「管理職」と「平社員」の給料差はどれくらい? 管理職がつらいと感じる場合、自ら「降格」を希望することはできる?
配信日: 2025.03.21

そのようなときには、打開策として自ら降格を願い出る方法もあります。
そこでこの記事では、管理職がつらくてやめたい場合の対処法や、管理職と一般社員の給料の差などについてご紹介します。

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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管理職がつらいと感じる理由
仕事をするうえで、管理職を目指して働いている人もいるでしょう。そのような中、管理職がつらいと感じる理由はさまざまで、中でも次のように人間関係や業務量、給与などが理想からかけ離れていることが理由として考えられます。
・上司と部下の間で板挟みになる
・時間外労働が増える
・仕事に対する報酬に満足できない
管理職になると、一般社員と比べ部下の指導や教育、他部署とのやり取りなど、仕事量が増加する傾向にあります。時間外労働が増えるのに残業代が付かないケースもあるようです。
上司と部下の間に入って、うまくまとめなければならないなど、さまざまな点でストレスがたまることが考えられます。
管理職と平社員の給料の差
では実際、管理職と一般社員の給与の差はどれくらいあるのか、比較してみましょう。
表1は総務省統計局が発表している「令和5年賃金構造基本統計調査」を基に、10人以上の社員のいる企業規模の会社に勤務する「部長」「課長」「係長」「非役職」の平均年収を計算したものです。なお所定内給与額とは、基本給に時間外手当を除いた各種手当を加えたもので、所得税など控除前の金額です。
表1
役職 | 所定内給与額 | 年間賞与その他特別給与額 | 年収 |
---|---|---|---|
部長 | 59万6000円 | 212万4500円 | 927万6500円 |
課長 | 49万800円 | 191万3300円 | 780万2900円 |
係長 | 37万800円 | 133万6100円 | 578万5700円 |
非役職 | 29万1100円 | 80万2500円 | 429万5700円 |
※e-Stat 政府統計の総合窓口「令和5年賃金構造基本統計調査」を基に筆者作成
非職員の年収は429万5700円で、係長の578万5700円と比べ149万円少ない額となっています。
管理職がつらい! 自ら降格を願い出るとどうなるのか?
管理職を続けられない場合、降格願を提出し受け入れてもらうことになると考えられます。
ただし、管理職を降りたいと願い出た場合、上司はそのような人材を管理職に選んでしまった管理能力を問われる可能性があります。そのため、降格を受け入れてもらうためには、育児や介護といった家庭の問題や、自身の病気など、上司を納得させられるだけの理由が必要になると考えられます。
また、降格された後、リスクがともなうことも理解しておかなければなりません。管理職から降格後のリスクとしては次のようなことが考えられます。
・給料が下がる
・再度管理職に就くことが難しくなる
・想像以上に大きな降格となる可能性がある
・周囲との関係性が変わる
給与が下がるだけでなく、周囲との関係性が変わり、場合によっては働きにくくなる可能性もあります。
管理職がつらいとき、降格以外の対処法
「管理職がつらいから」と降格を申し出ることだけが打開策ではありません。考えられる方法としては、部署異動を申し出ることや思い切って転職する方法などがあります。
部署異動を希望する際は、まず直属の上司に相談したうえで、異動願を提出しましょう。ただし必ずしも希望が聞き入れられるとは限りませんし、降格願を提出する場合に近いリスクもあるかもしれません。
転職は、理想の待遇で雇用してくれる会社が見つかれば、今まで以上に働きやすくなり、場合によっては年収アップがかなう可能性もあります。
ただし、そのような会社がすぐに見つからない可能性があることも理解しておかなければなりません。
自ら降格希望を出すことはできるがリスクをともなう
さまざまな理由から管理職がつらいと感じた場合、降格を希望することが可能とされているようです。しかし、家族の介護や自身の病気など、納得させられる理由がなければ、認めてもらえない可能性もあるでしょう。
また降格後、給与が減少したり、周囲との関係が悪くなったりするなど、リスクがともなう可能性があることも理解しておく必要があります。降格を希望する以外にも、部署異動や転職などといった方法もあるため、どの方法がよいかじっくり考えるとよいでしょう。
出典
e-Stat 政府統計の総合窓口 令和5年賃金構造基本統計調査
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー