「准看護師」の資格を取りました。このまま働く場合「看護師」と年収や待遇はどのくらい違うのでしょうか?
配信日: 2025.03.02 更新日: 2025.03.04

そこで今回は、看護師と准看護師の資格の違いや働き方などについて解説します。給与や働き方について気になる方はぜひ、参考にしてください。

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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看護師と准看護師の違い
まずは、看護師と准看護師の違いについて見てみましょう。表1にそれぞれの特徴をまとめました。
表1
看護師 | 准看護師 | |
---|---|---|
最終学歴 | 高等学校卒業以上 | 中学卒業以上 |
資格取得までかかる年数 | 最短3年 | 最短2年 |
資格の発行者 | 厚生労働大臣 | 都道府県知事 |
職務内容の根拠法令 | 保助看法第5条 傷病者もしくは褥婦に対する療養上の世話または診療の補助を行う |
保助看法第6条 「医師・歯科医師または看護師の指示のもと」で、傷病者もしくは褥婦に対する療養上の世話または診療の補助を行う |
業務範囲 | 看護師と准看護師に「業務範囲」の差はない | |
自らの判断により、看護業務を行える | 自らの判断で看護業務を行えない | |
キャリアアップ | 保健師、助産師、特定看護師、専門看護師、認定看護師、診療看護師 | 看護師 |
出典:一般社団法人 日本准看護師連絡協議会「これから准看護師を目指す人」を基に筆者作成
看護師と准看護師の大きな違いは、資格の発行者です。看護師は国家資格ですが、准看護師は都道府県知事が認可する免許です。そのため、看護師は日本全国で働けますが、准看護師は資格を取得した都道府県でしか働けません。
また、准看護師から看護師へステップアップするには、一定の実務経験を経た後に看護師養成校に通う必要があります。看護師養成校卒業後、国家試験を受験し合格すると看護師として勤務可能です。
看護師と准看護師の給与相場
厚生労働省の「令和5年度賃金構造基本統計調査」によると、看護師と准看護師の平均月収・賞与・年収は表2の通りです。
表2
准看護師 | 看護師 | |
---|---|---|
月収 | 28万6800円 | 35万2100円 |
年間賞与 | 62万9500円 | 85万6500円 |
年収 | 407万1100円 | 508万1700円 |
出典:厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」を基に筆者作成
看護師と准看護師では収入面において月収で約6万5000円、年収で約101万円の差があります。
准看護師は看護師の指示のもとで看護業務を行わなくてはなりません。そのため、役職者への昇進が難しい点などが、収入面の差に結びついていると考えられます。
看護師として勤務するメリット・デメリット
看護師として勤務するメリットは以下の通りです。
●給与水準が高い
●働き口が多い
厚生労働省の「令和5年度賃金構造統計調査」によると、一般労働者の賃金は男女合計の平均で31万8300円です。一方、看護師の賃金は35万2100円と水準を上回っています。また、超高齢化社会の現在、看護職の需要は高まっています。
国家資格である看護師は、正社員だけでなくパートタイムにおいても需要が高いといえるでしょう。
対して、以下のデメリットもあります。
●就業時間が不安定
●業務にプレッシャーがつきまとう
看護師の業務は日勤と夜勤のシフト制の場合が多いです。そのため、生活リズムが不規則になりがちです。また、病院・病棟によっては急患・急変患者が多くなり残業が増える場合もあるでしょう。
また看護師の仕事は、患者さんの命・健康に関わります。そのため、常にプレッシャーと隣り合わせの環境にいます。
看護師と准看護師は年収で約101万円の差があり、業務における責任の重さも変わってくる
看護師と准看護師では年収ベースで約101万円の差があります。看護師は厚生労働大臣の発行する国家資格ですが、准看護師は都道府県知事が発行する免許です。そのため、看護師は自らの判断で看護業務を行えますが、准看護師は指示を受けなければ看護業務を行えません。
キャリアアップを行うかどうかは、ライフプランや給与、働き方などを総合的に踏まえて考えましょう。
出典
厚生労働省 令和5年度賃金構造基本統計調査
総務省統計局 賃金構造基本統計調査 表番号1
一般社団法人 日本准看護師連絡協議会 これから准看護師を目指す人
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー