「子会社」と「連結子会社」と「グループ会社」の違いを説明できる? 収入面に差はあるの?

配信日: 2025.02.21

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「子会社」と「連結子会社」と「グループ会社」の違いを説明できる? 収入面に差はあるの?
企業経営における「子会社」「連結子会社」「グループ会社」という言葉の意味を正しく理解しているでしょうか?この記事では、それぞれの詳細と収入面の違いを分かりやすく解説します。
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グループ会社・子会社・連結子会社の違いについて解説

企業同士の資本関係を示す言葉に「グループ会社」「子会社」「連結子会社」などがあります。会計上はこれらを「関係会社」と呼びます。この名称は「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則」第8条8項で定められているのです。
 

グループ会社とは

「グループ会社」という言葉は、一般的に、親会社を中心に資本関係や経営のつながりがある会社のことを指します。ビジネス用語として広く使われていますが、会計上の正式な呼び方ではありません。そのため、混同しないよう注意が必要です。
 

子会社とは

子会社とは、親会社が50%超の議決権を持つ会社のことです。会社法第2条第3号では、子会社について次のように定めています。
 
「会社がその総株主の議決権の過半数を持つ株式会社その他の当該会社がその経営を支配している法人として法務省令で定めるものをいう」
 
以上のことから、子会社の経営は親会社によって大きな影響を受け、意思決定の多くが支配されることになります。また、会計上の「子会社」の定義は、財務諸表等規則第8条第4項で次の3つのケースに分けられます。

①議決権の50%超を所有している場合
②議決権の40%以上を所有し、特定の者の議決権と合わせて50%超となる場合または一定の条件を満たす場合
③特定の者の議決権と合わせて50%超を所有し、さらに一定の条件を満たす場合

ここでいう「一定の条件」とは、次のような要素を含みます。

●取締役会の過半数が親会社の関係者で構成されている
●事業の重要な決定に関する契約を親会社と結んでいる
●資金調達の大部分を親会社から受けている

この条件を満たすと子会社とされますが、該当しない場合には他の関係会社に分類されます。
 

連結子会社とは

連結子会社とは、子会社の中でも親会社の財務諸表に組み込まれる会社です。通常、子会社はすべて連結対象になりますが、以下のような例外もあります。

●親会社の支配が一時的な場合(短期間で売却予定など)
●子会社の業績が親会社の経営に大きな影響を与えない場合

このように、子会社であっても財務状況によっては連結対象から外れることがあり、その場合は非連結子会社と呼ばれます。
 

「子会社」「連結子会社」「グループ会社」での収入面の差

「子会社」「連結子会社」「グループ会社」での収入面の差についてみていきましょう。
 

「子会社」「連結子会社」「グループ会社」で収入に差が生じる理由

企業グループの中では、所属する会社によって収入に差が出ることが多いです。例えば、ある専門商社では、正社員と契約社員が同じ営業部でほぼ同じ業務を担当しています。
 
しかし、契約社員の給与が正社員の8割程度にとどまる一方で、正社員は将来の幹部候補とされ、管理職からの指導も手厚く受けられます。契約社員は同じ仕事をしていても待遇が異なるのです。
 
このような格差がありますが、企業はその仕組みによって経営を維持してきた側面もあります。
 

親会社と子会社での給与格差とその影響

製造業の親会社が販売やメンテナンスを担う子会社を設立するケースがよくあります。子会社では独自に社員を採用しますが、親会社から出向してくる社員もいます。同じ業務を担当していても、出向社員と子会社の社員では給与に大きな差が生じることがあるのです。
 
この格差が広がるにつれて、不満を持つ社員も増えていきます。特に、管理職でありながら営業社員を指導できない出向社員や、同じ仕事をしていても給与が大きく違う場合、社員のやる気が下がってしまうこともあるようです。
 

なぜ格差が解消されないのか

こうした給与の格差をなくすべきだという意見もありますが、経営者の立場から考えると簡単ではありません。
 
企業は子会社をつくり、親会社よりも低い給与制度を導入することで、グループ全体の利益を確保してきました。これは、子会社の社員の市場価値に基づいた仕組みともいえますが、この格差をなくそうとする企業は現状では少ないようです。
 

「子会社」「連結子会社」「グループ会社」には、それぞれ違いがある

グループ会社とは、親会社を中心に資本関係や経営のつながりがある会社のことを指します。子会社は、親会社が50%を超える議決権を持ち、経営をコントロールできる会社のことです。連結子会社は、子会社の中でも親会社の財務諸表に組み込まれる会社で、親会社の業績に大きな影響を与える場合に該当します。
 
収入面では、親会社と子会社の間に給与の違いがあることが多いです。一般的に、子会社の給与は親会社よりも低く設定されることが多く、同じ仕事をしていても、親会社からの出向社員と子会社の社員では待遇に差が出ることがあります。
 

出典

創業手帳 グループ会社と子会社と連結子会社の違いは?
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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