「中小企業社員の平均年収」は? ボーナスなし・昇給ほぼゼロの私は将来大丈夫でしょうか?

配信日: 2025.04.28 更新日: 2025.10.21
この記事は約 4 分で読めます。
「中小企業社員の平均年収」は? ボーナスなし・昇給ほぼゼロの私は将来大丈夫でしょうか?
「うちの会社、ボーナスないし昇給もないんだけど……」と不安を感じている方も多いかもしれません。特に中小企業に勤めていると、収入の伸びが期待しにくく、将来に対する漠然とした不安がつきまとうものです。
 
本記事で、中小企業に勤める人の平均年収やボーナス・昇給の実態、そして将来に向けてできる対策について考えてみましょう。
FINANCIAL FIELD編集部

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

中小企業の平均年収はどれくらい?

厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査」によれば、企業規模別で令和5年6月の平均賃金は、従業員10~99人の小企業は29万4000円、100~999人の中企業では31万1400円です。これに対して、1000人以上の大企業は34万6000円とされており、大企業と小企業では5万円近い開きがあることが分かります。
 
また、年収は業種や地域によっても大きく異なります。都市部や専門職が多い業界では中小企業でも比較的年収が高くなる傾向がありますが、地方や人件費を抑える傾向のある業種では年収300万円を下回るケースも珍しくありません。
 

ボーナスがない企業も少なくない

中小企業では、ボーナスが支給されないケースも多く見られます。
 
株式会社フリーウェイジャパン(東京都新宿区)が実施した「冬のボーナスに関するアンケート」(調査期間:2024年9月17~24日、調査対象:中小企業・零細企業の従業員・代表取締役、個人事業主223人)の調査結果によると、「冬の賞与の支給予定なし」が30.3%、「ボーナス制度がない」が28.9%、「未定」が6.6%と合計で5割を超えているという結果もあります。
 
また、支給されたとしても、金額にはばらつきがあります。フリーウェイジャパンの同調査によると、賞与支給額の平均額は51万2000円でした。最も多い層は、「10万円~20万円未満」の23.1%で、続いて「30万円~40万円未満」の15.4%、「50万円~60万円未満」の12.8%という結果で、必ずしも安定した収入源とはいえないのが現実でしょう。
 
ボーナスの金額や支給時期が年によって変動する企業も多く、「いくら出るか分からない」という不確実性がつきものです。こうした不安定さは、住宅ローンや教育費など長期的な支出計画を立てるうえで、大きな悩みの種になりやすいといえるでしょう。
 

昇給額も少ないという現実

昇給についても、期待が持ちにくいのが中小企業の課題でしょう。
 
一般社団法人日本経済団体連合会の「2024年春季労使交渉・中小企業業種別妥結結果(加重平均)」によると、企業規模別の妥協額は、100人未満が9188円(前年アップ率3.59%)、100~300人未満が9778円(同3.67%)、300~500人未満が1万1974円(同4.43%)でした。
 
大企業と小企業では2000円もの差があり、前年アップ率も大きく違うことが分かります。
 
また、株式会社東京商工リサーチの「2025年2月『賃上げ』に関するアンケート調査」によると、2025年度に賃上げを予定する企業は85.2%という結果でした。逆にいうと、賃上げを行わない企業が14.8%あるということになりますが、同社でアンケート開始をしてから最高を更新する見込みとのことです。
 
ただし、5%以上の賃上げを計画している中小企業は全体の36.4%にのぼる一方で、6%以上の賃上げを予定している中小企業は9.1%にとどまっており、大手企業と比較するとやはり差があるのが現状です。
 
「昇給=成果に応じてごくわずか」となっている会社では、将来的な収入の伸びを期待することは難しいかもしれません。
 

「将来は大丈夫なのか?」と不安な人は準備を始めよう

このような状況を踏まえると、「自分の将来は本当に大丈夫だろうか」と不安に思うのは当然です。しかし、現実を知ったうえで、少しずつ準備を始めることが不安を和らげる第一歩になります。
 
1. 資格取得やスキルアップに自己投資をする
今の会社で昇給が望めないのであれば、自分の市場価値を高めることが重要です。仕事に直結する資格取得やスキルアップを意識すれば、社内評価の向上や将来の転職にも有利に働きます。
 
2. 副業や資産形成を始める
本業の収入だけに頼らない生き方も、現実的になっています。例えば副業で月に数万円でも稼げるようになれば、貯蓄や投資に回す余裕が生まれます。また、NISAやiDeCoなど、税制優遇のある制度の活用は、長期資産形成の有効な手段です。
 
3. 転職を視野に入れる
今の会社に将来性が感じられない場合、思い切って転職を検討するのも一つの手です。特に人材不足の業界では経験者が高く評価される傾向にあります。転職することで、年収アップを狙える可能性もありますし、自分に合った働き方を見つけるチャンスにもなります。
 

まとめ

中小企業の平均年収は大企業と比較して低く、ボーナスや昇給がない、あるいは極めて少額というケースも少なくありません。こうした状況に不安を感じるのは当然ですが、将来を悲観するのではなく、現状をしっかり把握し、できることから備えていくことが大切です。
 
スキルアップや副業、転職など、自分に合った方法で収入を増やす道は複数あります。大切なのは、「動けるうちに動く」ことです。将来を少しでも安心して迎えるために、今できることから始めてみましょう。
 

出典

厚生労働省 令和5年賃金構造基本統計調査の概況
株式会社フリーウェイジャパン 冬のボーナスに関するアンケート(マイナビニュース)
一般社団法人日本経済団体連合会 2024年春季労使交渉・中小企業業種別妥結結果(加重平均)
株式会社東京商工リサーチ 2025年2月「賃上げ」に関するアンケート調査
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

  • line
  • hatebu
【PR】 SP_LAND_02
FF_お金にまつわる悩み・疑問