公務員は安定している?会社員との違いはどこにあるの?
本記事では、公務員と会社員の違いを比較し、それぞれのメリットとデメリットを解説します。
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雇用の安定性
公務員の主な特長は、雇用の安定性にあります。景気変動の影響を受けにくいため、定年まで安心して働くことができます。これは、公務員の給与が税金によって賄われており、企業のように業績に左右されないためです。
一方、会社員は、企業の業績に影響を受ける可能性が高く、近年では終身雇用制度が崩れつつあり、転職やキャリアチェンジが一般的になっています。ただし、成果次第では大幅な昇給やキャリアアップが期待できる点は魅力です。
給与体系と昇給
公務員の給与は、職種ごとに定められた給料表に基づき、年功序列型が基本です。定期的な昇給はありますが、急な昇給は期待しづらく、業績に応じてボーナスが大きく変動することもありません。安定した収入を重視する方には向いているといえます。
一方、会社員の給与は、企業の業績や個人の成果によって変動します。成果主義の企業では、個人のパフォーマンスが給与や昇進に直結するため、高い成果を出せば大幅な昇給やボーナスが期待できます。ただし、企業の業績悪化などの理由で給与が減少したり、ボーナスが支給されなかったりするリスクもあります。
公務員と会社員の平均年収
公務員と会社員の平均年収を比較すると、公務員のほうが高水準に設定されています。これは、公務員の仕事が国民生活の基盤を支える重要な役割を担っており、安定した収入を確保することで優秀な人材を確保する必要があるからです。
以下の表1は、国税庁の「令和5年分 民間給与実態統計調査」と東京都人事委員会の「給与決定と算出のしくみ」をもとにした年収比較の表です。
表1
| 年齢層 | 会社員平均年収 | 公務員年収モデル |
|---|---|---|
| 25~29歳 | 394万円 | 456万円(25歳係員) |
| 30~34歳 | 431万円 | 544万3000円(30歳主任) |
| 35~39歳 | 466万円 | 662万7000円(35歳課長代理) |
| 40~44歳 | 501万円 | 733万7000円(40歳課長代理) |
| 45~49歳 | 521万円 | 1053万6000円(45歳課長) |
| 50~54歳 | 540万円 | 1095万6000円(50歳課長) |
| 55~59歳 | 545万円 | 1340万4000円(部長) |
国税庁「令和5年分 民間給与実態統計調査」と東京都人事委員会「給与決定と算出のしくみ」より筆者作成
この表からは、公務員の年収が会社員よりも高水準であることが分かります。
公務員と会社員の退職金
公務員も会社員と同様に退職金が支給されます。
総務省の「令和5年地方公務員給与の実態」によれば、勤続25年以上で60歳定年退職した場合、退職金は2117万1000円が支給されています。
一方、会社員の退職金は、企業の業績や個人の貢献度によって異なります。
中央労働委員会の「令和5年賃金事情等総合調査」による、大企業のモデル退職金によると、定年退職した場合、大学卒の事務・技術(総合職)は2858万4000円と報告されています。
東京都産業労働局の「中小企業の賃金・退職金事情(令和4年版)」による、中小企業のモデル退職金は、大学卒は1091万8000円でした。
退職金の額は、大企業の場合は公務員よりも高いのですが、中小企業の場合は公務員よりも低いようです。ただし、確定拠出年金制度を導入する企業も増え、退職金制度は多様化しています。
安定性なら公務員、成長性なら会社員
公務員と会社員の違いを比較しました。雇用の安定性を重視するなら公務員、成果や成長性を重視するなら会社員、というように、何を優先するかによって選択肢は変わります。
また会社員でも、大企業や中小企業など会社の規模や事情によっても異なります。ご自身の価値観や将来の目標を明確にし、後悔のない選択をしてください。
出典
国税庁 令和5年分 民間給与実態統計調査
東京都人事委員会 給与決定と算出のしくみ
総務省 令和5年地方公務員給与の実態 調査結果の概要
中央労働委員会 令和5年賃金事情等総合調査 調査結果の概要
東京都産業労働局 中小企業の賃金・退職金事情(令和4年版)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
