
高い年収を得られる職業はいくつかありますが、そのなかでも医師を思い浮かべる方は多いでしょう。そこで本記事では、医師の平均年収を紹介しつつ、民間の事業所に勤務者との平均年収の差についても解説します。

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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平均年収
厚生労働省の「令和5年 賃金構造基本統計調査」を参考に、医師や歯科医師、獣医師の給与やボーナスの平均額を図表1にまとめました。
図表1
医師 | 歯科医師 | 獣医師 | |
---|---|---|---|
平均給与 (年間額 ※平均給与×12ヶ月) |
109万700円 (1308万8400円) |
69万5800円 (834万9600円) |
49万1800円 (590万1600円) |
平均ボーナス | 127万6300円 | 89万3400円 | 95万5500円 |
平均年収(合計) | 1436万4700円 | 924万3000円 | 685万7100円 |
出典:厚生労働省「令和5年 賃金構造基本統計調査」を基に筆者作成
上記の結果を基に歯科医師や獣医師の平均年収と比較すると、医師の平均年収はかなり高いことが分かるでしょう。獣医師の平均年収を基準にすると、医師とは2倍以上の差があります。
民間の事業所勤めの平均年収と医師の平均年収の差
国税庁の「令和5年分 民間給与実態統計調査」によると、民間の事業所に勤める給与所得者の平均年収は459万5000円とされています。医師の平均年収は1436万4700円であるため、その差は約977万円です。
同調査では、正社員のみの平均年収も調査されています。正社員のみの平均年収は530万3000円であるため、医師の平均年収との差は約906万円です。このように、民間の事業所に勤める人の平均年収と医師の平均年収には、900万円以上という大きな差があります。
医師の平均年収の構成割合
「令和5年分 民間給与実態統計調査」では、給与所得者の平均年収別の構成割合も調査されています。民間の事業所に勤める人の平均年収が含まれる、400万円超500万円以下の構成割合は15.4%です。なお、この構成割合は300万円超400万円以下の16.3%に次ぐ2番目に大きいものです。
医師の平均年収が該当する、1000万円超1500万円以下の構成割合は4.0%とされています。このことから、医師の平均年収はかなり多いことが分かります。
医師になる方法
医師になるためには、いくつかのステップを踏む必要があります。ここでは、医師になるまでのステップについて解説します。
大学医学部への入学
まずは大学医学部への入学です。大学の医学部に6年間通い、所定の単位を取得する必要があります。医学部への入学は、ほかの学部よりも要求される学力が基本的に高いといえます。医師になるためのステップとして、医学部への入学が難関になる方は多いでしょう。
医師国家試験の合格
医学部で所定の単位を取得したあとは、医師国家試験に合格して医師免許を取得しなければいけません。医学部の卒業見込みがあると認められれば、医学部を卒業する年に1回目の医師国家試験を受けることが可能です。
2年間の臨床研修
医学部を卒業し、医師国家試験に合格して医師免許を取得したあとは、臨床研修を2年間行う必要があります。臨床研修は、初期臨床研修や卒業臨床研修とも呼ばれています。臨床研修の研修先は、臨床研修病院として国の指定を受けている大学付属病院や都道府県立病院などです。
臨床研修を終えると医師として認められ、その後はさらに専門医の資格を取得するステップがありますが、一般的な診療活動を行うこともできます。
医師は高収入といえるが、それだけ大きな責任を負う仕事
厚生労働省によると、医師の平均年収は約1436万4700円とされています。民間の事業所に勤める人の平均年収が459万5000円であるため、年収差は900万円以上となり、医師はかなりの高年収であるといえます。平均年収だけで判断するのであれば、医師は「稼げる職業」であるといえるでしょう。
しかし、その高収入を得るまでには、長い学業期間や厳しい研修、膨大な知識の習得など、大変な努力が求められます。さらに、医師は人々の命を預かる大きな責任を負う仕事でもあります。医師の仕事に興味のある人は、収入だけでなく職業としての役割や覚悟についても考えてみましょう。
出典
厚生労働省 令和5年 賃金構造基本統計調査 表番号1
国税庁 令和5年分 民間給与実態統計調査
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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