現在中学3年生で「パイロット」を目指していますが、「経済的に私立は厳しい」と親に言われました。なるべく費用をかけずにパイロットを目指す方法はありますか?
もし進学が難しいときは、ほかの方法でパイロットを目指す方法もあります。今回はパイロットになる条件や費用、専門の学校への進学が厳しいときに目指せる手段などについてご紹介します。
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目次
パイロットになるにはどうすればいい?
パイロット(操縦士)になるためには、国家資格の取得が必須です。国土交通省によると、パイロットの国家資格は業務内容に応じて大きく以下3種類に分類されます。
●自家用操縦士:無報酬で航空機を操縦する
●事業用操縦士:商業用として、報酬を受け取って航空機を操縦する
●定期運送用操縦士:機長として旅客機など2人の操縦士が必要な航空機を操縦する
また、実際に国家資格を受験する場合はさらに細分化された資格のなかから、必要なものを選ぶことになります。自家用操縦士は5種類、事業用操縦士が5種類、定期運送用操縦士は2種類の計12種類です。資格取得を目指す際は、どの操縦士資格を目指したいのかを調べて決めておくとよいでしょう。
パイロットになるための費用
パイロットの資格を取得するには、航空大学校やパイロット養成をしている大学・専門学校に入学する、航空会社で養成訓練を受ける、自衛隊の航空学生になるといった方法があります。
かかる費用はどの方法でパイロットを目指すかによって変わります。例えば、2025年度に入学した場合、航空大学校でかかる学費の目安は以下の通りです。
●入学料:28万2000円
●授業料
宮崎学科課程:100万1000円
帯広フライト課程:120万2000円
宮崎フライト課程:120万2000円
仙台フライト課程:140万3000円
●寄宿料
月額1500円、全課程(24ヶ月分)3万6000円
●合計:512万6000円
航空大学校では寮生活のため、このほかに寮での食事代や生活費などの実費もかかります。ほかにも、制服代や国家試験受験費用、身体検査受診費用なども必要になります。
一方で、ある私立大学の航空操縦学専攻へ入学した場合、入学金は20万円かかります。さらに、入学金以外の4年間の授業料や諸会費は表1のようになります。
表1
| 授業料 | 諸会費 | 合計 | |
|---|---|---|---|
| 1年生 | 165万5000円 | 5万9200円 | 171万4200円 |
| 2年生 | 4万1000円 | 169万6000円 | |
| 3年生 | |||
| 4年生 |
※筆者作成
入学料と各学年の学費をすべて合計すると700万2200円です。航空大学校、私立大学のどちらも短期間で高額な費用が必要となるため、家庭の家計状況によっては出費が厳しいケースもあるでしょう。
パイロットを養成する学校に進学することが厳しいときはどうすればよい?
航空大学校やパイロット養成の専門課程のある大学、専門学校への進学が厳しいときは、航空会社の自社養成パイロットを目指す方法も検討してみましょう。
自社養成パイロットは、正社員として雇用されたうえで訓練を受けられるため、学校のような多額の費用がかかりません。
ただし、適性検査や英語力の試験、身体検査などに合格した場合のみに採用される職種でもあります。また、主に大学を卒業していることが条件の一つとされているため、自社養成パイロットを目指すならまずはどこの大学に進学するかも考えた方がよいでしょう。
なお、航空自衛隊から一般企業のパイロットへと転職するケースもあるようです。
進学費用がなければ自社養成パイロットを目指して就職する方法もある
パイロットになるためには、業務内容に応じた国家資格の取得が必要です。国家資格を得るためには、航空大学校やパイロット養成を行っている学科のある大学や専門学校に入学するなどの方法があります。
しかし、学校で学ぶには多額の費用がかかるでしょう。もし経済的な事情で専門知識を学べる学校への進学が厳しいときは、大学を卒業してから航空会社の自社養成パイロットを目指すのも選択肢の一つです。
適性試験や英会話力の試験など、さまざまな試験があるので、自社養成パイロットになりたいなら早いうちから対策をした方がよいでしょう。
出典
独立行政法人航空大学校 入学志望の方へ 令和7年度航空大学校学生募集要項
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
