「社外取締役」をしているという知人。どの程度の報酬額なのでしょうか?
上場企業では原則として社外取締役を設置することが義務づけられていますが、報酬はいくらぐらいなのか、気になる人もいるでしょう。
本記事では、社外取締役の報酬額をご紹介するとともに、役割や設置している企業の割合についても詳しくまとめています。
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社外取締役の報酬額
一般財団法人労務行政研究所の「2023年役員報酬・賞与等の最新実態」によると、社外取締役の平均報酬月額は63万円、年間賞与は6万円であり、合計すると年間報酬は762万円ということです。企業規模別に見ると図表1のようになっています。
図表1
| 企業規模区分 | 平均年齢 | 報酬月額 | 年間賞与 | 年間報酬 |
|---|---|---|---|---|
| 規模計 | 64.1歳 | 63万円 | 6万円 | 762万円 |
| 1000人以上 | 65.1歳 | 79万円 | 3万円 | 951万円 |
| 300~999人 | 64.5歳 | 56万円 | 6万円 | 678万円 |
| 300人未満 | 62.0歳 | 41万円 | 12万円 | 504万円 |
一般財団法人労務行政研究所「2023年役員報酬・賞与等の最新実態」を基に筆者作成
なお、上記の集計からは除外されていますが、元の勤め先から役員などとして報酬を受けながら他社の社外取締役を務めている場合については、無報酬で社外取締役となるケースもあるようです。
社外取締役の仕事内容
企業内部から選任される社内取締役と違い、社外取締役は企業外部の人がその役割を担うことになるため、中立的な視点から企業の経営判断が可能であると考えられます。このような立場を生かして、企業の経営判断において客観的に助言をしたり、経営の管理をおこなったりします。
取締役会にも定期的に参加して経営の方向性を確認するとともに、リスクを指摘するのも重要な役割の1つです。企業内部にいると見えにくい問題点にも、社外取締役だからこそ気づけるでしょう。企業の経営判断に客観的な視点が加わることは、企業の成長を促す大きなメリットになります。
また、社外にネットワークを持っていることも多いため、新たなビジネスチャンスを生み出す手助けになる可能性もあります。
社外取締役を設置している企業の割合
会社法第三百二十七条の二には「監査役会設置会社(公開会社であり、かつ、大会社であるものに限る。)であって金融商品取引法第二十四条第一項の規定によりその発行する株式について有価証券報告書を内閣総理大臣に提出しなければならないものは、社外取締役を置かなければならない」と記載されています。
一般財団法人労務行政研究所の「2023年役員報酬・賞与等の最新実態」によると、社外取締役の設置状況は図表2の通りです。
図表2
| 企業規模区分 | 設置している | 設置していない |
|---|---|---|
| 規模計 | 97.7% | 2.3% |
| 1000人以上 | 96.2% | 3.8% |
| 300~999人 | 97.0% | 3.0% |
| 300人未満 | 100% | 0% |
一般財団法人労務行政研究所「2023年役員報酬・賞与等の最新実態」を基に筆者作成
また、設置している社外取締役の人数は「企業規模計」で「3人」が31.5%と最も多く、次いで「4人」の23.1%、「2人」の20.8%となっています。
社外取締役の平均年間報酬額は762万円
社外取締役とは、企業外部の人が担う取締役のことです。
今回の事例では「社外取締役をしている知人の報酬額を知りたい」ということですが、社外取締役の平均年間報酬額は762万円となっています。ただし、状況によっては無報酬の場合もあるようです。
社外取締役を設置することは、中立的な視点から企業の経営状況を判断でき、企業の成長につながりやすいというメリットがあります。これからの時代に、より一層の活躍が期待されるでしょう。
出典
一般財団法人労務行政研究所 2023年役員報酬・賞与等の最新実態
デジタル庁e-Gov 法令検索 会社法(平成十七年法律第八十六号)(社外取締役の設置義務)第三百二十七条の二
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
