初任給で「30万円」は勝ち組? 初任給30万円以上の「企業」の「割合」はどのくらい?

配信日: 2025.05.11 更新日: 2025.10.21
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初任給で「30万円」は勝ち組? 初任給30万円以上の「企業」の「割合」はどのくらい?
就職先を選ぶ際に重要視するポイントの1つに「初任給」があります。初任給は、仕事に対するモチベーションにも影響するものと感じる人もいるでしょう。
 
近年は初任給の引き上げを検討する企業が増えてきているようで「初任給30万円以上」という企業も珍しくありません。
 
本記事では、現在の初任給の平均を確認するとともに「初任給30万円以上」としている企業の割合や、初任給が上昇している背景に何があるのかも詳しくご紹介します。
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初任給の平均はどのくらい?

厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、新規学卒者の学歴別賃金は表1の通りです。
 
表1

男女計
高校 18万6800円 18万9000円 18万3200円
専門学校 21万4500円 21万800円 21万7000円
高専・短大 21万4600円 22万2800円 21万1700円
大学 23万7300円 24万300円 23万4300円
大学院 27万6000円 28万3200円 26万800円

※厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」を基に筆者作成
 
上記の調査は2023年6月に実施されたもので、この年の初任給は大学卒業の方で23万7300円、大学院卒業の方で27万6000円でした。
 

「初任給30万円以上」の企業の割合はどのくらい増えている?

株式会社帝国データバンクが2025年2月に企業に対して実施した「新卒社員の初任給」に関するアンケート調査によると、2025年4月に入社した新入社員へ支給する初任給を「引き上げる」と回答した企業の割合は、全体の71%を占めていたことが分かりました。
 
初任給の金額については、以下のような結果が出ています。
 

・「20万円未満」:24.8%(前年より10.4ポイント減少)
・「20万~25万円未満」:62.1%(前年より 4.7ポイント増加)
・「25万~30万円未満」:11.4%(前年より 4.2ポイント増加)
・「30万円以上」: 1.7%(前年より 1.5ポイント増加)

 
2025年4月の入社時点では「初任給30万円以上」としている企業の割合は全体の1.7%で、前年の0.2%から1.5ポイントも急増しています。しかも、2026年4月入社の新入社員に対して30万円以上の初任給を支給することを計画している企業が次々と発表されているようです。今後、このような企業がますます増加する可能性があります。
 

初任給が上昇している背景

同調査によると、企業が初任給を引き上げる理由として、以下のようなものが挙げられています。
 

・物価上昇により必要性を感じたため
・最低賃金が上昇しているため
・人材確保のため

 
特に、少子化の影響のために人材不足が問題視されている今、競争激化により新卒採用に苦戦する企業が増えているようです。さらに、より報酬の高い海外企業への就職を選択肢に入れる学生も増えるなど、優秀な人材を確保することが難しくなってきていると考えられます。
 
そこで、初任給を引き上げて人材を確保したいと考える企業が増えていると考えられるでしょう。
 

「初任給30万円」は平均より高いが、初任給を引き上げる企業は増加傾向にある

2023年4月入社の新入社員に支払われた初任給の平均は、大学卒で23万7300円、大学院卒で27万6000円でした。「初任給30万円」は平均を上回るようです。
 
2025年2月に実施されたアンケート調査では、初任給の引き上げを検討している企業は全体の7割以上を占めており「30万円以上」を予定している企業の割合は前年の0.2%から1.7%に急増しました。
 
さらに「2026年4月入社の新入社員に対する初任給を30万円以上に引き上げる」と計画している企業も続々と出てきていることから、今後さらに増えていくことが考えられるでしょう。
 

出典

厚生労働省 令和5年賃金構造基本統計調査
株式会社帝国データバンク 新卒社員の初任給に関するアンケート調査(PR TIMES)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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