新卒入社から2度目の春、1年目より「手取り」が減ってしまいました…。「入社2年目」になったのになぜでしょうか?

配信日: 2025.04.30 更新日: 2025.10.21
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新卒入社から2度目の春、1年目より「手取り」が減ってしまいました…。「入社2年目」になったのになぜでしょうか?
新卒で入社して1年。入社時と比べれば業務にもある程度習熟し、場合によっては先輩社員にもなりうるタイミングで「手取りが減っている」ことに気付くのは気持ちのよいものではありません。なぜこのようなことが起こるのでしょうか。
 
本記事では入社2年目に手取りが減ってしまう理由と、その対策についても解説します。
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一般的に入社2年目から「住民税」が徴収されるため手取りが減る可能性がある

入社2年目の手取りが1年目と比べて減ってしまう大きな要因は、新たに「住民税」の課税対象となる点が考えられます。住民税は前年度の所得から算出され、6月から翌年5月までの1年間、毎月の給料から「特別徴収」という形で天引きされます。
 
新卒入社1年目の時点では前年度の収入がない、もしくはアルバイトなどで収入があったとしても、住民税非課税の範囲に収まっているケースが多いと思われます。そのため2年目に特別徴収が開始されると、徴収されていなかった前年に比べ「手取りが減った」と感じることになるのです。
 

住民税の税額はどうやって決まる?

住民税には「均等割」「所得割」の2種類がありますが、所得によって差が出てくるのは「所得割」です。住民税(所得割)は「課税所得金額×税率」で計算されます。このうち、税率は現状「道府県民税4%+市町村民税6%(政令指定都市は道府県民税2%、市民税8%)」の10%です。
 
総務省によれば、住民税の税額は、以下のように計算されます。
 

(1)所得金額から、所得控除額を差し引き、課税所得金額を求める
(2)課税所得金額に所得割の税率10%をかけたあと、税額控除額を差し引き、所得割額を求める
(3)所得割額と均等割額を足したものが住民税の税額

 

入社3年目はさらに「住民税」が高くなる可能性がある

ここまで住民税の計算式を解説してきましたが、もしかすると「3年目はさらに減ってしまうのでは」とお気付きの方もいらっしゃるかもしれません。実際その可能性は高く、なぜならば新卒の場合、入社2年目よりも3年目のほうが「課税対象期間が長い」ケースが多いためです。
 
例えば新卒で4月入社の場合、入社2年目においては「4月~12月」の9ヶ月分の収入が住民税の課税対象となります。対して3年目以降においては「1月~12月」の12ヶ月、丸1年間分が対象となるため、3ヶ月分課税期間が増えたことでさらに住民税が高くなる可能性が高いのです。
 
こうした手取りの減少への対策としては各種控除を活用することで、対象となる課税金額や税額を減らし、ある程度カバーすることが考えられます。
 
iDeCoなど確定拠出年金への積み立てや、任意の自治体に寄附することで返礼品などのメリットがある「ふるさと納税」を活用する、などがその一例です。
 
ふるさと納税は控除の種類としては「寄附金控除」に分類され、自己負担分を除く全額が控除されるふるさと納税額の上限が定められています。所得状況や世帯構成に応じて上限額は異なりますが、試算が可能なWebサイトも存在しているため、参考にしてみるのもよいでしょう。
 

まとめ

新卒入社の場合、住民税の存在により1年目よりも2年目、さらには2年目よりも3年目の手取りが少なくなってしまうことは珍しくありません。税制の仕組みに起因するため取れる対策は限られてしまいますが、控除額を増やすことで次年度の負担が軽減可能なケースもあるので、所得金額に応じて活用するのも一考です。
 

出典

総務省 地方税制度 個人住民税
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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