中学校教師で「担任」のクラスを持つと給料は上がる?職名や年齢に応じてどれくらい年収アップが狙える?

配信日: 2025.04.19 更新日: 2025.10.21
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中学校教師で「担任」のクラスを持つと給料は上がる?職名や年齢に応じてどれくらい年収アップが狙える?
同じ中学校教師でも、担任になると業務が増えて忙しくなるイメージを持つ人もいるでしょう。担任のクラスを受け持つと、給料は上がるか、また職名や年齢に応じて年収はどのようにアップしていくのか気になるところです。
 
今回は、公立学校教員の給与制度や職名・年齢に応じた年収目安について調べてみました。教員不足の対策として話し合われている処遇改善についてもご紹介しますので、参考にしてください。
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中学校教師で担任のクラスを持つと給料は上がる?

公立学校教員が担任のクラスを持ったとしても、現状では担任手当のような特別な手当が支給されるわけではないようです。昇格や昇給による給料アップはあっても、担任になることでさらなる給料アップは期待できません。
 
担任手当はありませんが、教員ならではの手当はあります。文部科学省によると、例えば「教職調整額」は残業手当のようなもので、校長・副校長・教頭を除く教員に対して原則として、給料月額の4%が支給されることになっています。
 
教員は一般の職員のように勤務を時間で管理することが難しく、特殊性があるためです。そのほかの手当には、以下のようなものがあります。


・教育業務連絡指導手当

いわゆる主任手当で、学年主任や教務主任などに日額200円支給される
 
・管理職員特別勤務手当
校長や教頭などに対して、休日などにやむを得ず勤務した場合に支給される手当で、例えば勤務1回につき校長は7000円~8500円支給される
 
・管理職手当
校長は給料の15~20%、副校長は15%、教頭は12.5%~15%、部主事は8%程度相当額が支給される

担任になることで手当はつきませんが、ほかの手当に該当する場合は、給料が上がる可能性があるといえるでしょう。
 

公立学校教員の職名や年齢に応じた年収目安

担任手当はないものの、公立学校の教員は職名や年齢に応じた年収アップが期待できます。文部科学省の「教師の処遇改善の在り方に関する関連資料」によると、令和5年度における公立学校教員の職名別・年齢別給与試算は表1の通りです。
 
表1

職名 年齢 月収 ボーナス(年額) 年収
教諭 22歳(初任給) 23万988円 102万8196円 380万52円
27歳 26万8608円 119万4336円 441万7632円
32歳 31万2772円 138万9024円 514万2288円
37歳 35万4436円 165万612円 590万3844円
42歳 38万8104円 180万6386円 646万3634円
主幹教諭 46歳 41万7924円 203万6548円 705万1636円
教頭 49歳 48万6600円 210万7215円 794万6415円
校長 54歳 51万5500円 229万1490円 847万7490円

出典:文部科学省「教師の処遇改善の在り方に関する関連資料」を基に筆者作成
 
要件を満たすと、表1に加えて扶養・地域・住居・通勤手当など各種手当が支給されます。すべての学校で同じ水準の給与がもらえるわけではありませんが、自身の年収と比較して職名や年齢にふさわしい待遇がなされているか確認するとよいでしょう。
 

教員の残業代アップや担任手当など処遇改善が話し合われている

教員のなり手不足が深刻化している昨今、文部科学省は人材確保につなげるために、教員の処遇改善を図っているようです。
 
例えば、残業代の代わりに給料月額の4%が一律支給されている教職調整額を、2026年から毎年1%ずつ引き上げて、2031年には10%へ増額する改正案が閣議決定されました。そうすることで、教員という高度専門職にふさわしい処遇が実現します。
 
また、文部科学省によれば、職務や勤務の状況に応じた処遇の実現として、義務教育等教員特別手当を校務類型に応じて支給するようです。
 
例えば、学級担任への加算が想定されていて、校務の困難性などを考慮して条例で支給額を定めるとされています。決定事項ではありませんが、学級担任は月額3000円、校長や教頭などの管理職は月額5000円~1万円増額するのではないかとの報道もありました。
 

担任のクラスを持ったとしても給料が上がるとは限らない! 今後の処遇改善に期待

中学校教師が担任のクラスを持つようになると、業務が増えて忙しくなると同時に給料も上がるのではと考える人もいるようです。
 
しかし、現状では担任手当のような特別な手当が支給されることはなく、給料が上がるとは限らないことが分かりました。ただし、職名や年齢に応じた年収アップを期待でき、該当すれば各種手当が付いて収入を上げることは可能です。
 
近年では教員のなり手不足が深刻化していて、処遇改善についての話し合いが行われています。
 
例えば、残業代の代わりに支給されている教職調整額を、現状の給料月額の4%から2026年より毎年1%引き上げて、2031年には10%に増額する改正案が閣議決定されています。
 
担任手当を含む義務教育等教員特別手当を、校務類型に応じて支給することも検討されていて、今後の処遇改善に期待できるかもしれません。
 

出典

文部科学省 教師の処遇改善の在り方に関する関連資料 公立学校の教員に支給される給料及び諸手当の内容(2)(9ページ)、公立学校教員の職名別・年齢別給与試算(令和5年度)(19ページ)
文部科学省 公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法等の一部を改正する法律案の概要
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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