べて約2倍増加しており、今後も増加する可能性があると予測されます。
年収1500万円以上はリッチなのか?
例えば、夫婦ともに年収750万円で世帯年収1500万円の場合を考えてみましょう。手取り年収は70%~80%程度となるため、525~600万円です。ここでは、560万円程と想定します。この場合、月額の手取り収入は約46万円、2人分では約92万円となります。
総務省による「家計調査報告〔家計収支編〕2023年(令和5年)平均結果の概要」によると、2人以上世帯のうち勤労者世帯の消費支出は平均31万8755円です。月約92万円の手取り収入がある場合、平均支出を引くと約60万円の黒字が発生することになります。
インカムリッチ層の特徴とライフスタイル
インカムリッチ層は「健康や心の豊かさのためにお金をかけている」「タイムパフォーマンスを重視」「ゆとりを得るためにお金をかけることを惜しまない」といった意識が、全世帯と比べて高い傾向にあるようです。
インカムリッチ層は「心や健康の豊かさ」「ゆとりと時間」のために積極的にお金を使っているといえるでしょう。
また、消費意識についても「今の生活を楽しむためにお金を使いたい」「自分へのごほうびのためにぜいたくをしたい」という意識が全体世帯と比べて高く、「ごほうび」と称した消費を惜しまない傾向にあるようです。
現在注目されているQOL(生活の質)が充実した毎日を送るためにも、インカムリッチは生活スタイルとして参考にしておきたい層といえるでしょう。
今後さらに増える可能性があるインカムリッチ
インカムリッチと呼ばれる人たちは、まだごく少数であることが分かりました。とはいえ、今後も女性の社会進出や共働き世帯の増加により、さらに増える可能性がある層だと考えられます。
世帯年収1500万円を超えたら「インカムリッチ」といえるでしょう。これからは精神的な豊かさや自己成長につながるような生活スタイルを取り入れてみてはいかがでしょうか。
出典
株式会社野村総合研究所 野村総合研究所、日本の富裕層は149万世帯、その純金融資産総額は364兆円と推計
厚生労働省 2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況
ニッセイ基礎研究所 パワーカップル世帯の動向-2023年で40万世帯、10年で2倍へ増加、子育て世帯が6割
総務省 家計調査報告〔家計収支編〕2023年(令和5年)平均結果の概要
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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