「経営コンサル」の平均年収は「900万円」!正直羨ましいですが、倒産件数は「過去最多」と聞きました。どういった背景があるのでしょうか?

配信日: 2025.04.22 更新日: 2025.10.21
この記事は約 4 分で読めます。
「経営コンサル」の平均年収は「900万円」!正直羨ましいですが、倒産件数は「過去最多」と聞きました。どういった背景があるのでしょうか?
近年、経営コンサルタント業界では倒産件数が過去最多を更新する一方で、平均年収は約900万円と高水準を維持しているようです。一見相反するこの状況には、業界特有の収入事情や倒産増加の要因などさまざまな背景が影響していると考えられます。
 
そこで今回は、経営コンサル会社の倒産増加の理由と高収入の背景について解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

経営コンサル会社の倒産が過去最多になった背景

株式会社東京商工リサーチの調査によると、2024年の経営コンサル会社の倒産は過去最多を更新したことが分かりました。この増加の背景には次のような要因が考えられます。
 

・参入障壁の低さと競争激化
・顧客ニーズの高度化
・経営環境の変化への対応不足

 
コンサルタント業は個人でも始められるうえ、少ない資本で開業できるため、新規参入がしやすい傾向にあるようです。
 
一方で、企業が求めるコンサルティングサービスは、事業再生、デジタルトランスフォーメーション(DX)支援、企業の合併・買収(M&A)など高度な専門性が必要とされる分野にシフトしていると考えられます。これに対応できないコンサル会社は顧客を獲得しづらくなり、業績悪化に直面して倒産に陥るのだと考えられます。
 
また、倒産したコンサル会社の多くは従業員5名以下の小規模事業者とされています。資金力や経営基盤の弱い中小コンサル会社は、売り上げ不振にあえいでいるのかもしれません。
 

経営コンサルタントの年収が高い理由

経営コンサルタントは、企業の経営戦略や業務改善などを支援する専門家であり、その報酬は比較的高い水準にあるようです。
 
令和5年の賃金構造基本統計調査によると、経営コンサルタントを含む「その他の経営・金融・保険専門職業従事者」の年間の平均給与は、約947万6000円となっています。
 
国税庁の「令和5年分 民間給与実態統計調査」では日本の給与所得者の平均年収は460万円となっており、「その他の経営・金融・保険専門職業従事者」の年間平均給与はこの金額を487万6000円上回る計算です。
 
経営コンサルタントの年間給与が平均よりも高くなる理由には、次の3つが挙げられるようです。
 
・専門性の高さ
経営コンサルタントは、企業の課題解決や成長戦略の策定において高度な知識と経験を求められる傾向にあります。特に、専門性の高い分野では高額な報酬が設定されることがあるようです。
 
・案件単価の高さ
経営コンサルタントの扱う案件は、企業の経営課題という大きなテーマかつ難度が高い傾向にあります。高度なスキルが求められる分、報酬も高額になり、結果として年収も高額になると考えられているようです。
 
・利益率の高さ
経営コンサルティングはいわゆる無形商材の販売で在庫を持たないため、必要経費が少なく利益率の高いことが年収の高さにつながっている可能性があります。
 

経営コンサルタントとして必要なスキル

経営コンサルタントとして活躍するためには、次のようなスキルの習得が必要といわれているようです。
 

・論理的思考
・分析力
・問題解決能力
・マネジメントスキル
・人的ネットワークの構築力

 
クライアントとのコミュニケーション力やプレゼンテーション能力も、経営コンサルタントとして活躍するために必要なスキルだと考えられます。
 
また、市場価値を高めるために経営学修士(MBA)や公認会計士といった資格取得はもちろん、常に最新の情報をキャッチして、関連するスキルを学び続けるといった姿勢を持つことも重要となる可能性があります。
 

経営コンサルタントは新規参入しやすい傾向があるが、顧客ニーズの高度化などにより倒産する企業も多い

経営コンサルタントは高い専門性と高額な案件単価により、年間の平均給与が947万6000円と、平均よりも高い水準にあるとされています。しかし、参入障壁の低さから競争が激化し、顧客ニーズの高度化や経営環境の変化に対応できずに倒産する企業は過去最多となっているようです。
 
中でも、従業員数5人以下の小規模の企業は売り上げ不振にあえぎ厳しい状況にあるとされます。
 
今後、経営コンサルタントとして成功するためには、専門性の向上と市場の変化への柔軟な対応が重要になる可能性があるといえるでしょう。
 

出典

株式会社東京商工リサーチ 「経営のプロ」コンサルの倒産が過去最多 顧客ニーズの高度化と求められる専門性、淘汰が加速
e-Stat 政府統計の総合窓口 令和5年賃金構造基本統計調査
国税庁 令和5年分 民間給与実態統計調査
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

  • line
  • hatebu
【PR】 SP_LAND_02
FF_お金にまつわる悩み・疑問