10年間勤続していても「昇給ゼロ」はあり得る? 「勤続年数」と「昇給」の関係性とは
そこでこの記事では、勤続年数と昇給の関係性や昇給がない場合の法的な扱い、収入を増やすための具体的な方法について解説します。今の会社でこのまま働き続けてよいのか悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
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「勤続年数」と「昇給」の関係性
独立行政法人労働政策研究・研修機構によると、勤続年数が長くなるほど、多くの方が昇給する傾向にあることが分かりました。入社したてのころの給料を100とすると、10年~14年後には128.4になります。さらに、勤続年数が30年以上になると、181.3 まで上がります。
このことから、勤続年数が長くなるほど給料は上がる可能性があるといえるでしょう。
長く勤めていても昇給しないことはあり得る?
結論からいうと、勤続年数に合わせて昇給しないのは、違法ではないようです。ただし、労働基準法の第15条によると「使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない」とされています。
また、労働基準法施行規則の第5条の3では「労働者に昇給に関する事項を伝える必要がある」とあります。
さらに、労働基準法の第89条では「常時十人以上の労働者を使用する使用者は、次に掲げる事項について就業規則を作成し、行政官庁に届け出なければならない。」と定められています。
そのため、就業規則などに「昇給なし」と記載があれば問題ないと考えられます。ですが、そもそも昇給に関する記載がされていなければ、違法となる可能性があるでしょう。
「昇給ゼロ」から収入を増やす方法
ここからは、昇給しないまま収入を増やす方法をご紹介します。
副業をする
勤務先が副業を容認している場合は、本業に影響が出ない範囲で副業を始めてみるのもよいでしょう。副業を始めると、今の収入にその分プラスされるため、生活に余裕ができる可能性もあります。
副業内容を選ぶ際は、収入を増やす以外にもスキルアップできるかで決めるとよいかもしれません。また、興味がある分野から始めてみるのもよいでしょう。ただし、副業を始めるとプライベートの時間が削られる場合があるため、ストレスを抱えてしまうおそれもあります。
手当を増やす
昇給が見込めない場合、スキルアップでつく資格手当や皆勤手当などを活用するのもよいでしょう。努力することで支給される収入は、積極的に狙っていくと評価も上がる可能性があります。スキルアップして手当を増やすのも、収入を増やす1つの方法だと考えられます。
なお、手当は勤務先によって異なるため、確認してみてください。
転職も検討する
昇給や手当による収入アップが見込めない場合は、思い切って転職するのも1つの方法です。転職先を決める際は、昇給や手当など福利厚生を確認しておくと、収入アップにつながる可能性があるでしょう。
勤続年数による昇給を狙うなら早めに転職して、長く働けるようにするのもよいでしょう。
10年間勤続して「昇給ゼロ」でも違法にはならない
10年間1つの会社で働いて昇給しなくても、必ずしも違法にはならないようです。ただし、就業規則などに昇給に関する記載がされていなければ、違法となる可能性があります。
会社での昇給が見込めない場合は、副業をしたり手当を増やしたりすると収入アップにつながる可能性があります。また、思い切って転職するのも1つの方法です。転職先を決める際は、昇給や手当など福利厚生を確認しておくと、収入アップにつながる可能性があるでしょう。
出典
独立行政法人労働政策研究・研修機構 早わかり グラフでみる長期労働統計 IV 賃金 図5 賃金カーブ
厚生労働省 労働基準法
厚生労働省 労働基準法施行規則
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
