「獣医師」になるのは「医師」免許と同等に難関?必要なプロセスと年収を比較

配信日: 2025.05.12 更新日: 2025.10.21
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「獣医師」になるのは「医師」免許と同等に難関?必要なプロセスと年収を比較
動物が好きな人の中には、獣医師を目指している人もいるでしょう。獣医師は名称の通り「医師」のカテゴリーに入る職種です。獣医師として働くには、専門的なスキルや知識が求められます。
 
しかし、獣医師は人間の治療にあたる医師とは異なるものであり、それぞれの資格を得るためのプロセスや年収などには違いがあります。
 
本記事では、獣医師と医師になるハードルの違いや、獣医師の資格を得るためのプロセス、そして獣医師の年収の現状に迫ります。
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獣医師と医師になるのは同等に難関?

獣医師になるにも医師になるにも、国家試験に合格する必要があります。獣医師の場合は「獣医師国家試験」、医師の場合は「医師国家試験」を通過しなければなりません。
 
農林水産省と厚生労働省のデータを基に、直近の国家試験合格率を表1にまとめました。
 
表1

獣医師国家試験 医師国家試験
合格率 71.9% 92.3%

※筆者作成
 
医師国家試験よりも難易度が高いのか、獣医師国家試験の方が合格率は低いようです。この結果のみを見ると、獣医師になる方がハードルが高いように思えるかもしれません。
 
しかし表1の数値はあくまで国家試験の合格率のみに注目したものです。獣医師もしくは医師になるプロセス全体を比較したものではありません。
 
後述するように、獣医師になるには獣医学科を提供する大学に入学しなければならず、医師の場合は医科大学や大学の医学部などで学ぶ必要があります。どちらの学部に入る方が難しいかは一概にはいえませんが、一般的には医学部に入る方が偏差値が高い傾向にあるといわれます。
 
仮にそうであれば、医学部への入学自体がより難しくなるため、国家試験の合格率が高いからといって、獣医師になるより簡単とはいえないでしょう。
 

獣医師になるプロセス

厚生労働省の「job tag」によれば、獣医師になるには、まず獣医学科を設けている大学に入学する必要があります。大学では6年間の専門教育を受けます。その後、農林水産省が実施する「獣医師国家試験」に合格し、免許を申請する流れです。
 
獣医師免許を取得後に獣医師名簿に登録されれば、晴れて獣医師として活動を開始できます。
 
獣医師として活動する場は動物病院だけとは限りません。ほかにも以下のような活躍の場があります。

●家畜保健衛生所
●畜産試験場
●製薬会社
●動物園
●水族館
●動物検疫所
●食肉衛生検査所

 

獣医師の年収はいくら?

厚生労働省の「賃金構造基本統計調査(令和6年)」によると、10人以上の企業規模である団体で働く獣医師の給与事情は以下の通りです。

●きまって支給する現金給与額:71万3000円
●年間賞与その他特別給与額:29万1800円

合計するとおおむね900万円となります。ただし、この統計は平均年齢が46.7歳、平均勤続年数12.2年の獣医師のデータを基にしています。実際の年収は、年齢や経験年数、就職場所などによって変わってくるでしょう。
 
また性別による違いもあるといわれています。一般的には男性獣医師の方が女性獣医師よりも年収が高い傾向にあるようです。
 
獣医師として年収をアップさせるには、以下のような対応が取れるかもしれません。

●専門知識やスキルの向上を図る
●大規模な動物病院へ移転する
●都市部の病院や企業へ転職する

 

獣医師と医師になる難易度はどちらも高いと考えられる

獣医師と医師になる難易度は、どちらも高いといえます。いずれの場合でも6年間の学習期間を経て国家試験に合格する必要があります。
 
どちらがより難易度が高いかは一概にはいえません。受験の偏差値で考えれば、医学部の方が獣医学部よりも高いとされることがありますが、どの大学で受験するかによって差があります。
 
偏差値が高い獣医学部での受験と、偏差値が低い医学部での受験では、どちらが難関か単純な比較はしづらいといえるでしょう。
 

出典

農林水産省 第76回獣医師国家試験(令和6年度)の結果について
厚生労働省 第119回医師国家試験の合格発表について
厚生労働省 職業情報提供サイト job tag 獣医師
e-Stat政府統計の総合窓口 厚生労働省 令和6年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種表番号1 職種(小分類)別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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