新卒で初任給「32万円」の息子。45歳の私と「月給」がそれほど変わらないのですが、最近は30万円近いのが“当たり前”なのでしょうか? 初任給引き上げの実態とは

配信日: 2025.04.27 更新日: 2025.10.21
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新卒で初任給「32万円」の息子。45歳の私と「月給」がそれほど変わらないのですが、最近は30万円近いのが“当たり前”なのでしょうか? 初任給引き上げの実態とは
日本では3月に大学を卒業し、4月に入社する「新卒一括採用」が今も色濃く残っています。最近は初任給引き上げのニュースが数多く流れており、中には月給30万円を超える初任給を支払う企業もあります。
 
そのため、最近の新入社員はそのくらいの給与が当たり前なの? と疑問に思う人もいるでしょう。
 
本記事では、初任給引き上げの背景や実態などについて解説します。
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初任給引き上げの背景と実例

近年、多くの企業が初任給の引き上げを行っています。その主な要因として、急激な物価上昇や若年労働力人口の減少に伴う新卒採用競争の激化が挙げられます。
 
これらの背景から、優秀な人材を確保するために、初任給の引き上げに踏み切る企業は少なくありません。
 
具体的な高初任給の事例としては、ユニクロを展開するファーストリテイリングは33万円、大手保険会社の東京海上日動は約28万円~41万円、ゲームメーカーのバンダイは30万5000円などとなっています。
 
また、帝国データバンクが2025年2月に企業へ行ったアンケートによると、2025年4月入社の新卒社員に支給する初任給を前年度から引き上げる企業の割合は7割以上であり、引き上げ額の平均は9114円です。
 

実際の平均初任給と32万円の位置づけ

世の中の動きとして、初任給は上昇傾向にあるといえますが、全体の平均初任給を見ると、32万円という金額はどれくらいの水準なのでしょうか?
 
産労総合研究所が2024年に行った調査によれば、大学卒の初任給(一律)は平均で22万5457円、大学院卒(博士)でも平均25万2089円です。
 
このデータから、32万円という初任給は、特定の業界や企業ではあり得るものの、世間一般的な初任給の水準を大きく上回っていると言えるでしょう。
 

給与以外の福利厚生や働き方の重要性

初任給や月給が高いことは魅力的ですが、働くうえでは給与以外の福利厚生や働き方も重要な要素です。
 
例えば、住宅手当や家族手当、健康保険、退職金制研修制度などが充実している企業では、長期的なキャリア形成や生活の安定が期待できます。また中小企業では、大手企業と比較して初任給が低めに設定されることが多いですが、そのぶんアットホームな職場環境や柔軟な働き方、手厚い福利厚生などで社員の満足度を高めているケースも少なくありません。
 
1日の大半を会社で過ごしますので、給料以外の働きやすさや風土といった面も会社を選ぶ際には重要な要素と言えるでしょう。
 

まとめ

企業間の人材獲得競争や物価上昇などの背景から、世の中では初任給引き上げの動きがあり、ニュースでも30万円を超える企業が紹介されています。とはいえ、本記事のような初任給32万円は、現在の平均初任給と比較しても非常に高い水準にあります。
 
そのため、たとえ息子の初任給が32万円で自分と大差がなかったとしても、「初任給30万円が当たり前」というわけではありません。
 
また給与だけでなく、福利厚生や職場環境といった要素も総合的に考慮することが、長期的なキャリア形成には重要です。新卒の息子より自分の給与が低かった場合でも、総合的な視点でキャリアを俯瞰してみましょう。
 

出典

帝国データバンク 初任給に関する企業の動向アンケート(2025年度)
産労総合研究所 2024年度 決定初任給調査
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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