高校生の娘が看護系の「大学」に行きたいそうです。「専門学校」に通う場合との違いはありますか?
将来、看護師として働くことを希望する場合は大学に進む道と専門学校に進む道がありますが、どのような違いがあるのか、よく分からないという人もいるかもしれません。
本記事では、大学卒と専門学校卒の看護師の平均月収の差や専門学校に通うメリットなどを詳しくご紹介します。
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「大学卒」と「専門学校卒」の看護師は平均月収が異なる可能性がある
厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、一般労働者の学歴別賃金の平均は、専門学校卒が30万200円、大学卒が36万9400円で、大学卒の方が7万円近く高くなっています。
また、日本看護協会の「2023年病院看護実態調査」には新卒看護師の初任給について図表1のように記載されています。
図表1
| 学歴 | 平均基本給与額 | 平均税込給与総額 |
|---|---|---|
| 高校卒+3年課程新卒 | 20万4950円 | 26万6558円 |
| 大学卒 | 21万963円 | 27万4752円 |
日本看護協会「2023年病院看護実態調査」を基に筆者作成
看護師になるためには看護大学に4年間通うか、看護短期大学や看護師養成所に3年間通い、看護師国家資格に合格する必要があります。表1の「高卒+3年課程」とは看護短期大学や看護師養成所のことです。
ここに専門学校卒が含まれるとして、大学卒との平均税込給与総額に8000円程度の差があることが分かります。それほど大きな差ではないと感じるかもしれませんが、単純に12ヶ月を掛けて計算すると、年間で10万円弱、大学卒の看護師の方が年収が高くなります。
仮に、年間10万円の差があるまま40年間働いたとすると、累計で約400万円の違いが生まれる可能性があります。
看護系の大学と専門学校それぞれのメリット・デメリット
今回の事例では「娘が看護系の大学に行きたがっているが、専門学校と何が違うのか?」ということなので、就職後の給与以外にどのような違いがあるのかまとめてみました。それぞれのメリットとデメリットを確認しておきましょう。
大学のメリット・デメリット
看護系の大学は基本的に4年制です。専門学校の場合は3年制が一般的なので、大学に通った方が1年長く学べます。幅広い分野の勉強ができるため、就職先の選択肢が広がる可能性があります。
ただし、私立の大学だと専門学校に比べて学費が高い傾向にあります。また、一人暮らしをする場合は専門学校に比べて生活費が1年分多く、経済的な負担が大きくなるケースもあるでしょう。さらに、入学試験の難易度が高いため、入試までの準備が大変になるかもしれません。
専門学校のメリット・デメリット
一方、看護系の専門学校は、早く現場に出て働きたい人にはメリットが大きいでしょう。大学に通う場合よりも1年早く国家試験を受けられるため、看護師以外の道を考えていない人にとってはよいかもしれません。カリキュラムにも看護実習が多く含まれている場合があり、スキルの習得に集中しやすいでしょう。
ただし、大学に比べて授業が過密になりやすいため、プライベートの時間を確保しにくくなる可能性はあります。「アルバイトや趣味の時間も楽しみたい」という人には向いていないかもしれません。
就職後の平均月収を始め、通う年数やカリキュラムなどに違いがある
看護師になるためには高校卒業後、看護系の大学や専門学校などに通う必要があります。大学よりも専門学校の方が学費が安い傾向があるため、親としては専門学校への進学を希望されることもあるかもしれません。
しかし、大学卒の看護師の方が就職後に得られる給与が高い可能性がある以外にも、大学で学ぶメリットにはさまざまなものがあるようです。
もちろん専門学校ならではのメリットもあるため、両方をよく比較したうえで子どもと話し合ってみるとよいでしょう。
出典
厚生労働省 令和5年賃金構造基本統計調査 結果の概況
日本看護協会 2023年病院看護実態調査
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
