正社員の内定をもらいましたが、派遣のほうの時給が高くて迷っています。派遣採用の場合「ボーナス」はもらえるのでしょうか?
配信日: 2025.03.21

そこで本記事では、正社員と派遣社員の違い、派遣社員のボーナス事情、そしてキャリア形成や将来性を考慮した選択について解説します。

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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正社員と派遣社員の違い
正社員と派遣社員は、雇用形態や待遇が大きく異なります。どちらにもメリット・デメリットがあるため、自分の働き方に合った選択をすることが大切です。まずは、正社員と派遣社員の基本的な違いを理解しておきましょう。
【雇用形態と雇用主】
・正社員
直接企業と無期契約を結び、企業の一員として働きます。
・派遣社員
派遣会社と契約を結び、派遣先企業で一定期間を働きます。なお、同一の派遣社員が同一の部署で勤務できる期間は、労働者派遣法に基づき原則として最大3年と定められています(一部例外あり)。3年を超えて勤務を希望する場合には、派遣先企業が直接雇用を申し入れる努力義務が課されています。
【給与体系】
・正社員
月給制が一般的で、基本給に加えて各種手当や賞与(ボーナス)が支給されます。
・派遣社員
時給制が主流で、働いた時間に応じて給与が支払われます。時給は正社員より高めに設定されることもありますが、必ずしもそうとは限りません。
【福利厚生】
・正社員
社会保険、厚生年金、健康診断、住宅手当、退職金制度など、充実した福利厚生が提供されることが多いです。
・派遣社員
派遣社員の福利厚生は、派遣元から提供されます。派遣会社によって福利厚生の内容は異なりますが、社会保険や有給休暇などの基本的な福利厚生は一定の条件を満たせば受けられます。
派遣社員のボーナス事情
派遣社員として働く場合、ボーナス(賞与)が支給されるのか気になる方も多いでしょう。派遣社員にボーナスが支給されるかどうかは、以下の要素によって異なります。
■派遣会社の方針
派遣社員の雇用主は派遣会社であるため、ボーナスの有無は派遣会社の方針や契約内容によって決まります。一般的に、派遣社員は時給制のためボーナスが支給されないケースが多いですが、一部の派遣会社ではボーナス制度を設けている場合もあります。
■契約内容
派遣契約を結ぶ際に、ボーナスに関する取り決めが明記されているか確認することが重要です。契約書にボーナス支給の記載がない場合、基本的にはボーナスは支給されません。
■同一労働同一賃金制度の影響
2020年4月から施行された同一労働同一賃金制度により、派遣会社は派遣先均等・均衡方式または労使協定方式のいずれかを採用することが義務付けられています。
この制度によって、派遣社員のボーナスの取り扱いが変わり、正社員と派遣社員の待遇格差を是正する動きが進んでいます。そのため、派遣社員にも賞与や退職金が支給されるケースが増えてきました。
■派遣先企業の制度
派遣先企業が、派遣社員に対してもボーナスを支給する制度を設けている場合もありますが、このケースは少ないです。多くの場合、派遣社員は派遣先企業のボーナス支給対象外となります。
なお、ボーナスの適用条件や支給の有無は派遣会社や契約内容によって異なるため、詳細を確認することが重要です。
正社員・派遣社員のメリットと注意点
給与やボーナスだけでなく、キャリア形成や将来性も考慮して、正社員と派遣社員のどちらを選ぶべきか検討することが重要です。ここでは、正社員・派遣社員のメリットや注意点について見ていきましょう。
■正社員
<メリット>
・安定性
無期契約であるため、長期的な雇用が期待できます。
・キャリアアップ
社内での昇進や異動の機会があり、キャリアを積みやすい環境です。
・福利厚生
充実した福利厚生が提供されることが多く、長期的な生活設計が立てやすいです。
<注意点>
安定した雇用が期待できますが、給与が派遣社員より低い場合や、業務内容が限定されることもあります。
■派遣社員
<メリット>
・高時給
時給制が主流で、働いた時間に応じて給与が支払われます。正社員より高めに設定されることもあり、短期間で高収入を得られる可能性があります。
・柔軟性
契約期間が定められているため、ライフスタイルに合わせて働き方を選べます。
・多様な経験
さまざまな企業や業種での経験を積むことができます。
<注意点>
契約期間が終了すると、次の仕事がすぐに見つかる保証はありません。また、キャリアアップの機会が限られる場合もありますが、派遣会社が提供するキャリアアップ支援や職業訓練プログラムを活用することで、次のキャリアステップを準備できる可能性があります。
キャリア形成と将来性を考慮した選択をしよう
正社員の内定を受けたものの、派遣社員の高時給に魅力を感じて迷う気持ちは理解できます。しかし、給与やボーナスだけでなく、長期的なキャリア形成や生活設計を考慮して選択することが重要です。
派遣社員として働く場合、ボーナスの有無は派遣会社や契約内容によって異なるため、事前に確認することが必要です。最終的には、自分のキャリアビジョンやライフスタイルに合った働き方を選ぶことが大切です。
出典
厚生労働省 派遣で働く皆様へ
厚生労働省 同一労働同一賃金特集ページ
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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