専門学校を卒業し、春から「医療事務」をする娘。就職先の初年度の年収が「280万円」なのですが、一般的なのでしょうか?

配信日: 2025.02.28

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専門学校を卒業し、春から「医療事務」をする娘。就職先の初年度の年収が「280万円」なのですが、一般的なのでしょうか?
専門学校を卒業して医療事務をする娘の就職先が決まり、初年度の年収が280万円だと知った場合、多いか少ないか気になるでしょう。一般事務と比較すると、仕事内容や年収にどれくらいの違いがあるのでしょうか。
 
そこで今回は、医療事務の平均年収について調べてみました。一般事務との仕事内容や年収の違い、年収アップを目指す方法もご紹介しますので、参考にしてください。
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医療事務をする娘の年収は280万円……これって多い? 少ない?

厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、医療事務は「その他の一般事務従事者」に区分されていて、平均年収は以下の通りです。

●医療事務(その他の一般事務従事者)

きまって支給する現金給与額:32万2700円
年間賞与その他特別給与額:91万500円
平均年収:478万2900円

年齢階級別に平均年収を算出してみると「~19歳」は252万1400円、「20~24歳」は303万5300円となっています。専門学校を卒業したばかりの娘さんの初年度の年収が280万円だとすれば、医療事務では一般的だと考えられるでしょう。同調査では年齢が上がるにつれて年収はアップし、55~59歳の566万3200円でピークを迎えます。
 

一般事務との仕事内容や年収の違いは?

医療事務も一般事務も、仕事に就くにあたって特に学歴や資格は必要とされません。どちらも同じ事務職ではありますが、大きな違いとして勤務先が挙げられます。医療事務は病院・クリニックなどの医療施設が勤務先ですが、一般事務の勤務先はおもに民間企業です。
 
一般事務では社内全般の事務作業として、電話対応・来客対応を始め、データ入力や書類の作成・管理、備品の管理や購入などを行います。医療事務では、受付・会計業務、クラーク業務、レセプト(診療報酬請求明細書)の作成やチェックなどがあり、医療にかかわる専門的な業務が多くなります。
 
前述の「令和5年賃金構造基本統計調査」では、一般事務は「総合事務員」に区分されていて、平均年収は以下の通りです。
 

●一般事務(総合事務員)
きまって支給する現金給与額:34万1700円
年間賞与その他特別給与額:100万8500円
平均年収:510万8900円

全体の平均では、一般事務の方が年収は32万6000円多くなっています。とはいえ「医療事務だから一般事務よりも年収が低い」とは言い切れません。
 
いずれの場合も、病院や企業の規模など職場によって年収に差が出ることが考えられます。また民間企業で働く一般事務の場合は、社会情勢や景気によって年収が影響を受けやすい傾向にあるのに対し、医療機関で働く医療事務の場合は景気にかかわらず年収は安定すると考えられるでしょう。
 

医療事務で年収アップを目指す方法

医療事務で年収280万円からスタートした場合も、勤続年数に応じて年収はアップしていくことが期待できます。しかし通常の昇給以上に年収を上げたければ、資格取得やスキルアップによって自己アピールする必要があるでしょう。
 
例えばレセプト業務に関する講座を受けたり、業務に関連する資格を取得したりできます。医療事務ではワードやエクセルを頻繁に使うため、パソコンスキルを向上させることも評価につながるかもしれません。
 
昇進・昇格を目指して意欲的に働くことも、責任や能力が評価されて年収アップを実現するための重要なポイントです。肩書があれば、転職や再就職の際にも有利になります。今の職場で理想の年収が得られない場合は、転職して年収アップを目指すことも検討できるでしょう。
 

医療事務で初年度の年収が280万円は一般的と考えられる! 資格取得やスキルアップで年収アップを目指すのもよし

医療事務の年齢別の平均年収は「~19歳」で252万1400円、「20~24歳」で303万5300円です。専門学校卒業後に医療事務で働く娘さんの初年度の年収が280万円だった場合、医療事務では一般的な収入であるといえるでしょう。医療事務全体の平均年収は478万2900円で、勤務年数などに応じて年収は上がっていくことが期待できます。
 
一般事務と比較すると、平均年収は32万6000円低いことが分かりました。しかし医療機関で働く医療事務は基本的に景気にかかわらず安定した収入が得られるなどのメリットがあるでしょう。また資格取得やスキルアップ、昇進などによって年収アップを目指すことも可能です。
 

出典

政府統計の総合窓口(e-Stat) 厚生労働省 賃金構造基本統計調査/令和5年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種 表番号5 職種(小分類)、年齢階級別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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