昇進で年収が「400万円」から「500万円」になります。手取り額がさらに増える可能性のある「控除」ってありますか?

配信日: 2025.05.13 更新日: 2025.10.21
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昇進で年収が「400万円」から「500万円」になります。手取り額がさらに増える可能性のある「控除」ってありますか?
昇進や昇給により年収が増える方もいるでしょう。しかし、額面の年収が増えたからといって、手取り額も同じ額が増えるわけではありません。手取り額の求め方を知っておけば、手取り額がいくらくらい増えるかの目安を計算できるようになります。
 
今回は、手取り額の求め方や年収400万円と500万円の手取り額の差、手取り額が増える可能性のある控除の例などについてご紹介します。
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手取り額の求め方

手取り額は、基本的に額面の給料から社会保険料、所得税、住民税を引いた金額です。会社に勤務している方の場合、社会保険料は厚生年金保険料、健康保険料、雇用保険料で構成されています。また、40歳以上の場合は介護保険料も徴収されます。
 
所得税や住民税を求める際には、額面から給与所得控除や社会保険料控除、基礎控除を引いてから計算しましょう。これらを踏まえると、会社員の年収の手取り額の求め方は以下の手順です。

(1)収入を基に年間の社会保険料額を求める
(2)収入から給与所得控除を引き、給与所得を求める
(3)各税金の所得控除を給与所得から差し引く
(4)(3)の金額を基に所得税と住民税を計算する
(5)額面から社会保険料、所得税、住民税を差し引く

なお、これらは基本的な計算方法です。ほかに控除があったり条件が異なったりすると、手順が変わる可能性もあります。また、所得税は累進課税方式を採用しているため所得に応じて税率が変わりますが、住民税は一律です。住民税は自治体によって税率が変わるケースがあるので、自身の自治体のホームページで確認するとよいでしょう。
 

年収400万円と500万円の手取り額の差

今回は、以下の条件で年収が400万円と500万円のときの手取り額の差を比較しましょう。

●東京都江東区在住の単身世帯40代
●全国健康保険協会に加入
●年収を12ヶ月で割った金額が報酬月額
●賞与は考慮しない
●控除は社会保険料控除、給与所得控除、基礎控除のみ
●社会保険料や各控除は令和6年度の金額

条件を基にしたとき、各金額は表1のようになります。
 
表1

年収400万円 年収500万円
報酬月額 約33万3333円 約41万6667円
社会保険料額(年額) 63万3552円 76万5048円
給与所得 276万円 356万円
所得税基礎控除 48万円
所得税課税所得 164万6000円 231万4000円
所得税率、控除額 5%、0円 10%、9万7500円
所得税額 8万2300円 13万3900円
住民税基礎控除 43万円
住民税課税所得 169万6000円 236万4000円
住民税所得割+均等割 10%+5000円
住民税額 17万4600円 24万1400円

※筆者作成
 
計算すると、年収400万円の手取り額は310万9548円、年収500万円の手取り額は385万9652円です。手取り額の差は75万104円になります。
 

控除が適用されると手取り額が多くなる可能性も

先述したもの以外にも控除が適用されていた場合、手取り額が多くなります。控除には所得から差し引かれる所得控除と、税金から差し引かれる税額控除があるため、計算時に間違えないようにしましょう。
 
例えば、医療費控除は年間の医療費に応じて所得から差し引ける所得控除です。国税庁によると、その年の総所得金額等が200万円未満なら総所得金額等の5%、それ以外は10万円を超える金額の医療費を1年間で支払っていた場合に、最大200万円まで控除できます。
 
ほかにも、住宅ローン減税なら「毎年の住宅ローン残高×0.7%」の金額を最大13年間所得税から控除できる税額控除です。国土交通省によれば、所得税で控除しきれなければ、一部は翌年の住民税からも控除されます。
 

手取り額は年間約75万円の差になる可能性がある

手取り額を求めるには、額面の給料から社会保険料や所得税、住民税を差し引きます。年収400万円と年収500万円の場合、今回の試算では、手取り額の差は75万104円です。ただし、条件が変わると手取り額も変わるので、参考値としてください。
 
なお、医療費控除や住宅ローン減税を始めとする所得控除や税額控除が適用されると、手取り額は多くなります。少しでも手取り額を多くしたいなら、ほかにも自身に適用される控除がないか調べてみるとよいでしょう。
 

出典

国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)
国土交通省 住宅ローン減税
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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