初任給とは別に入社祝い金を「10万円」もらいました! 入社祝い金の分も社会保険料は引かれているのでしょうか?
そこで本記事では、入社祝い金と社会保険料について解説します。
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入社祝い金とは
入社祝い金とは、会社に入社した労働者が給与とは別に会社から支給されるお金のことです。名称は入社祝い金のほか、入社一時金や入社準備金などさまざまです。
入社祝い金について、法律による規定はありません。そのため、金額や支給のタイミング、そもそも支給されるかどうかは会社によって異なります。求人情報に入社祝い金の有無が記載されていることもあるため、受け取りたい方は確認しましょう。
入社祝い金は正社員だけでなく、アルバイトでの採用でも支給されることがありますが、正社員と比較すると金額は低くなることが多いようです。
求人サイトや転職エージェントなどによる金銭の提供は禁止
入社祝い金の提供が認められているのは、あくまで労働者を採用する会社のみです。2025年4月1日より求人サイトなどを運営する募集情報等提供事業者や、転職エージェントと呼ばれる職業紹介事業者が入社祝い金やそれに類する金銭を提供することは原則禁じられました。
求人サイトなどの運営者や転職エージェントによる入社祝い金の提供が禁止されている理由は、求職者が金銭を受け取ることを目的に、粗悪な人材紹介サービスを選択することを避けるためです。求職者を集客するためには金銭の提供ではなく、人材紹介サービスとしての質を向上させることが求められています。
社会保険料の算定に必要な標準報酬月額
社会保険とは相互扶助を理念とし、各保険の加入者が社会保険料を支払うことで病気や介護、失業などに備える保険制度の一つです。健康保険・厚生年金保険・介護保険・雇用保険・労災保険の5つを指して社会保険とすることが一般的ですが、健康保険・厚生年金保険・介護保険の3つで社会保険とすることもあります。
社会保険料の一部を算定するには、標準報酬月額を利用します。標準報酬月額とは、労働の対価として得た報酬額の平均を一定範囲で区分化し、等級で表したものです。等級が高くなるほど、社会保険料の金額も多くなります。
標準報酬月額を算出するための対象となる報酬には、いくつかの種類があります。以下に、その報酬の一例をまとめました。
・基本給
・残業手当
・通勤手当
・家族手当
・役職手当
・勤務地手当
・住宅手当
・年4回以上の賞与
上記はあくまで一例です。労働の対価と判断される報酬は、標準報酬月額を算出する際の対象となります。
入社祝い金における社会保険料の取り扱い
入社祝い金が標準報酬月額の対象になる場合は、入社祝い金の分も社会保険料が差し引かれるといえます。つまり、入社祝い金が労働に対する対価であるかどうかが争点になるといえるでしょう。
入社祝い金に対する定義は会社によって異なります。そのため、会社が労働の対価として入社祝い金を支給する場合は標準報酬月額の対象となり、入社祝い金の分も社会保険料が差し引かれます。対して、単純な贈与として支給される場合は労働の対価としてみなされず、その場合は入社祝い金の分は社会保険料が差し引かれません。
入社祝い金に対する社会保険料の取り扱いは、それぞれの会社や名目などによって異なります。就業規則で規定されている場合もあるため、気になる場合は一度確認してみましょう。就業規則に記載がなければ、経理などの担当者に聞いてみることもおすすめです。
社会保険料が引かれるかは会社次第
社会保険料は、標準報酬月額を利用して算定されます。標準報酬月額とは、労働者などが労働の対価として得た報酬の平均額を区分し、等級で表したものです。
標準報酬月額の対象となる、労働の対価としての報酬にはさまざまなものがあります。例えば、基本給や残業手当などであり、一般的に給与と呼ばれるものです。
入社祝い金の分も社会保険料が差し引かれるということは、会社が労働の対価として入社祝い金を支給している、つまりは入社祝い金が標準報酬月額の対象であるということになります。
ただし、入社祝い金における定義は会社によって異なります。会社が入社祝い金を単純な贈与として支給するのであれば、労働の対価にはならないため、入社祝い金の分は社会保険料が差し引かれません。
出典
厚生労働省 雇用仲介事業者(職業紹介事業者、募集情報等提供事業者)は新たなルールへの対応が必要です
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
