「地方」と「都心」で年収が大きく違うと聞きました。実際、どれくらいの差があるのでしょうか?

配信日: 2025.03.20 更新日: 2025.03.21

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「地方」と「都心」で年収が大きく違うと聞きました。実際、どれくらいの差があるのでしょうか?
「地方と都心では年収が大きく違う」と聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。確かに、東京都などの都市部は企業の数が多く、給与水準が高い傾向にあります。一方で、地方では都市部に比べて給与が低いというイメージがありますが、実際にはどれくらいの差があるのでしょうか?
 
本記事では、都道府県別の平均年収や、エリアごとの違いをデータとともに解説し、地方と都心の年収差が生じる理由についても考えていきます。
FINANCIAL FIELD編集部

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都道府県別の平均年収を比較

まず、日本国内の都道府県ごとの平均年収を見てみましょう。パーソルキャリア株式会社(東京都港区)が運営する、転職サービス「doda」の「平均年収ランキング(47都道府県・地方別の年収情報)【最新版】」(2023年9月~2024年8月、dodaサービスに登録した約60万人の平均年収データ)によると、平均年収が高い都道府県は以下のようになっています。

1位 東京都:471万円(男性:534万円、女性:415万円)
2位 神奈川県:452万円(男性:518万円、女性:383万円)
3位 千葉県:435万円(男性:496万円、女性:367万円)
4位 埼玉県:426万円(男性:484万円、女性:360万円)
5位 茨城県:424万円(男性:476万円、女性:349万円)

このように、上位5都県はすべて関東地方に位置しており、首都圏での年収が比較的高いことが分かります。一方、平均年収が低い地域としては、青森県(374万円)、秋田県(377万円)、沖縄県(373万円)などが挙げられます。特に沖縄県は、観光業を中心とした産業構造の影響もあり、全国平均よりも低めの年収となっています。
 

エリア別の平均年収の違い

さらに、同じ調査でエリアごとの平均年収を比較すると、以下のような結果が出ています。

関東:451万円
東海:413万円
関西:407万円
中国・四国:386万円
北信越:385万円
北海道・東北:381万円
九州・沖縄:380万円

このデータから、関東エリアが最も高く、九州・沖縄エリアが最も低いことが分かります。特に、東京都を中心とする関東圏では、大企業が多く集まることや、高収入の仕事が多いことが影響していると考えられます。一方で、地方では企業の規模が小さく、賃金水準が低くなりがちなため、全体的に平均年収が低くなる傾向があります。
 

年齢別、業種・職種別の違い

平均年収は、年齢や職種によっても異なります。厚生労働省の「令和5年 賃金構造基本統計調査」に基づくデータでは、30代の平均年収においても都市部と地方で違いが見られます(各都府県すべて産業計・企業規模10人以上、年収額=きまって支給する現金給与額×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額)。
 
例えば、東京都の35~39歳男性の平均年収は635万3100円であるのに対し、大阪府の同年代男性は573万1600円となっており、約62万1500円の差があります。このように、同じ年齢層でも地域によって年収に違いがあることが分かります。
 
また、業種や職種による違いも大きな要因となります。前述の「doda」の調査によると、業種別平均年収ランキングの上位は1位が金融で491万円、2位がメーカーで481万円、3位が総合商社で472万円です。
 
職種では、1位が専門職(コンサルティングファーム/専門事務所/監査法人)で611万円、2位が企画/管理職系で566万円、3位が金融系専門職で474万円です。
 
ITエンジニアや金融系の専門職などは東京や大阪などの都市部で雇用機会が多く、高年収を得やすい傾向にあります。一方で、地方では製造業や観光業など地域密着型産業が主要産業となることが多く、これらの業種は都市部に比べると平均年収が低い傾向にあります。
 

地方と都心で年収に差が生まれる理由

では、なぜ地方と都心で年収に差が生まれるのでしょうか。その理由として、以下のような要因が考えられます。
 

1. 企業の集積度の違い

都市部には、大手企業の本社や外資系企業が集まり、給与水準が高い職種の求人も多くなります。特に、東京都には高収入の業種である金融、コンサル、IT関連の企業が多く、これが平均年収を押し上げています。一方で、地方には中小企業が多く、大手企業に比べて賃金が低く設定されていることが多いため、年収に差が生まれます。
 

2. 生活コストの違い

都市部は物価や家賃が高いため、企業もそれに合わせた給与を設定する傾向があります。例えば、東京都で生活するためには家賃や交通費がかかるため、同じ仕事でも地方よりも給与が高くなることが一般的です。一方で、地方では生活コストが低いため、企業側も給与を抑えられるという側面があります。
 

3. 業種・職種の違い

都市部では、専門職や高収入の業種が多いのに対し、地方では観光業や製造業などの割合が高いことが年収に影響しています。高収入であるITエンジニアや外資系企業での勤務などは都市部に集中しやすく、地方ではこうした職種が少ないため、年収に差が生じる傾向にあります。
 

地方か都心か……、自分に合った最適な生活を選ぼう

地方と都心では、年収に明確な違いがあることがデータからも示されています。特に東京都は全国で最も平均年収が高く、関東圏全体でも比較的高い水準となっています。一方で、地方では企業の規模や業種の違いにより、都心に比べると年収が低めになる傾向があります。
 
ただし、地方は生活コストが低く、家賃や物価などで生活費の負担が少ないというメリットもあります。そのため、単純に年収の高さだけでなく、生活費や働き方のバランスを考えることも重要です。自分にとって最適な環境を選びながら、よりよい生活を実現するための選択をしていきましょう。
 

出典

パーソルキャリア株式会社 doda 平均年収ランキング(47都道府県・地方別の年収情報)【最新版】
厚生労働省 賃金構造基本統計調査 一般 都道府県別 年齢階級別DB 2023年
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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