最近入ったパートの同僚が「時給1200円」で仰天! 勤続10年で「時給1050円」だけど、相談すれば時給は上がる? 新人のほうが高時給な理由とは?

配信日: 2025.04.03

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最近入ったパートの同僚が「時給1200円」で仰天! 勤続10年で「時給1050円」だけど、相談すれば時給は上がる? 新人のほうが高時給な理由とは?
長年働いているのに、新人のほうが高い時給をもらっているという話を、耳にしたことはありませんか。物価高や最低賃金の上昇が影響しているとはいえ、長く働いているのに報われないと感じる人も多いのではないでしょうか。
 
本記事では、この状況で時給を上げることはできるのかや、時給交渉のコツについて解説します。

新人のほうが時給の高い理由は?

新人のほうが長年働いた人より時給が高いというねじれ現象は、なぜ生じているのでしょうか。
 

物価高の影響

近年、さまざまな商品の価格が上昇しており、生活費が増えています。直近の消費者物価指数(令和7年1月)は、前年の同月から4.0%も上昇しており、求職者はより高い時給を求めていると言えるでしょう。
 

最低賃金の引き上げ

政府の政策により、最低賃金は毎年のように引き上げられています。例えば、東京都では令和6年度に最低賃金が1163円となり、5年間で50円も上がりました。全国的にも上昇傾向が続いており、その結果、新規採用の時給が上がりやすくなっています。
 

人手不足

労働政策研究・研修機構事業所が実施した人手不足の状況に関する調査によると、6割弱の企業が正社員、パート・アルバイトいずれも不足と回答しています。そのため、企業はより高い時給を提示して人材を確保しようとしているのです。
 

パートでも時給アップ交渉はできる?

「パートだから……」という理由で、時給のことを諦める必要はありません。パートタイム・有期雇用労働法では、「通常の労働者との均衡を考慮しつつ、職務の内容や成果、能力などを考慮して賃金を決定する」ことが企業の努力義務とされています。
 
つまり、自分の能力やこれまでの経験などが今の賃金に見合っていないと感じたら、価格交渉する余地があるのです。
 
また、企業には労働者に対して賃金決定の基準を説明する義務があるため、納得のいかない場合は説明を求めることが可能です。
 

時給アップ交渉のポイント

とはいえ、いきなり「時給を上げてください!」と交渉するのは、勇気がいりますよね。
 
そこで、時給アップ交渉のポイントと注意点をまとめました。
 

自分のスキルや経験をアピールする

これまでの仕事ぶりや、できることを具体的に伝えましょう。「業務効率を上げて30分の時間短縮を実現した」や「新しい資格を取得した」といった実績があれば、積極的にアピールするとよいでしょう。
 

時給の相場を調べておく

同じような仕事内容のパートの時給がどれくらいなのか、事前に調べておきましょう。求人サイトや地域の労働局などに問い合わせてみるのがおすすめです。
 
また、自分の住んでいる地域の最低賃金を必ず確認してください。例えば、時給1050円の場合、北海道なら最低賃金1010円で問題ありませんが、東京都なら最低賃金1163円のため、法律違反となります。
 

交渉のタイミングを見計らう

忙しい時や、会社の業績が悪い時は、交渉を控えたほうが良いでしょう。ボーナス時期や人事異動の時期など、会社に余裕がありそうなタイミングを見計らいましょう。
 
また、感情的にならず、冷静に、丁寧に自分の要望を伝えることも大切です。
 

ほかの企業の時給を調べてみる

同じ業界でも、職場によって時給に差があります。最低賃金の上昇により、新しく採用される人のほうが高い時給をもらえる可能性が高くなっています。もし今の職場が条件改善に応じてくれない場合は、より良い待遇の職場への転職を検討するのも1つの選択肢です。
 

まとめ

長く働いてきた自分より、新人のほうが高い時給をもらっているという現象に不満を抱えるのは当然かもしれません。しかし、最低賃金の上昇や企業の採用事情を考えると、ある程度はやむを得ない面もあります。
 
今の時給に不満を感じている場合、まずは時給アップ交渉にチャレンジしてみましょう。交渉がうまくいかない場合や、交渉自体に抵抗がある場合は、条件の良いほかの職場を探すことも選択肢の1つです。
 
自分の状況を改善するために、まずはできることから行動を始めてみるとよいでしょう。
 

出典

総務省 2020年基準 消費者物価指数 全国 2025年(令和7年)1月分
独立行政法人労働政策研究・研修機構 「人手不足とその対応に係る調査―小売・サービス事業所を対象として」(事業所調査)結果
厚生労働省 パートタイム・有期雇用労働法の概要
 
執筆者:渡邉志帆
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