大卒初任給は「20年前」と比べて10%アップ! 2024年で最も高かったのは「建設業」という結果に。今後も「新卒初任給」は上がり続ける? 推移を解説

配信日: 2025.02.11 更新日: 2025.10.21
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大卒初任給は「20年前」と比べて10%アップ! 2024年で最も高かったのは「建設業」という結果に。今後も「新卒初任給」は上がり続ける? 推移を解説
人手不足や最低賃金の上昇の影響もあり、初任給を引き上げる企業が増えています。産労総合研究所の調査によると、2024年4月入社者に対し、初任給を引き上げた企業は前年比7.5ポイント増の75.6%にもなっています。これは1997年度調査以降で最も高く、27年ぶりに70%を超えました。
 
本記事では2024年の初任給額、産業別・事業所規模別の初任給、20年前や35年前と比べて、初任給はどの程度増えたのかについて紹介・解説します。
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2024年の初任給額と増加額

東京労働局の調査によると、2024年の学歴別求人初任給は以下のようになっています。

●大学卒:21万6500円(対前年+4000円)
●短大卒:20万2400円(対前年+2400円)
●高校卒:18万9200円(対前年+5900円)

2023年からの増加率は大学卒が+2.4%、短大卒が+1.2%、高校卒が+4.1%となっており、特に高校卒の求人初任給が大きく上昇していますが、高校卒の求人初任給の大幅な上昇は最低賃金の引き上げが大きく影響していることが考えられます。
 

産業別・事業所規模別の初任給

同調査によると、2024年における大卒者の平均求人初任給が最も高かった産業は建設業(22万7500円)で、最も低かったのは宿泊業・飲食サービス業(20万5700円)でした。
 
また対前年比で初任給の増額率が高かったのは運輸業・郵便業(+4.0%)、生活関連サービス業・娯楽業(+3.3%)、医療・福祉(+3.1%)となっています。一方で金融業・保険業は対前年比でー4.2%と初任給が大きく下がっています。
 
また2024年の事業所規模別(従業員数)の大卒者の求人初任給額は以下のようになっています。

●29人以下:21万5000円
●30~99人:22万円
●100~299人:21万6000円
●300~499人:22万円
●500~999人:22万2100円
●1000人以上:22万3000円

従業員30人未満の中小企業でも1000人以上の大企業でも求人初任給の差は1万円以内に収まっています。
 

20年、35年前と比較して初任給はどれくらい上がっているのか?

同調査によると、2004年の大学卒の平均求人初任給は20万100円、35年前である1989年の大学卒は15万5700円となっています。高校卒の求人初任給は2004年が16万4800円、1989年は12万5100円です。
 
この20年で大卒者の求人初任給は約1万6000円、高卒者は約2万5000円の上昇、35年前と比較すると大卒者は約6万円、高卒者は約6万4000円上昇しています。
 
ただし、2018年から2024年で大卒者は約1万1000円、高卒者で約1万6000円上昇しており、ここ数年で大きく初任給が増額されていることになります。
 

まとめ

2024年の求人初任給は前年比で大きく上昇しており、産業別では約2万円の差がありましたが、事業所規模別の差は1万円以内に収まる結果となりました。
 
また求人初任給は20年前と比較すると、大卒者は1万6000円、高卒者は約2万5000円の上昇となっており、高卒者は20年前より10%以上アップしていますが、大卒者は10%も上昇していません。
 
しかし、この数年の初任給上昇と今後も最低賃金の上昇や人材採用のために初任給を増額する傾向は継続することが考えられるので、近いうちに大卒者でも10%を超えることが予想されます。
 

出典

東京労働局 学卒者の初任賃金
産労総合研究所 2024年度 決定初任給調査
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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