有名な大企業で働くサラリーマンはどれだけ稼いでいる?20代なら差は小さい?
しかし、具体的に「大企業の平均年収がいくらぐらいあるのか?」「初任給から中小企業とは差が開いているのか?」といったことは、あまり知られていないかもしれません。
今回は、従業員1000人以上の企業を大企業と定義し、20代の平均給与額や全体の平均年収、勤務し続けた場合の収入の推移などについてご紹介します。
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大企業と中小企業に収入の差はどれくらいある?
日本の企業総数のうち、99.7%は中小企業といわれています。つまり、大企業の割合はわずか0.3%です。
とはいえ、大企業の従業員数は、全体のおよそ30%を占めています。30%に当てはまる大企業の従業員の収入は、中小企業とどれほどの差があるのか、比較してみましょう。
大企業の平均年収
国税庁の「令和5年分民間給与実態統計調査」によると、企業規模1000人~4999人の企業の平均年収は526万7000円となっています。さらに、5000人以上の規模の企業で520万8000円です。
全体の平均年収が459万5000円となっており、60万円ほど高い額となっています。なお、中小企業の平均年収は、次のようになります。
●10人~29人:420万9000円
●30人~99人:424万5000円
●100人~499人:446万5000円
●500人~999人:494万2000円
企業規模が大きくなるほど年収はアップしますが、大企業のように500万円を超えてはいません。
大企業と中小企業の20代の平均給与額
平均年収では、大企業は中小企業と比べ高いことが分かりました。次に、20代に限った場合でも、同じように年収に差があるのか比較します。
表1は、国税庁の「令和5年分民間給与実態統計調査」を基に、20代の企業規模別の平均年収を表したものです。
表1
| 企業規模 | 20歳~24歳 | 25歳~29歳 | |
|---|---|---|---|
| 中小企業 | 10人以上 | 236万1000円 | 325万9000円 |
| 30人以上 | 250万4000円 | 361万5000円 | |
| 100人以上 | 291万9000円 | 380万4000円 | |
| 500人以上 | 303万5000円 | 412万8000円 | |
| 大企業 | 1000人以上 | 289万円 | 441万1000円 |
| 5000人以上 | 241万1000円 | 438万5000円 |
出典:国税庁「令和5年分民間給与実態統計調査」を基に筆者作成
24歳までの年収に限って比較すると、1000人以上の規模の企業は100人以上の規模の中小企業を下回っています。5000人以上の規模の企業にいたっては、30人以上の規模の企業を下回り、10人以上の規模の企業と5万円の差しかありません。
ただし20代後半になると、大企業の年収は一気に上がり、中小企業の年収を上回るようになります。
大企業に勤務した場合の年収の推移
20代前半と後半で、150万円以上年収が上がっている大企業の従業員。一般的に年収は緩やかに上がっていきますが、大企業の場合はどのように変わっていくのか見てみましょう。
国税庁の「令和5年分民間給与実態統計調査」を基に、大企業に勤務する30代から定年前の50代後半までの年収の推移を示したものが表2です。
表2
| 1000人以上 | 5000人以上 | |
|---|---|---|
| 30歳~34歳 | 496万1000円 | 494万7000円 |
| 35歳~39歳 | 545万9000円 | 551万8000円 |
| 40歳~44歳 | 585万6000円 | 581万8000円 |
| 45歳~49歳 | 602万4000円 | 614万7000円 |
| 50歳~54歳 | 638万円 | 617万円 |
| 55歳~59歳 | 644万5000円 | 651万9000円 |
出典:国税庁「令和5年分民間給与実態統計調査」を基に筆者作成
30代で全体の平均年収459万5000円を上回り、40代後半では600万円を超えます。500人以上の規模の中小企業で最も年収が高いのは50代前半の596万2000円となっており、最終的には大企業の年収が中小企業の年収を上回る結果となりました。
大企業に勤める20代前半の平均年収は中小企業と変わらないが、年を重ねるごとにその差が開いていく
大企業の平均年収は20代前半では中小企業と変わらないものの、その後30代前半で全体の平均年収459万5000円を上回り、40代後半で600万円を上回ります。
定年まで働き続けた場合の給与総額は、最終的に中小企業と差が開くことが考えられるでしょう。
出典
国税庁 令和5年分民間給与実態統計調査(18・170ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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